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三浦しをん『風が強く吹いている』

  • 2009/11/03(火) 12:25:21

風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)

内容(「BOOK」データベースより)
箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。

すごく面白かったです。

文章もストーリー展開もキレとスピード感があって、ぐいぐい先へ先へと引っ張られます。
竹青荘のメンバー10人もそれぞれ個性的で、しかもその個性がきちんと描き分けられしっくりとその人物たちに寄り添っているのでそれぞれに感情移入が出来ました。
昨日の朝読み始めて通勤途中やお昼休みにちょっとずつ読んでいたのですがあまりに面白くて続きが気になって仕方ない。
その後、帰宅してから読み始めたら止まらなくなって今日は休みということもあって午前3時まで掛けて読了しました。

私は運動は苦手だし嫌いです。
特に足がすごく遅いので、小さい頃から走ることでいい思い出は一つもなくて体育の授業も運動会も大っ嫌いな子供でした。
なので、大人になって一番よかったのは「無理矢理走らされることがなくなった」ことです(笑))
そんなふうにスポーツとは無縁の生活を送ってしまったため自分がやることはもちろん人がやっているスポーツにもあまり感心はないのですが、お正月に放送している箱根駅伝は何故か毎年(といってもここ数年のことですが)けっこう楽しみに見ています。
(他に面白いTV番組がないというのもありますが(笑))
優秀なメンバーを揃えたチームが圧倒的な強さで勝つという方程式があまり当てはまらず、それぞれのコースを走るメンバーがどんどん代わっていくことで展開が一気に変化する可能性があることや、団体競技と個人競技の2つの特徴を1つの競技の中に合わせ持っているその微妙なバランスを面白く感じます。
また、試合中に生まれる悲喜こもごものドラマもこの競技の魅力。
工程が長く、ランナーが多い分いろんなことが起こりがちですよね。
なので試合終了後に放送される舞台裏ドキュメントなんかも見ちゃったりします(TV局の思うつぼですね(笑))

でも、そう思いつつも自分自身が楽しさを知らないので、心のどこかには「なんだって正月早々こんな寒いところを必死で走ってるんだ、この若者たちは」という根本的な謎があったりするんですよね。
(これはマラソンとか見てても同じ感想を持つのですが)

そんな私にとって、これは「走ることの快感」をちょっとだけ疑似体験させてくれるような作品でした。
特に10人のメンバーがそれぞれの想いを抱きながら与えられた自分のコースを疾走するシーンにたくさんのページを割いてあったのがとても良かったです。 彼らが感じた風の感触の何万分の1かを頭の中でほんの一瞬イメージできたような気がします。

10人のメンバーがみんなムチャクチャいいヤツばっかりだとか、10人のうち7人は陸上経験がないし予選会の半年前から本格的に練習を始めたばっかりなのにこの結果、とか「それはちょっとあり得ないでしょう」ということもけっこうあるのですが、それはそれで「お話」としてアリだ、と思えました。
逆に「こうなるからこそ「小説」なのだ」という気がしますね。

良質な青春小説だと思います。お薦めです。

ちょうど映画化作品が公開中なのでこちらも見てみようかなという気になりました。
ただ、この小説の文体自体が非常に映像的で、読みながらずっと走(カケル)や灰二(ハイジ)たちが走ったり笑ったりケンカしたりする様子を思い描きながら読んでいたので、実際の映像とギャップがあるとガッカリするかも、という心配もあるのですが。

映画「風が強く吹いている」公式サイト

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