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◆Date:2007年05月
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有栖川有栖『暗い宿』

  • 2007/05/27(日) 07:41:17

暗い宿
暗い宿

内容(「BOOK」データベースより)
犯人当てゲーム“トロピカル・ミステリー・ナイト”に参加するため、南の島のリゾートホテルを訪れた臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖。ハイビスカスに彩られたロビー。人魚姫のようにさざめく女たち。抜けるように青い空と青い海。バカンス気分で、のんびり過ごしていた二人だったが、訳ありげな夫婦に出会って…(「ホテル・ラフレシア」)。廃業した民宿、冬の温泉旅館、都心の瀟洒な名門ホテル―。様々な“宿”で起こる難事件に火村&有栖川コンビが挑む。傑作ミステリ作品集。

ホテルや旅館、民宿など「宿」を舞台にした短篇ミステリーの連作集。
表題作の他、「ホテル・ラフレシア」「異形の宿」「201号室の災厄」の4編を収録。

どれも短いながらも物語の構成や謎の設定がハッキリしていて謎解きも明解、ピリッとした作品集で楽しかった。

著者と同じ名前の探偵というのはよくいるけど、このシリーズの場合謎を解くのは(登場人物の)有栖川有栖ではなくその友人の火村助教授である、というのがバランスがよくて私は気に入っている。
この作品集ではいつも冷静な火村助教授と筋トレが趣味の外人ミュージシャンとの乱闘シーンなど(「201号室の災厄」)意外な面が見えて面白かった。

謎とは直接関係ないんだけど一番印象的だったのは「ホテル・ラフレシア」の中でホテルのバーのあまりの居心地のよさに有栖が

本当に、ここに居着いてしまいたいくらいだ。このバーテンに弟子いりしようか。もしかしたら、ここで働いている人間はみんな、かつてはお客だったのではないか?おお、それはこわい話だ。

と思うシーン。
お客に「ここで働きたい」と思わせられるサービスというのは、もう究極だろうね。
ホテルの素晴らしさを描くのにこういう表現を持ってこられるあたりがセンスいいなあ、と思う。
私も一生に一度でいいからそんなホテルに泊まってみたいなあ。

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河治和香『国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ』

  • 2007/05/27(日) 07:37:59

国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ
国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ

出版社/著者からの内容紹介
浮世絵師歌川国芳と娘登鯉をめぐる人間模様
前作『笹色の紅』で評論家の絶賛を浴びた新鋭作家の、ほのぼのおかしくて、ちょっとせつない書き下ろしシリーズ第1作。 天保の改革で、贅沢なものが次々と禁止になるさなか、見事な戯画で大人気を博した歌川国芳。ついには国芳も奉行所に呼び出され、顔見知りらしかった遠山の金さんと全面対決へ。さて、その顛末はいかなることに!? 国芳と妙ちきりんな弟子たちとが織りなす浮世模様を、国芳の娘の絵師・登鯉の目から格調高く描く。

無頼でひねくれ者だけど面倒見がいい歌川国芳と彼を慕う個性溢れる弟子たちの巻き起こす騒動、美人で勝ち気で絵が上手い登鯉の不器用な恋模様など国芳一門のエピソードを始め、天保の改革で次々と出される禁止の触れの隙間を縫ってささやかな楽しみを見つけていく庶民の姿が生き生きと描かれていて楽しく読めた。
(特に『格調高く描』いてある、とは思わなかったけど(笑))

ただ、最初に男の生首の傍で死んでいた全裸の女の死体の話から始まるのでてっきりこの事件の謎解きものかと思いながら読んでいたのに最後まで謎解きされることなく終わってしまったのでちょっとビックリ。
あれは第一話のエピソードだったのね^^;

あと、一つ一つのエピソードは面白かったけど、それぞれの繋ぎ方が甘くてそれぞれ別の物語に見えてしまったのが残念。
もうちょっと全体的なまとまりがあるともっとよかったな。

秋山香乃『忘れ形見-漢方医・有安』

  • 2007/05/26(土) 12:24:05

忘れ形見―漢方医・有安
忘れ形見―漢方医・有安
 

内容(「MARC」データベースより)
何者かによって3人の医師が立て続けに殺害される。後ろ暗い過去を抱える漢方医・有安の身の周りにも不穏な空気が漂い始めるが…。患者も治すが、悪をも糾す。市井に生きる人々の優しさと切なさが溢れる連作短編集。

1つ前の『諜報新撰組』と同じ秋山香乃さんの作品だけど、これは新撰組とは全く関係ない作品。 

武士の身分を捨て腕のいい漢方医として市井で生きる有安。
有安の一人娘として愛情を受けて育てられているが、実は出生に秘密を抱えるお雪。
某藩の主の小姓として将来を嘱望されていながら納得できない掟により藩を追われ、やがて有安の助手となる青年・司郎。
父に続き、母も病で亡くし司郎に育てられることになる幼女・お美知。 

生さぬ仲の2組の父子とその周囲の人々との関係や有安がはからずも巻き込まれていく事件などが、ゆったりと丁寧な筆致で描かれていて面白かった。 

連作短篇集の体裁を取りながらも、それぞれの物語がリンクしてお互いに影響を与え合い一つの大きな物語になっている構成も人物像に深みを与え、関係に広がりを持たせる効果がありとてもよかった。 

この作品のラストは司郎が再び人生の岐路に立つ場面で終わっている。
彼がそこから何を選択するのかは描かれていないし、有安の秘密やお雪との関係も曖昧なまま、それ以外にも決着していない事件や正体不明の人物の存在などまだまだ謎もたくさんあるのでもちろんこの先続刊があるはず。
楽しみに待ちたい。


<作家の公式サイト>
秋山香乃の館

秋山香乃『諜報新撰組 風の宿り-源さんの事件簿』

  • 2007/05/17(木) 12:14:35

諜報新撰組風の宿り―源さんの事件簿
秋山 香乃
430901805X 

内容(河出書房新社Webサイトより引用)
井上源三郎は、長州脱藩の間者・佐伯又三郎と親しくなり、長州、水戸、会津の政争にまきこまれていく。大和行幸、相撲興行の思惑、芹沢一派殲滅の意味を、八・一八政変と続く時代の中に探る。

以前読んだ『新撰組捕物帖』の続編らしい。
前作はすごく面白くて気に入ってたけど最終話で源さんが死んでしまうので「もう続きはないんだろうな」と思っていたら、続編が出ていたと知ってちょっとビックリ。
確かに時間を遡ればいくらでも書けてしまうんだろうけど…そこまでして続編として書く内容だったのかどうか疑問。
相変わらず文章は読みやすくてよかったんだけど、最後までちぐはぐな印象が拭えないまま読み終わってしまった。

前作と今回の作品はかなり毛色が違う。
前作は連作短篇集だったのに今回は長編だし、内容も前作は新撰組(源さん)の周りで起こるちょっとした事件を人情とお節介と熱血で解決するというほのぼの系だったのに対して今回は長州との鍔迫り合いや組織内の騙し合いの果ての芹沢の粛正、そして「新撰組」誕生へ、という全体的に歴史的事実を下敷きにした重いテーマの話だった。

全くイメージが違う内容なのに、源さんは前作同様「お節介と熱血」のまま物語の中に存在するから彼だけが一人浮いている感じですごく違和感があった。(主役なのに!)
全く別の素材を無理矢理一緒にしようと頑張った挙げ句、結局お互いの素材を殺し合ってしまったという感じにしか思えないんだけど。

佐伯又三郎と源さんの関係は好きだった。
ただ、やはり歴史的事実と並列で取り扱うにはちょっとパワー不足。
最後のほう引っ張りすぎてだれて来てしまったように思う。
あまり長州との関係に深入りしないで、源さんと佐伯の交流を中心に短篇として書いた方がよかったのでは。

前作のイメージがすごくよかったのでとても残念。
他にも新撰組作品を書いているんだから、これも続編としないで全く別の物語として扱ったほうがスッキリしたと思う。


新撰組捕物帖----源さんの事件簿
秋山 香乃
4309017355

感想文はこちら↓
新撰組捕物帖-源さんの事件簿
こちらはオススメです♪


<作家の公式サイト>
秋山香乃の館

結城光流『篁破幻草子 あだし野に眠るもの』

  • 2007/05/10(木) 12:10:49

篁破幻草子 あだし野に眠るもの
結城 光流
404441601X

内容(「BOOK」データベースより)
ときは、平安のはじめ。たぐいまれなる美貌とやわらかな物腰とで、宮廷貴族たちのアイドルとなっている十七歳の小野篁には、誰にも知られていない裏の顔があった…。墨染の衣に身をつつみ、宝刀「狭霧丸」と魔弓「破軍」をたずさえて、小野篁が京の闇を斬る!華麗なる歴史伝奇絵巻、ついに開幕。

「破軍星の下生」、そして「冥府判官」である(という伝説がある)小野篁(おののたかむら)を主人公にした小説だというので図書館で借りて読んでみたんだけど…残念ながら今ひとつ。
多分、これは私が普段この手の小説(ライトノベルでいいのかな?)を読み付けないせいだと思う。

この物語の篁は17歳の美少年、という設定。
いや、いいんですよ、美少年であること自体は。
「何の特徴もないフツーの人」よりは、「17歳の美少年」が主役のほうが話が華やぐってもんです。
ただね、だからといって何かというと「すごいくらいの」とか「天女のような」とか「見とれるほどの」とかって恐ろしく大げさな形容詞でもって篁の美しさを表現する必要はないんじゃないかと思うんだけど^^;

それに篁はちょっと頑な過ぎる気がするんだなあ。
すんごい偉そうで「みんなお見通し」みたいな感じでいるくせに、(ちょっと天然ボケ入ってる感じの(笑))お隣の融くんよりも実は子供なんじゃ?って感じがするな。(そこがいいのか?)
(私は融のが好き~♪)

話自体はけっこう面白かった。
夜な夜な都に現れて高貴な若者たちを襲う美貌の怨霊や、彼女を操る美しき鬼(登場人物は鬼さえも美形なのだ)との闘いはかなりハードな描写で迫力があって読み応えがあった。
それから、陸奥の山奥から都に戻ってきて「ヒマだったので」百鬼夜行と遊んで(いたぶって?)いるところを、閻羅王の息子にスカウトされて冥府の判官になった、という設定なんかすごく好きだわ(笑)

でも全体的にちょっと装飾過多なので、もう少しあっさり目に書かれていた方が(少なくとも私には)読みやすかったな。
あと(申し訳ないけど)イラストもないほうがよかった…です。


<作家の公式サイト>
狭霧殿

戸坂康二『グリーン車の子供』

  • 2007/05/08(火) 13:23:20

グリーン車の子供
戸板 康二
4488458025

内容(東京創元社Webサイト内より引用)
7年ぶりに「盛綱陣屋」への出演依頼を受けた中村雅楽。しかし、子役の演技が気になる雅楽は、なかなか出演を承諾しない。そんな折、大阪で法要に出席した雅楽と竹野記者は、帰京する新幹線で一人の少女と出会う。東京駅に着く間際に、雅楽が「陣屋」への出演を決めた訳はーー。第29回日本推理作家協会賞を受賞した表題作を含む、珠玉の18編を収録。《中村雅楽探偵全集》第2巻。資料再録等=戸板康二・小泉喜美子・佐野洋/解説=巽昌章/編者解題=日下三蔵

「中村雅楽探偵全集」の第2巻。
1巻同様、面白かった。

事件の舞台は劇場周辺、そして登場人物は雅楽翁やワトソン役の新聞記者竹野の知己が殆どなのにどの作品もそれぞれに新しい工夫があってどれを読んでも楽しめる。
あんな狭い空間でよくもこんなに色んなシチュエーションの事件を考え出せるものだなあと感心してしまう。
またどれも40~50ページほどの短篇ばかりだけれど、その中に状況や人物の説明、物語としての起承転結、そしてもちろん謎解きまで過不足無くきちんと完結しているのもいい。

狭い範囲で事件が起こりすぎといえなくもないけど(笑)、これからも難問奇問を鋭い観察力で解いていく雅楽翁の活躍に期待したい。

「目黒の狂女」「劇場の迷子」「松風の記憶」の3冊が刊行予定。

團十郎切腹事件
戸板 康二
4488458017

この作品の感想はこちら↓
團十郎切腹事件

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