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◆Date:2006年08月
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田中啓文『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』

  • 2006/08/26(土) 11:24:44

ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺
田中 啓文
4087460746

内容(「BOOK」データベースより)
上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。

「え?こんなヤツが落語?」というギャップとか、どの話にも落語のお題に合わせた事件とその謎解きが準備されているところとか、『どこかにあったよね、こんな話』…な雰囲気の短篇集(笑)
でも、'04年12月に単行本で出版されたものの文庫化とのことなので、世に出たのはこちらの作品のが先らしい。
(例のドラマは'05年1月放送)
そう考えると「先取りしていた」ってことなのね。

主人公の竜二が師匠・梅寿の元に連れられて来て、無理矢理弟子入りさせられるオープニングはテンポがあって読みやすく物語の世界にスムーズに入っていける。
取り上げる落語の内容に合わせた事件の組み立てや謎解きもけっこう面白く読めた。

惜しいなと思うのは、竜二が「落語」に反発するときの動機付けがちょっと弱いというか曖昧な部分。
竜二の気持ちの揺れが話の幅を広げている効果はあると思うんだけど、その根拠がきちんと示されないまま話が進んでしまうため、彼の心境がこちらにうまく伝わってこなかった感じ。
この揺れと、その後の気付きをもっと印象的に説得力を持って描ければ、もっと面白い作品になったと思うけどな。

それと、最初から最後までどうにも馴染めなかったのがそのネーミングセンス。
「松茸芸能」あたりはまだしも、料亭「吉凶」とかアパート「メゾン漆黒」あたりになると、なんかもう…(泣)
芸人たちの名前もかなりすごかったし。
この話だから敢えてこういう名前を付けたのかもしれないけど、それにしてもちょっと遊びすぎじゃないかな、と思った。

「たちきり線香」「らくだ」「時うどん」「平林」「住吉駕籠」「子は鎹」「千両みかん」の7編を収録。
同じ人物の行動が視点を変えることで全く違った意味を持つ、ということを描いた「住吉駕籠」が印象に残った。


<著者関連サイト>
田中啓文のふえたこワールド

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北森鴻『親不孝通りディテクティブ』

  • 2006/08/26(土) 11:21:36

親不孝通りディテクティブ
北森 鴻
4062754746

内容(「BOOK」データベースより)
タクシー強盗と、港の火事、そしてスーパーの警報騒ぎ、同時に起こった事件の意外な関連とは…。中洲の屋台でバーを営む鴨志田鉄樹と、結婚相談所の調査員・根岸球太。腐れ縁の通称「鴨ネギコンビ」が、どういうわけか、物騒な事件に関わっていく。博多を舞台に大暴れ!ハードボイルド・ストーリー。

福岡・中州でカクテル専門という少々毛色の変わった屋台を営むテッキと、恩師の経営する結婚相談所で調査員として働いている女好き・お調子者のキュータは高校からの腐れ縁。
2人が巻き込まれる(引き寄せる?)トラブルの顛末を描いたミステリー短篇集。
表題作の他「セブンス・ヘブン」「地下街のロビンソン」「夏のおでかけ」「ハードラック・ナイト」「センチメンタル・ドライバー」の計6編を収録。

キャラクター設定も多彩だし(でも私はキュータのキャラは苦手^^;)、ストーリー展開もスムーズかつスピーディー。
ストレスなくスルスル読める短篇集。
設定が凝りすぎていて、途中でよく判らなくなってしまうことも何度かあったけど、文章が巧いのでなんとなくスルーッと読めてしまうのは「さすが北森作品」といったところ。
(誉めてるのか貶しているのか自分でも不明(笑))

全体的に面白かったけど、ラストだけはちょっと腑に落ちないな~。
フィクションだしエンターテイメントであることは理解しているので「道徳的であれ」と思っているわけではないけど、それまでの物語の中で表明されてきたキャラクターの設定とその行動はギャップがある感じ。
心情的には判らなくもないけど、あのキャラクターだったらああいう行動はとらないのではないかと思うんだけど。
それまでの展開は面白かっただけに最後でミソが付いてしまったようで残念。

あ、あと、主人公2人が母親のように慕う恩師(現在はキュータの会社の社長)のバックグラウンド(何故2人にそこまで信頼されているのか)がもう少し掘り下げてあってもよかったかな。
(読んでいるとなんとなく判ったような気になってしまう部分も確かにあるんだけどね…(笑))

高田崇史『QED 鬼の城伝説』

  • 2006/08/24(木) 21:23:19

QED 鬼の城伝説
高田 崇史
4061824090

内容(「BOOK」データベースより)
岡山・吉備津神社に今も伝わる、占卜「鳴釜神事」。大和朝廷によって退治され、土中深く埋められた鬼神―温羅の首が、釜を唸らせて人の吉凶を告げるという。一方、これとは逆に、総社市の外れ、鬼野辺家に先祖代々伝わる大きな釜には、鳴ると凶―主が死ぬという言い伝えがあった。そして…、不吉の釜が鳴り、土蔵に長男・健爾の生首が!?旅の途中、事件に遭遇した崇は、事件の核心“桃太郎伝説”の騙りを衝く。

これはかなり興味深い作品だった。
といってもテーマとかモチーフではなく、作品の構成上の話。
今までの作品では殆ど最初から最後まで出ずっぱりでひたすら一人で喋り倒していたタタルが頭から3分の2くらいまで不在(例の4人で岡山に旅行に行くはずだったのに、タタルだけ所用で後乗りになった)で、物語も佳境に入ってからようやく姿を現す…という設定だったのだ。

で、気が付くのは「この話、タタルがいないほうがまとまっているんじゃないの?」ってこと(笑)

タタルが登場しない部分では、奈々の妹の沙織や小松崎、地元の女の子2人が案内人になってくれてタタルほどは詳しくないけど、そこそこ丁寧な解説を聞かせてくれて却ってこっちのが判りやすかったし、事件との関係性も、タタルが登場するまでのほうがバランスが取れていたと思う。

ところがタタルが登場した途端、他の3人からちょっと事件についてレクチャーを受けて現場をチラ見しただけで「謎は全て解けた」状態になってしまって、その後は相変わらずの「だからその話は事件と何の関係があるんだ」的な話が延々と続くという…(汗)
殺人事件の解明をしようという場にあっていきなり「鬼」の話から始まる、まるで「蝶の羽ばたきが嵐を起こす」みたいな話をされてみんな黙って聞いてるわけないと思うけど。
と言ってもこれは「お話」なんだからそれはそれで仕方ないと思う。
でもだったらタタルにどんどん話させとけばいいのに他の登場人物がヘンに軌道修正を試みようとするのが、却って「うざったい」なあ、と思えてしまうんだよね~。

あと、最初の殺人の動機もちょっと腑に落ちなかったなあ。
「それ」が他人に知られてはいけないような重要なものである、という説得力がそれまでの記述からは感じられなかった。
あと、人間関係も妙に複雑だけどその状況に合わせて組み合わせているだけって感じがしたし。

まあ、基本的にこのシリーズの場合、歴史の謎解きのほうがメインだから、殺人事件に文句を言っても仕方ないってことか…(笑)

あ、でもダイイング・メッセージについての考察は納得、というか同意。
確かにダイイング・メッセージというのはああいう働きをすることが一番合理的だと思う。

それにしてもこのシリーズはどこを読んでも「鬼」と「鉄」と「怨霊」ばっかりしか出てこない…もういい加減読むの止めてもいいかしら?^^;

と学会〈編〉『トンデモ本の逆襲』

  • 2006/08/12(土) 21:10:34

トンデモ本の逆襲
と学会
4862480373

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、ベストセラー『トンデモ本の世界』の待望の第二弾。トンデモ本はUFO、超科学、超古代史、メチャメチャ小説、 宇宙の心理を説く受験参考書まで、著者の大マジメな意図とは無関係に、読むと思わず笑ってしまう、トンデモない本のこと。 バードウォッチングをするように世に蔓延する奇説・珍説の数々を選りすぐって紹介する、くめどもつきぬ爆笑もの「真実」 の壮大なコレクション。

こういうアプローチの本って実はけっこう好き。
この「トンデモ本」シリーズも、1冊目の『トンデモ本の世界』がソフトカバーで出たときから読んでいて、 その後何冊かは見つけるたびに買っていたのでこの本も多分一度は読んでいるはず。
まあ、例によって例の如く内容は覚えていなくて(笑)、今回も初読のように楽しめたわけだけど。

この手の本は好きだけど、私の場合本を読むのが遅いし、記憶力が悪い(というか「ない」?^^;)ので、 元ネタ本を読み返して楽しむところまでは広がっていかないのが残念なところ。
この本の説明を読んでいるとすっごい面白そうな本が多いので、出来ればこっちも読んでみたいんだけど…。
ただ、それを「面白い」と思うためにはやはりそれなりの知識が必要なんだろうな。
私みたいにまともな知識がないままおもしろ半分で読んでしまうと、却ってその「とんでも」さに捉えられて、 あちらの世界に行ってしまう可能性もあるかも?
そう考えると、こうやって専門家(?)がフィルターを掛けてくれて安全な部分だけを抽出したこんな本を読んでいるのがちょうどいいのかな。

ところでいつもこの手の本を読むたびに感じるのは、こんな怪しい内容の本が「自費出版」 などではなくちゃんとした出版社から数多く出版されているのはどうしてなんだろう?ということ。
出版社から本を出す場合って、やっぱりそれなりの審査(?)があるわけだよね?
なのになんだって、こんなに「んな、アホな」的な内容の本が氾濫しているんだろう。
編集の人って内容をチェックしたりしないんだろうか?
ただ、この本によるとこういう「トンデモ本」の著者って、けっこうその世界では実績とか権威があるひとも多いみたいなので、 そういう人についてはその「名前」で出せちゃのかな、と思えなくもない。
でも中には特に知名度が高いわけではない、ただのアブナイおじさんって感じの人もいるじゃない?
この人の本を「ウチから出しましょう!」と思い切れる、その根拠は何?
この手の本を出すこと自体が出版社にとっては「ネタ」ってことなの?
それとも私たち読者が「トンデモ本の~」を読むときには「と学会」の人が「これはここがヘン(危ない)ですよ~」 と書いてくれてるから危険性が認識できるだけで、 何の知識もなく読んだら編集者でも納得してしまうくらい素晴らしい文章で理論展開をしているってことなのかしら。
そのへんの事情がぜひ知りたいなあ。

高田崇史『QED ~ventus~鎌倉の闇』

  • 2006/08/10(木) 21:07:13

QED ~ventus~ 鎌倉の闇
高田 崇史
4061823841

内容(「BOOK」データベースより)
「“神”は三種類に分類される…まず第一が、大自然。次は祖霊。最後は、時の朝廷に対して戦い、恨みを呑んで亡くなっていった人々」。 銭洗弁天、鶴岡八幡宮、御霊神社…鎌倉をそぞろ歩く奈々、沙織の棚旗姉妹に、桑原崇が説く「鎌倉=屍倉」 の真実!源三代にまつわる謎の答えが、闇の中に白く浮かび立つ。

鎌倉の話とか、源氏と北条氏の関係とか、頼朝の存在意義とか…。
蘊蓄の部分は面白かったけど、「株式の上場を目前にした会社の社長室で大怪我をした社員2名が発見され、社長が消えた…」という「事件」 とメインの登場人物たちとは殆ど何の接点もなく進んでいく構成が…なんだかなあ…^^;

今まで読んだなかでも一番「それはそれ、これはこれ」度が高かった作品(笑)
これを一緒に書く意味が果たしてあるんだろうか?
無理に推理小説的部分を入れずとも、単に「タタルによる知られざる鎌倉案内」でもよかったのでは。

高田崇史/麿の酩酊事件簿〈月に酔〉

  • 2006/08/09(水) 13:20:35

麿の酩酊事件簿―月に酔
高田 崇史
406182340X

内容(「BOOK」データベースより)
若女将・真崎香織と、その妹・翠が切り盛りする、箱根の高級温泉旅館『邂逅』。美人姉妹との出会いに喜ぶ文麿だったが、 大浴場の露天風呂で、 男の死体を発見してしまい…。警察は事故と断定するが、酔えば酔うほど冴えわたる文麿の“酩酊推理”は、 事件の真実を、 そして翠の心に浮かぶ“影”の存在を指摘する。果たして事件の顛末は?文麿の“淡き恋” の行方は?書き下ろし2編を加えた、シリーズ最新作。

「麿の酩酊事件簿」シリーズ第2弾。
「診察券を忘れずに」「ニイハオ、中国語翻訳」「轆轤は回る」「湯煙の向こう側」の4編を収録。
※「ニイハオ」は漢字。

前作同様パターン化された展開とスピーディな進行で楽しく、気軽に読めた。
ただ、毎回貴公子然として優雅に登場した文麿が苦手なお祖母様にやり込められて、 勧修寺家婚姻家訓を延々聞かされたあとに這々の体で逃げ出す…というオープニングのパターンがちょっと崩れていたのは残念。
やはり形式は完璧に踏襲されたほうが美しいのではないかと思う(笑)

前作では文麿のライバルのような存在として登場した七海が、今作では勧修寺家の執事見習いとして住み込みで働くことに。
文麿との仲も近づきそうでいて、これがなかなか…というじれったさもマンガっぽい(笑)
しかし、この七海の設定、「もしかしたら…」とは思っていたけど、本当にそうだったのでちょっとビックリした^^;
こんな設定も普通にアリなんだね~。

神奈川県警の刑事・遠山遙(七海に気がある模様)という登場人物も加わって賑やかになってきているけど、 '03年に2冊出版されて以来新刊が出ていないようなのでもう書くつもりがないのかな~?
読みやすいのでもう少し続刊を出して欲しいな。

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