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◆Date:2007年11月
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似鳥鶏『理由(わけ)あって冬に出る』

  • 2007/11/14(水) 10:25:18

理由あって冬に出る (創元推理文庫 M に 1-1)
理由あって冬に出る (創元推理文庫 M に 1-1)

内容(東京創元社Webサイト内より引用)
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――吹奏楽部は来る送別演奏会のため練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立会いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。

著者はこの作品で昨年「鮎川哲也賞」に佳作入選、これがデビュー作らしい。

面白かった♪
「見つけた!」ってところまでは行かないけど(笑)、かなり好きな雰囲気を持った作品で楽しく読めた。

何より人物設定がいい。
主人公の美術部員・葉山くん、探偵役の文芸部部長・伊神先輩、しっかりものの吹奏楽部部長・高島さん(ひかるちゃん)、葉山くんを狙っている演劇部部長・柳瀬さん、葉山くんの友人で演劇部裏方の三野くん(ミノ)…などなど、いかにも文化系・芸術系クラブにいそうなキャラクターが秀逸。
(特に伊神の傍若無人っぷりがいい!さすが探偵役だ(笑))
また彼らのテンポのいい会話も読んでいて楽しかったし、事件に直接関係のない些細なエピソードにも彼らの性格を特徴付ける工夫が凝らされていた。
こうした主役クラスはもちろん、それ以外(例えば邦楽部の2人とか)の描き方もすごくディテールが細かくて、不思議なリアリティがあったし。
あとがきによると著者自身の母校をモデルにしているということなので、人物設定とかも(全部ではないにしろ)モデルがいるのかも。

同じ学校内で「失踪した」、更には「死んだ」とまで言われる先輩の噂を葉山が知らないのは不自然じゃないの?とか、ミスリーディングを誘うつもりで書いているのかもしれないけど効果は「?」の部分もあったりするなど物語の設定に納得出来ない部分もあり。

でも、全体にごまかしがなくストレートに書いてあるので読後感は悪くなかった。
特に全体的に著者の優しい気遣いが溢れているのが私は好きだったな。
例えば、最後に噴出する大人のずるさ、身勝手さを和らげるために事前に「そういう人ばかりじゃない、こういう大人もいるんだよ」って予防線が張ってあるところとか。
ラストの展開にしても普通のミステリーだったらあのエピソードまで書くことはないと思うけど、そういう存在も含めて全てにエンドマークを付けようとする心遣いに好感が持てた。(もしかしたら余計なことなのかもしれないけど)

今後どんな作品を書いていってくれるのか楽しみ。

ただ、あとがきは本編と関係ない話が長々書いてあって正直つまんなかった。
あとがき作家にはならないように注意して欲しい…。

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山本一力『梅咲きぬ』

  • 2007/11/05(月) 10:34:13

梅咲きぬ (文春文庫 や 29-6)
梅咲きぬ (文春文庫 や 29-6)

出版社/著者からの内容紹介
景気の低迷が続く宝暦年間、深川の老舗料亭「江戸屋」を凜として守る女将・秀弥とその娘・玉枝。幼くしてすでに次の女将を襲名すべき運命を背負った玉枝は、母や周囲の厳しくも温かい目に見守られながら、やがて誰からも認められる老舗の女将として、大きく成長してゆく。著者が「わが思い入れ最高の作品」と呼んだ感動傑作。

とても「品のいい」作品だった。

深川の老舗の料亭・江戸屋を女手一つで切り盛りする三代目女将・秀弥とその一人娘・玉枝の物語。
聡明で美しく誠実で胆力があり誰からも敬われる母と、幼い頃からその後を継ぐべく女将に相応しい教育を受ける利発で素直な娘。
母を始め周囲の人々の厳しくも温かい眼差しと薫陶を受けながら、娘・玉枝は母をも凌ぐ女将としての器量を身につける…。

江戸屋と秀弥、玉枝親子の周囲で起こる様々な出来事を丁寧に読みやすく書いてあるので一気に、面白く読めた。

もうとにかく、立派な人、いい人しか出てこない。
(悪い人はちょっと出てくるけど、ちゃんと「退治」(笑)されてしまう)
そこがよかった反面、あまりにもみんな立派すぎて、読んでると時々鼻白む部分もあったかな。
(三代目)秀弥も玉枝も出来すぎなんだもの。
この親にこの娘だからよかったようなものの、ちょっとでも飲み込みが悪かったりボンヤリしてたりしたらこんな生活はついていけないだろうなあ…^^;

でも、この本には人が人としてきちんと生きていくために必要なことがたくさん書いてあると思うので読めてよかった。
特に、玉枝が祖父母のように信頼し、敬愛した踊りの師匠・春雅とその連れ合い福松夫婦の描き方がステキだった。

四代目秀弥(玉枝)には実子がいなくて養女を貰うことになるはずなんだけど、今度は彼女がどんな子育てをしたのかを読んでみたいな。

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