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霧村悠康『脳内出血』

  • 2008/10/14(火) 13:26:59

脳内出血 (だいわ文庫 I 118-1)
脳内出血 (だいわ文庫 I 118-1)

出版社/著者からの内容紹介
医療ミス、論文捏造、殺人......。大学病院という迷路で、医師は倫理を捨ててしまったのか。現役医師が告発する衝撃の医療ミステリー!

東京近郊のホテルで女性の変死体が発見されたが、身元に関する手がかりは何一つ出てこない。同じ頃、都内のホテルで開催された日本代謝病遺伝子学会では、国立O大学大学院に所属する二十八歳の医師が注目を集めていた。世界最高峰の科学誌に若くして論文が掲載されたのだ。ところが、その論文に捏造疑惑が持ち上がる----。現役医師だから書ける衝撃の医療ミステリー!

将来を嘱望された若手医師が書いた論文の捏造と、千葉県内のホテルで発見された身元不明の女性の変死体という全く関係がないように思われた事件が一つに結びついて行く…という構成。
ストーリーの枠組み自体は面白そうだと思ったんだけど…読んでみたら長かった…(T_T)

ページ数自体は430ページくらいだったんだけど、なんだか全体的に無駄な部分が多かったような気がする。

作品の冒頭(20ページ付近)で女性の変死体が見つかるシーンが出てくるんだけど、その後すぐに論文捏造の話に移ってしまってその後大学の内部や研究の話や論文の話が延々と続くんだよね。
その間(2ヶ月くらい)変死体は身元不明のまま。
で、そのまま論文の捏造を告発するところまで行って、ようやくそこで冒頭の変死体がこの大学と関係があるってことで捜査が入るんだけど、ここまでで250ページを超えてるんだよ。
ちょっと長すぎるんじゃないかと思うんだけど。

その他の部分も全体的に書き込みすぎって印象。
同じことが何度も繰り返して書かれていたり、あまりストーリー展開に関係のない専門的な話が長々と書かれているのがすごく気になった。
その分、肝心のメインストーリーの展開が遅々として進まない、というか空回りしている、というか。
確かに専門的な知識は読んでいて面白い部分もあるけど、ストーリーの進行を阻害するほどの量を書かれても読者としてはツライ。

それから、セリフ、特に独白部分の書き方がすごく説明っぽくなっていて違和感あり。
これもあまりにも長く複雑になっているストーリーを補完するために使われているような気がする。

そもそも何故冒頭の変死体は「殺された」のではなく、脳内出血で「死んでから首を絞められた」という設定にしたかの理由がよく判らなかった。
別に「首絞めて殺した」でもそんなに状況は変わらなかったのでは?
あと、犯人にはもうちょっと犯行に結びつく伏線を張っておいて欲しかったなあ。

全体的にもっとシンプルに、スピード感を持たせたストーリー展開にして欲しかったなあ。
論文や実験の説明を簡潔にして、変死体と論文の関係をもっと早い時期に絡ませて書けば半分くらいのページ数で終わったのでは。
じゃなければ論文捏造をメインにしてひたすら大学内部の話にしたほうが判りやすかったと思う。
(「チーム・バチスタ~」みたいにね)

ただ、島田のヤな奴っぷりはよく書けてたと思う。
モデルがいるのかしら?(笑)

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