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◆Date:2007年09月
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森谷明子『七姫幻想』

  • 2007/09/02(日) 14:24:29

七姫幻想
七姫幻想

内容(「BOOK」データベースより)
遙か昔から水辺に住み、日ごと機を織る美しい女たち。罪の匂いをまとう織女をめぐり、物語が密やかに始まる。時を超えて語られる織女伝説ミステリー。

タイトルの「七姫」というのは、七夕の織女(織姫)の異称のことらしい。
それぞれ「秋去姫(あきさりひめ)」「朝顔姫(あさがおひめ)」「薫姫(たきものひめ)」「糸織姫(いとおりひめ)」「蜘蛛姫(ささがにひめ)」「梶葉姫(かじのはひめ)」「百子姫(ももこひめ)」の七つ。
織姫様にこんなにいろんな名前があったなんて初めて知った。
特に「蜘蛛姫」なんて見た目ちょっとビックリな名前だけど、機織りの糸から想像された名前なのかな。

これはそのたなばたの七姫をモチーフにした短篇集。
「ささがにの泉」「秋去衣(あきさりごろも)」「薫物合(たきものあわせ)」「朝顔斎王」「梶葉襲(かじのはがさね)」「百子淵(ももこのふち)」「糸織草子」と、それぞれの物語に七姫を重ねた名前が付いている。

でも物語に七姫の名前を持った登場人物が直接出てくるわけではない。
古代から江戸までのそれぞれの時代のさまざまな状況のなかで、お互いに愛し合い結ばれた、または愛を閉じ込め愛しい人と別れなければならなかった女たちの物語が語られていく。
ある人は伝説になり、ある人は子孫になり、時代と姿を変えながら脈々と受け継がれていく「七夕」の物語。

全体的にそれぞれの時代の習慣や風俗よりもあくまでも恋人たちやその周囲の「人」の生活を中心に描くことで時代性を表現してあるため、すんなり物語の世界に入っていくことが出来た。
ただ、物語の中にミステリーの要素も含んでいるので、会話や物語の流れに含みがありすぎたのがちょっと気になった。
もっとスッと流れる文章で書かれていた方が綺麗な物語になった気がする。

七編の中では無欲で世間知らずの元斎王が身近にあった幸せを掴み取る「朝顔斎王」がよかった。
タイトルも物語も『源氏物語』を敢えて意識しつつ別の結末に持っていっているのがいい。
それに唯一のハッピーエンドらしいハッピーエンドだったしね(^^)

それぞれの物語に合わせて選ばれ、物語の中で重要な役割を果たす実在の和歌の数々も印象的だった。

ちなみに「朝顔斎王」ではこんな歌。

君こずは 誰に見せまし わがやどの かきねにさける 朝顔の花
(拾遺和歌集 詠み人知らず)

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二階堂黎人『ドアの向こう側』

  • 2007/09/02(日) 14:20:08

ドアの向こう側 (講談社文庫)
ドアの向こう側 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
ライセンスを持たない孤独な私立探偵―渋柿信介。次々と舞い込む難事件を、大胆な行動力と子供らしからぬ推理力で粛々と解決していく。そこはかとなくハードボイルド感ただよう人気シリーズの第三弾。

 探偵役が幼稚園児という設定のミステリー。

パパ(ケン一)がイケメン刑事、ママ(ルル子)が元アイドルでスピード狂、そして息子(信介)は幼稚園児の私立探偵という設定がバカバカしくていい(笑)
ケン一やルル子の前では普通の幼稚園児なのに、セリフや独白がハードボイルド調なのも笑えた。
例えばこんな感じ。

幼稚園から戻り、プラダの白いワンピースを着たルル子と一緒に、グリコの〈プッチンプリン〉を食べている時のことだった。
「-シンちゃん。シンちゃんは、最近、どんなことをして遊んでいるの?」
と、彼女が質問した。
『仕事の依頼の方はさっぱりだ。街の様子はますます惨めになり、人々の心はどんどんすさみ、財布の中身は空っぽになるばかりだ』
私は指先についたカラメルを舐めながら、そう答えた。

こんな喋り方をする幼稚園児がいたらヤダな~^^;

でも、このシンちゃんのセリフに対してルル子は

「そうよねえ、カラスが荒らすから、ゴミ箱はいつも汚くて。そこにまた、心ない人が勝手にゴミを放り出していくでしょう。市役所によく注意しなくちゃ」

と普通に返事をしているということは、二重鍵括弧のついたハードボイルド調のセリフはシンちゃんの脳内だけで、実際に喋ってる(周囲に聞こえている)のは普通の幼稚園児のセリフだってことなんだろうね。
なので、シンちゃんがハードボイルドセリフを喋るたびに今度は私がそれを幼稚園児セリフに脳内変換しながら読んだりして、それも一興だった(笑)
ただ、ときどきこれをどうやったらいたいけな幼稚園児のボキャブラリーに変換できるのだろう?と悩むセリフもあったけど…。

事件はシンちゃんが同じ幼稚園のお客から依頼される事件ではなく、ケン一が担当している殺人事件や、行く先々で巻き込まれる強盗事件などがメイン。
シンちゃんが人知れず調査して掴んだ証拠を、推理好きのルル子が協力して犯罪を白日の下に晒し、ケン一が逮捕する、という流れ。

イマイチ存在感がないケン一に対して、「こんな奥さんで大丈夫なの?」と心配するほどのルル子の暴走っぷりが楽しかった。
でも、警察官でありながらそんなルル子にラブラブなケン一もかなり大物なのかも…(笑)

「B型の女」「長く冷たい夜」「かたい頬」「ドアの向こう側」の4編を収録。

既に三冊目らしいので、前の2冊も読んでみようっと。

私が捜した少年 (講談社文庫)
私が捜した少年 (講談社文庫)
クロへの長い道 (講談社文庫)
クロへの長い道 (講談社文庫)

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