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◆Date:2009年02月
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東野圭吾『嘘をもうひとつだけ』

  • 2009/02/23(月) 10:22:11

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)
嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住む元プリマ・バレリーナのもとに一人の刑事がやってきた。彼女には殺人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが…。人間の悲哀を描く新しい形のミステリー。

東京練馬署の刑事・加賀恭一郎を主人公(探偵役)にした短編ミステリー集。
表題作の他「冷たい灼熱」「第二の希望」「狂った計算」「友の助言」の5編を収録。

面白かったです。

登場人物は殆ど加賀刑事と犯人のみ。
出てきたとしても犯人の周囲2~3人くらい。
その少ない人数との会話、証言、捜査によって、加賀が真実に迫り、鮮やかに解き明かすまでが描かれています。

短篇のせいか、ストーリーや謎はシンプルでストレートです。 
であるにも関わらず、非常に読み応えがあるんですよねえ。
簡潔で端正な文章の中に、必要な情報と伏線、そして登場人物の想いまでがギュッと詰まっていて、濃厚なのにうるさくない。
決して過剰に書き込んであるわけではないのに犯人の人間関係や心情、行動などが、すごくクッキリと浮かび上がってきます。
なので、読者はそこに描かれている内容以上の物語を、作品から感じ取ることが出来るのではないかと思います。
東野氏が文章巧者なのは認識していましたが、こんなに実感として「巧いな~」と感じたのは初めてだったかもしれません。

短編なのに、2時間ドラマ1本くらい余裕で作れそうな膨らみがあり、余韻も充分な作品ばかりでした。

そして、何より主役として犯人を追い込んでいく加賀刑事が魅力的。
論理的で行動力があり冷静で、でもその奥に情熱を秘めているというタイプです。
私のイメージでは堤(真一)さんをもうちょっと若くした感じかな、と思いました。

私は東野作品ってポツポツとしか読んでいないので知らなかったのですが、主役の加賀刑事はかなり多数の作品に登場しているんですね。
他の作品も読むのが楽しみです。

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畠中恵『つくもがみ貸します』

  • 2009/02/22(日) 10:18:30

つくもがみ貸します
つくもがみ貸します

お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟二人で切り盛りする、小さなお店「出雲屋」。鍋、釜、布団にふんどしまで、何でも貸し出す出雲屋ですが、よそにはないような、ちょっと妙な品も混じっているようで…。彼らは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。気位も高く、いたずら好きでおせっかいな妖怪たちは、今日もせっせと、出雲屋を引っ掻き回すのでありました。ほろりと切なく、ふんわり暖かい。畠中ワールド、待望の最新作。

人間と妖の関係を描いているのは「しゃばけ」シリーズと同じですが、こちらの作品の中の妖は小道具屋兼損料屋の商品として登場するので「しゃばけ」のように全面的に人間の味方だったり協力的だったりはしません。
(といっても「しゃばけ」も妖たちが味方するのは若旦那だけであって、他の人間はいてもいなくても同じ、という部分はあるわけですが)
自分勝手で働くのが嫌いでお喋り好き、詮索好きな彼らはお紅と清次の都合で動かされることにブーブー文句ばっかり。
でも、結局何だかんだ言ってもちゃんと必要な情報を集めて帰ってきてくれる。
それは、自分たちの存在を知っても気味悪がったり売り払ったりせずに大切にしてくれる2人のためであるのと同時に、そういう居場所を失わないための彼らのしたたかな計算だったりもするんですよね。
そういう、一見仲が悪そうなのに、実はお互いに大切に想っているという距離感の関係が巧く描かれていて楽しく読めました。

それぞれの短篇に日本の色を表す名前(「利休鼠」「裏葉柳」「秘色」「似せ紫」「蘇芳」)がついていて、最初のページの紙色がその色になっているのもおしゃれでした。

ただ、作品全体を通じてキーワードとなる「蘇芳」について、最初のお紅のこだわり方とその後明らかになっていく関係性になんとなくしっくりこない部分があったのが残念。

それと、結末が「多分こうなるんだろうなあ」と思っていたそのままだったのが物足りなかったです。
最後はあそこに辿り着くのはいいにしても、その前にもうひとひねりあってもよかったのでは。

加藤実秋『インディゴの夜 ホワイトクロウ』

  • 2009/02/15(日) 10:15:43

インディゴの夜 ホワイトクロウ (ミステリ・フロンティア)
インディゴの夜 ホワイトクロウ (ミステリ・フロンティア)

内容(「BOOK」データベースより)
スタイリッシュで、個性的なホストが集うclub indigoはオープン三年目を迎え、リニューアルを決定。ある伝手で有名インテリアデザイナーに内装を依頼した。改装工事の間、店は仮店舗で営業することになる。そんなバタバタの中、ホスト達はそれぞれトラブルに見舞われて…。ジョン太、アレックス、犬マンがプライベートで巻き込まれた事件の顛末に加え、indigoリニューアルに絡む騒動まで勃発。ますます快調なシリーズ第三弾。ホスト探偵団は、今日も夜の街を駆け抜ける。

「インディゴの夜」シリーズの3冊目。
表題作他「神山グラフィティ」「ラスカル3」「シン・アイス」の4編が収録されています。

今回は、「元の店舗をリニューアルするために仮店舗で営業することになった」という設定のせいか店員全体での動きではなく、ホストの誰かがプライベートの部分で巻き込まれた出来事を解決する、という内容がメイン。
その分内容がシンプルでスピード感があって読みやすかったです。
更に、バラバラに起こっているように見えたそれぞれの事件が、ラストに配置された表題作で実はちょっとずつ繋がっていたというのが見えてくる構成もよかったです。

ただ、表題作は始まって数ページで大体どんなトラブルが起こるか読めてしまうという、ちょっとありがちなパターンの話だったり、最後の謎解きが「真相はこういうことだった」と直接書いてあるのはちょっと残念でした。
この、物語の終わらせ方は一つ前の「シン・アイス」にも同じ印象を受けました。
急激に話の方向性が切り替わるのではなく、話を進めつつ伏線とか会話とかエピソードとかで読者にも推理する余地を与えたり、ちょっとずつ結末が見えてくるような書き方をして欲しかったです。

お店のナンバーワンホスト・ジョン太の不器用な恋模様を描いた「神山グラフィティ」が可愛らしくまとまっていて一番好きでした。

柴田よしき『謎の転倒犬-石狩くんと(株)魔泉洞』

  • 2009/02/07(土) 10:12:26

謎の転倒犬―石狩くんと(株)魔泉洞 (創元クライム・クラブ)
謎の転倒犬―石狩くんと(株)魔泉洞 (創元クライム・クラブ)

内容(「BOOK」データベースより)
深夜のアルバイトを終えた僕が偶然出会った、厚化粧の女性。なんと彼女は連日女の子が行列をなす、カリスマ占い師・摩耶優麗だった。時を遡って過去を見てきたと嘯く彼女に、ズバリ言い当てられた僕の過去。きっと何かカラクリがあるはずだ!ミステリ同好会の僕が必ずこの謎を解いてやる!(株)魔泉洞に持ち込まれる不思議な事件を、鮮やかに解く、優麗の推理(占い?)。そして石狩くんの受難をユーモラスに描いた本格ミステリ連作集。

柴田さんの作品は上手い分、重い作品を読むと自分の気持ちも引っ張られてしまうのでちょっと敬遠してしまうことが多かったのですが、これは「よく判らないタイトルだけど少なくとも重い内容ではないだろう」と見当を付けて読んでみました。
結果、読みやすくて面白かったです♪

大学の卒業は決まったものの就職先が決まらない石狩くんはひょんなことから人気占い師・摩耶優麗(まや・ゆうれ)と知り合い、彼女が社長を務める株式会社 魔泉洞に無理矢理就職させられ裏方と同時に優麗のアシスタントを勤めるハメに陥る。
そのなかで出会う不思議な話、出来事を優麗が解決していく、というストーリー。

短篇集だということもあり謎自体はそんなに手が込んだものはありませんが、その分読みやすく判りやすい内容になってます。
また、強気で我が儘、自分勝手だけど自分の役割と能力を知り尽くして行動する優麗、彼女の右腕として会社の雑務を一手に引き受けるオネエ言葉の中年男性・ウサギちゃんこと宇佐見儀一郎、そして気弱で要領が悪く何の取り柄もないけど何故か優麗に気に入られている石狩くん、といったキャラクターの設定や彼らのちぐはぐな会話が効果的でした。

表題作の他「時をかける熟女」「まぼろしのパンフレンド」「狙われた学割」「七セットふたたび」の4編を収録。
こうやって並べると不思議なタイトルの意味がハッキリしますね。
個人的には「七セットふたたび」というタイトルが一番ウケました(笑)

畠中恵『いっちばん』

  • 2009/02/07(土) 10:10:10

いっちばん
いっちばん

内容(「BOOK」データベースより)
摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若だんな・一太郎に持ち込まれるは、訳ありの頼み事やらお江戸を騒がす難事件。お馴染みの妖がオールキャストで活躍する「いっちばん」、厚化粧のお雛ちゃんの素顔が明らかになる「ひなのちよがみ」の他三編を収録。大人気「しゃばけ」シリーズ第七弾。

「しゃばけ」シリーズも七冊目。
安定してますね。
若旦那と周囲の人間たち、そして妖(あやかし)たちの作り出す作品の雰囲気と、物語の内容のバランスがちょうど良くて、安心して読めて、終わった後ほっこりした気持ちが残る素敵な作品ばかりでした。

ただ、以前の作品で出てきた登場人物が再登場する場面がいくつかあるのですが、説明があっさりしすぎているので誰だか思い出せなくてちょっと困りました。
前に出てきた人物についてどこまで書くかの判断は難しいのかもしれませんが、私みたいなメインの登場人物以外はあまり記憶にありませんな読者やたまたまこの作品から読み始めたという読者にはちょっと不親切だったかな、と思いました。

「いっちばん」「いっぷく」「天狗の使い魔」「餡子は甘いか」「ひなのちよがみ」の5編を収録。

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