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五十嵐貴久『土井徹先生の診療事件簿』

  • 2010/01/14(木) 12:48:22

土井徹先生の診療事件簿
土井徹先生の診療事件簿

内容(「BOOK」データベースより)
殉職警官を父に持つ令子は、24歳にして南武蔵野署の副署長。毎日暇にしていたら、「命を狙われている」と訴えるノイローゼ気味の偏屈な老人を訪ねることに。その老人宅で出会ったのが、病気のダックスフントを往診していた獣医の土井徹先生とその孫・桃子。ダックスフントと「話した」先生は、驚きの真実を令子に告げる…(「老人と犬」)。いつでも暇な副署長・令子、「動物と話せる」獣医・土井先生、おしゃまな先生の孫・桃子。動物にまつわるフシギな事件を、オカシなトリオが解決。心温まるミステリー。

殉職した優秀な刑事を父に持ち、自分は東大を卒業後、南武蔵野署の副署長として赴任した令子が主人公。
と言っても、別に「父の仇を取る」とか「遺志を継いで」ということではなく、のんびり構えているうちに就職戦線に乗り遅れ、たまたま受けた公務員試験に通ってしまったために警察庁に入った(厳密には「入れられた」)ので本人にやる気がないし、周囲(上司や部下)も別に何をしてくれるとも期待していない、という設定。
この、素材はよさそうなのに居場所が見つけられず覇気のない生活を送っている令子をサポートするのが偶然知り合った動物病院の院長・土井先生。
たまたま令子が担当することになった事件(いずれも「動物」が絡んでいる)の話を聞いて、その動物の生態などから意外な真実(ときには犯人)を指摘して令子を助ける・・・という話。

読みやすかったし、設定も面白かったのですが、残念ながら内容はそれを活かせていなかったように思います。

何より主人公の令子が魅力的じゃないんですよねえ。
確かに警察にいるすべてがよく小説やドラマに出てくるような「生まれつき警察官」だったり「犯人逮捕に命を掛けている」という人間ってことはないだろうから、こういう設定も面白いかもしれないけど、それでもせっかくいい大学を出ていい待遇で就職した若者がいつまでも「やることがない」「やる気がない」とダラダラしている描写が多いのはいかがなものか、という気がします。
しかも着任して半年くらいの話だったらまだしも、この作品の中で2年も経っているのに状況が変わらないというのは…どういう方向に行くのが正しいのかは判らないけど、少しは変化したり進歩したりして欲しいと思うのです。
更に事件の謎解きも他の人にしてもらうなら令子が主役でいる意味はないのではないでしょうか。
タイトルも「土井徹先生の~」とあるんだから、土井先生が主役でも何の差支えもないかと。
例えば土井先生の病院に仕事が上手くいかない令子がペットの診察にかこつけて相談に行く、といった設定の方が無理がないような気がします。

「老人と犬」「奇妙な痕跡」「かえるのうたが、きこえてくるよ」「笑う猫」「おそるべき子供たち」「トゥルーカラー」「警官殺し」の7つの短編が収録されているのですが、最後の「警官殺し」はすごく中途半端なところで終わっています。
タイトル通りひとりの警官が殺される事件が発生、犯人は捕まるのですが、その供述が怪しいのではないかと土井先生にほのめかされ令子が「真実を自分で突き止める」と決意するところで終わっているのです。
令子が変わっていくきっかけになるのかなとは思うのですが、その後の展開がまったく不明なまま終わってしまうのはかなり不親切だなあと思います。
次の展開への布石なのかもしれませんが、出来れば解決編までこの本の中に入れて欲しかったと思いました。

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