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嶽本野ばら『下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん』

  • 2004/03/19(金) 20:55:25

下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん
嶽本 野ばら
嶽本野ばら『下妻物語―ヤンキーちゃんとロリータちゃん』父親の仕事の失敗から生まれ育った兵庫県尼崎を離れ、茨城県下妻に引っ越して来た桃子は考え方も徹底した真性ロリータ少女。
一方、地元で最大のレディース舗爾威帝劉(ポニーテール)のメンバーであるイチゴはバリバリのヤンキー少女。
この普通では何の接点もないような2人がひょんな事から知り合い、いつしか不思議な信頼関係を築いていく。



面白かった~!
キャラクター設定、物語の設定は個性的、ギャグ満載の娯楽作品。
電車の中で読んでいて吹き出しそうになってしまい、慌てて周りを確認してから下を向いて笑いを噛み殺したことが度々あった(笑)
(特に「はなもげ」の所は我慢してたら涙が出そうになってしまうくらい可笑しかった!)

でも重要なのは、ただ単に面白い、笑えるだけの作品ではない、と言うこと。
読んでいる中で「うんうん、そうだよね」と納得できる、共感できる箇所が沢山あってとても考えさせられる作品でもあった。

主役の桃子とイチゴ、2人とも強烈な個性の持ち主。
特に桃子のその外見からは想像の付かない筋の通し方が気持ちいい。

例えば
「一番大事な物は人には絶対に貸さない。貸してもいいのはどうでもいいものだけ。だから私は借りた物は返さない主義なの。その代わり、貸す時は戻ってこないことを覚悟で貸すの」(p102)

ってセリフなんか、「そうそう、その通り!」って大きく頷いてしまった。
こんな風に桃子はそのヒラヒラした弱っちい外見とは裏腹に一本きっちり筋の通った考え方を自分の中に持っていて、例え身体的、精神的にプレッシャーを受けることがあってもその考え方、生き方を変えることがないところが偉い。
他には、自分と価値観が違う人間がいても、「うわ、なんだこいつ」と思って更には口に出してしまったりするけどその相手の価値観を否定する事はしないところとか、話の合わない相手と無理に話を合わせるくらいなら一人でいる方がマシって言うところとか、思いがけず博覧強記で頭がいいけど別にそれをひけらかすわけじゃないところとか、自分のやりたいことをちゃんと判っていて安易に周りの雰囲気に流されてしまわないところとか…とにかく「ちゃんとしてる」女の子なのだ。

かたやイチゴは頭があまり良くなくてボキャブラリーが乏しいせいか桃子のように自分を表現する事は出来ない分、ちょっとアピール度が低い。
(視覚効果があれば違うのだろうけど)
でも彼女も自分のあるべき姿や相手を尊重する心をきちんと持っている女の子。
そんなところが桃子と共鳴したんだろうと思う。

一番良かったのはイチゴが辛くて泣いている時に桃子が何も言わずにただ傍にいてあげる場面。
そして、イチゴもそうやって何も言わないでいてくれたと言うことがどんなに難しく、そして嬉しいことかちゃんと判っていたというところに泣かされた。

桃子は今までも十分ちゃんとしていたけど、イチゴと出会ったことで人のために動くこと、そうする価値のある人間もいるって事を知ったんだと思う。
こうやって人は人の想いを受け止めて、投げ返して成長して行くんだね。
2人ならきっと素敵な大人の女の人になることでしょう。
いつか大人になった2人にも会ってみたい気がする。

物語の殆どがこの2人の関係についてなので、他の登場人物は個性的な割にそんなに印象が強い人はいない。
その中で桃子のおばあちゃんはかなり肝の据わったキャラクターでカッコ良かったです。
(それなのにその息子である桃子の父親が「駄目親父」になってしまうのはどうしてなんだろう??ま、歴史的にもそう言う事ってよくあるけどね(笑))

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「下妻物語 - ヤンキーちゃんとロリータちゃん」(嶽本野ばら)

「下妻のジャスコはあたいらにとって、最もシブい場所なんだよ。」「お前もこれから下妻で生きていくには、ジャスコのお世話になるに決まってる」(by イチゴ)のジャスコネタがお気に入りのワタクシ。気軽に読み始めたのでありますが、面白くて一気で読みきりました(風呂で

  • From: 「いろいろ感想文」 |
  • 2005/08/16(火) 22:03:33
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