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◆Date:2006年03月
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高田崇史『QED 東照宮の怨』

  • 2006/03/26(日) 10:09:34

QED 東照宮の怨
高田 崇史
4061821644

内容(「BOOK」データベースより)
「日光東照宮陽明門」「山王権現」「三猿」「北極星」「薬師如来」「摩多羅神」「北斗七星」そして「三十六歌仙絵連続強盗殺人事件」。 東照宮を中心軸とする膨大な謎は、ひとつの無駄もなく線でつながり、時空を超えた巨大なミステリは、「深秘」 を知る崇によって見事解き明かされる。ミステリ界に屹立する「QED」の第四弾。

「QED」シリーズ、第4弾。
(順番とかかなり適当に読んでるな(笑))

これは、イマイチだったな。
東照宮の謎はいいんだけど(と言っても相変わらずタタルが語ったことはなんとなくアウトラインだけ判ったような気がするだけで、 10分の1も理解出来てはいない)、それと事件の関連性が希薄だなあと思う。
これについては最後にタタルが杉花粉に反応してしまう人と平気な人がいることを例にとって、犯人も(感じない人には「何でそんなこと」 と感じるようなことに)激しく反応した結果だ、としているんだけど…その論理だと何だって事件の引き金にはなってしまうってことだよねえ (笑)
まあ、ミステリー小説というのはそういうものなのかも知れないけど。
でもだとしたらもうちょっとそれらしい匂いを振りまいておいてくれてもいいんじゃないの?
(もしかしたら著者としては「こんなに判りやすく書いたら、すぐにバレちゃうかな」って感じだったのかも?^^;)

もう一つ出てくるモチーフについては更に「ここまで引っ張っておいて結末はソレですか?」って感じの解答だったのでビックリした(笑)
事件に関連する登場人物の人間関係も無駄に(笑)複雑だし。
どうせ事件は「ついで」なんだから(言い過ぎ?^^;)設定はもっとシンプルにしておけばいいのに…。

でも、あんな長くてワケわかんなくて長い話を(時々はイヤな顔もするかも知れないけど) 愛想を尽かさずに聴いてくれる奈々のようなガールフレンドがいるタタルは幸せだと思うよ(笑)

この小説をドラマ化する際はタタルはオダジョーなんかどうかな。
(いや、「時効警察」からの連想ですが(笑)単純だ)
で、蘊蓄の部分は字幕付きでお願いします。

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坂木司『青空の卵』

  • 2006/03/19(日) 09:43:45

青空の卵
坂木 司
4488457010

内容(「BOOK」データベースより)
僕、坂木司には一風変わった友人がいる。自称ひきこもりの鳥井真一だ。複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、 僕は日夜頑張っている。料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。鋭い観察眼を持つ鳥井は、 どんな真実を描き出すのか。謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた感動の著者デビュー作。

初めての作家さんの作品。
的確な描写力、真っ直ぐな視点、コージーミステリーとして読むのにちょうどいい事件、多様な人物設定など、面白く読んだ。
でも、何より一番最初に感じたのは丁寧で柔らかい文体の心地よさ。
ふわっと読者を包み込む独特の雰囲気がすごく気持ちよくて、まだ読み終わる前にシリーズの続刊を図書館に予約してしまったくらい(笑)

なので、全体的には面白い作品だと思うのだけれど…。
読み進めるうちに気になってきたのが、主役である司と真一の関係。
いや、関係というよりも彼らの人物設定かな。

司と真一は中学時代の同級生で、親友。
複雑な生い立ちからひきこもり状態になっている真一を司はいつも気にかけて何とか外に連れ出そうとし、 真一はそんな司に絶対的な信頼を置いていて苦手ながらも少しずつ外に出ていく。
で、この2人の傍で事件が起こって、司がそれを持ち込んでくるので人間嫌いの真一もイヤイヤながら巻き込まれ、 だんだんと人間関係が広がっていくよ…といった設定なのだ。

この2人の関係の何が気になるかと言うとその年齢なんだよね。
この2人、27歳という設定なのだ。

別に「27歳の男が2人で連んでちゃおかしい」とか言うわけではない。
確かにこの2人のお互いに対する感情というのは、読み進めるうちに「そんなに相手のことを重要に考えることってあるかな~?」 って思うくらいお互いを深く思い遣っているのでちょっと引いてしまう部分もあるくらいなんだけど、それもまあ「ない」とは言えない… ということにしておこう(笑)

でも、27歳って言ったら、この2人が出会ってからは13~4年経ってるわけでしょう。
その後、大学出て会社入ったと考えても大体4~5年は経っているわけで。
その間、ずっと同じような環境、関係性であったのに何故ここで劇的に変化するか、という説得力に欠ける年齢なんじゃないかと思うんだよね。

この2人がここまで色んな事件に巻き込まれる切っ掛けとなったのは、司サイドにもある事件を切っ掛けにして

小さな心配を置き去りにしてゆくことは、おせっかいを怒られることよりも何倍も後悔することを、僕はもう知っているから。

という心境になって困っている(いそうな)人を見つけると放っておけなくなっているからなんだけど…でも、 それだって長年真一のような人と友人でいたらもうちょっと早い時期にそういうことって気付かないかな?
しかも、この司という人は感動したり悔しかったり悲しかったりすると、すぐ泣いちゃったりするようなタイプなんだよ?
それだけ感受性が強くて、中学生のときいじめられている真一にただ一人救いの手を差し伸べてそれ以来ずっと親友で居続けている司が、 27歳になるまでずっとそれに気付かないことのほうが私には不自然に思えてしまうのだけど。

例えばこれが23、4歳で、大学出て会社入って大きく環境が変わってそれにも何とか慣れてきましたよといったタイミングで、司も 「このままじゃいけないからなんとかしなくちゃ」とそれまでよりも強く思うようになってその結果…というのなら理解できるし、 年齢的にも納得できるんだけどな。

物語には直接関係ないんだけど、そこのところがすごく気になってしまった。
それ以外は面白かったし、読後の雰囲気もよかった。

これから続刊で真一の過去が明かされていくようだけど、あまり重くならないことを期待したい。

生きていく上での幸福は、誰かとわかちあう記憶の豊かさにあると僕は思う。

高田崇史『QED 竹取伝説』

  • 2006/03/15(水) 09:40:18

QED 竹取伝説
高田 崇史
4061822950

内容(「BOOK」データベースより)
“鷹群山の笹姫様は…滑って転んで裏庭の、竹の林で右目を突いて、橋のたもとに捨てられた”。不吉な“手毬唄”が残る、奥多摩は織部村。 この村で、まるで唄をなぞったような殺人事件が発生。崇は、事件の本質を解き明かすべく、「竹取物語」の真実から「かぐや姫」 の正体にまで迫る。まさに「QED」の真骨頂。

第…何弾なのかは判らないけど(笑)、取りあえず「QED」シリーズ。
今回はタイトル通り「竹取物語」を中心にした物語。
蘊蓄(?)の部分は相変わらずすごい勢いでタタルが喋るので、物語の半分以上は「ふ~ん…」 って感じで読み飛ばしてしまった^^;
だって、「A、つまりBだ」って内容がかなり多いんだけど、その『つまり』がどこから出てくるのか判らないんだもん。
すごく当たり前に話が流れていくので「え、それって常識なんですか?」ってビックリすることたくさんあった。
でも、まあ、それがこの本の特徴なのであまり気にせず読み進むのであった(笑)

でも今回はその蘊蓄と事件の関係性のリンク、それと事件へのタタルたちの絡み方がちょうどよかった。
事件の動機も今まで読んだシリーズの中では、まあ納得しやすい設定だったし。
推理小説としてまあまあ面白い作品だったかな。

しかし、文字を目で追って読んでいても何が書いてあるのか「???」な部分ばっかりなのに、あんな話をただ聴いているだけで (しかもお酒を飲みながら!)理解しちゃう奈々や小松崎ってスゴイと思う(笑)

梨木香歩『春になったら莓を摘みに』

  • 2006/03/11(土) 09:36:39

春になったら莓を摘みに
梨木 香歩
4104299022内容(「MARC」データベースより)

「理解はできないが受け容れる」 学生時代を過ごした英国の下宿の女主人・ウェスト夫人と住人たちとの騒動だらけで素敵な日々。 徹底した博愛精神と時代に左右されない手仕事や暮らしぶりが、生きる上で大事なことを伝える。

柔らかい印象のタイトルだし、舞台はイギリスだし、内容はエッセイらしいし、ということでもっとサクサク読めて、 思わずニコニコしちゃうような作品かと思って読み始めたら…思いがけずヘビィな内容で驚いてしまった。

上記に引用した「内容」通り、若き日の著者がイギリスの小さな町で下宿生活をしていた日々のことが綴られているのだが、 そこで繰り返し語られるのは人と人の「コミュニケーション」についての話題である。
アメリカ生まれでイギリスの上流家庭に嫁ぎ、やがて離婚をし小さな町で暮らし始めたウェスト夫人。
彼女を中心に、彼女の下宿に訪れる人種も年齢も宗教も考え方も様々な人々の中で、日本人である著者が何を感じどう行動したか…。

私は他人とコミュニケーションを取るのが得意ではない。
もちろん敵意のない相手と友好的な会話をしたり、当たり障りのない関係を結んだりすることは普通に出来るけれど、 そこから一歩進むことがなかなか出来ない。
特に「本気で気持ちをぶつけ合う」ということに慣れないままこの年まで来てしまった人間なので(それでも何とかなってしまう、ということだ (笑))、 この本に書いてあるような個人同士の思惑や欲望やプライドを前面に出した付き合いというのは文字で読んでいるだけで疲弊してしまうのだ。

そんな私もイギリスは大好きな国で何度か訪問したけれど、私自身はもちろんこんな経験はしたことがない。
それは私が「生活者」ではなく、単なる「旅行者」だったからであろう、と思っていた。
でも、この本を読んでみて「果たしてここで生活したいたとしても、こんな経験をすることがあったろうか」と考えるようになった。
もし私がそこで生活をしていても、そして目の前にそうした「関係」があったとしても、私は気付かない(または「気付かないフリをする」) でそのままやり過ごしてしまうのではないだろうか。
そして自分の中の小さな平安は守れるけれど、さして大きな感動も喜びもなく日々を送るのかもしれない…と思えてしまった。

著者がイギリスであの経験をし、それを自分の記憶として大切に想うことが出来るのは、 ただそういう環境であったということではなくまずは著者の中にそれを受け入れる要素があったからであると思う。
そこにいさえすれば誰にでも出来る経験ではないのだ。

だからこそ

自分の信じるものは他人にとってもそうなるはず、と独り合点するところはなく、また人の信じるところについてはそれを尊重する、 という美徳があった。

というウェスト夫人と知り合い、濃密な関係を築くことが出来た著者の精神性に、それを持たないものとして強く惹かれるものがあった。
(とは言え、現実にそれが目の前に差し出されても怖じ気づいてしまうだろうことは容易に想像できてしまうわけだが^^;)

内容が(私にとって)重いことに加えて書き方自体も時系列に沿ったものではなく、突然過去に飛んだり、 著者の考えに沈み込んでいく部分などが挿入されたりして少々読みにくい部分もあった。
(意味が取れなくて何度か読み返した部分もいくつか)

浅田次郎『草原からの使者 沙高楼綺譚』

  • 2006/03/07(火) 09:29:47

沙高楼綺譚 草原からの使者
浅田 次郎
4198619778

出版社 / 著者からの内容紹介
青山の秘密倶楽部に集う各界の名士たちが、自らにまつわる数奇なドラマを語りだし、人生の機微と運命の不可思議を綴る連作短篇集。

『沙高楼綺譚』の第2弾。
今回も刀剣鑑定の宗家である昔なじみの小日向氏に誘われた主人公がいそいそとその怪しい集まりが開催される青山の高層ビルに出掛けることから始まる。
そこで繰り広げられる4つの物語。
「宰相の器」、「終身名誉会員」、「草原からの使者」、「星条旗よ永遠なれ」の4編を収録。

う~ん、1冊目を読んだときのようなどこに連れて行かれるのか判らないワクワクした感じはちょっと薄れているかなぁ。
(読者とはなんと傲慢なのでしょう(笑))
最初の作品は読んでいるこっちも同じ場所にいて本当にその場で物語を聞いているような気にさせられたけど、今回は「お話しのためのお話し」 って感じがちょっと出てしまっていたような気がした。
いや、もちろん面白いのは確かなんだけどね。

私が好きだったのは1話目の「宰相の器」。
最後がどうなるのかはかなり早い段階で読者にも判ってしまうのに、それを含んだままで最後まで興味を失わせずに読ませる構成はさすが。
登場人物がみんな怪しげで、その最後に行き着くためにどんな役割を果たしているのか読めば読むほど判らなくなるあたりが面白かった。
私は読みながら途中まで「こんな感じかな?」と予想していたんだけど、読者(しかも単純な) がそう予想するなんてことは浅田氏ならもちろん織り込み済みで、 それを肯定するでも否定するでもなく全てを受け止めたままラストに持っていく余裕の語り口が見事だった。

他のも面白かったけど…最後の「星条旗よ永遠なれ」は私は今ひとつだったかな。
著者がその物語に込めた本当の意味を、多分私は判っていない、と思う。


<前作の感想もよかったらどうぞ>
『沙高楼綺譚』

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