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◆Date:2005年04月
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新世紀「謎」倶楽部『前夜祭』

  • 2005/04/30(土) 11:36:01

前夜祭
芦辺 拓 愛川 晶
新世紀「謎」倶楽部/前夜祭明日に迫った創立40周年記念学園祭の準備でS大付属高等学校は慌ただしく浮かれた空気に包まれていた。
日頃の鬱憤を忘れ全生徒が当日の成功のために最後の準備に追われていたその時、 使われる予定のない小体育館で学校に無許可のビデオ作品をゲリラ撮影していた元「探偵小説・ホラー・SF・ファンタジー・ 漫画および映画その他諸々研究会」のメンバー4人は跳び箱の中から大変なものを発見してしまう。
それは厳しすぎる指導で生徒はもちろん教師からも嫌われていた教諭・五百旗田真子(いおきだ・しんこ)の他殺体であった。
殺人事件の発覚によりせっかくの学園祭が取りやめになることを恐れた4人は、学園祭が終わるまで遺体を隠すことに。
しかし、その100kgを超える遺体はその後色々な人物の手によって校内を転々と移動して…。

作家の二階堂黎人氏主宰のミステリー作家集団「新世紀 『謎』倶楽部」のメンバーによるリレー小説第2弾。
執筆陣は芦辺拓・西澤保彦・伊井圭・柴田よしき・愛川晶・北森鴻の6名。(執筆順)


この間、過去の本の感想を整理していたときに第1弾 『堕天使殺人事件』の感想を見つけて「そういえばこれ面白かった。次も読んでみよう」と急に思い立ち、図書館で借りてきた。

『堕天使~』を読んだのがもう3年近く前なので詳細についてはあまり覚えてないんだけど、全体的な雰囲気としてはこの『前夜祭』 の方が統一感があるかなあ、と言う感じ。
『堕天使~』を読んだときに感じた「作家によって文体ってこんなに違うんだ」と言う感覚があまりなくて、 全体的にかなりまとまっていて殆ど違和感なくスルッと読めてしまった。
それは、前作『堕天使~』は11名の作家が入り乱れて書いていたのに対し、今回の作品の執筆者が6人だったから、なのかな。
それに今回は時間の経過も短くて行動範囲が限られていると言うこともあるだろうし、そして何より前作が「前もっての打ち合わせ一切ナシ」 が条件だったのに、今作は「打ち合わせOK」だったことが大きな要因だと思われる。
その分、『堕天使~』の時に感じた「これからどうなるんだろ~!?」と言う感じのワクワク感にはちょっと乏しかったかな。

とは言っても、一人で書く(推理)小説とはやはり違っていて、その部分の担当者によって話の広げ方とか視点の置き方とかまとめ方、 雰囲気の作り方、キャラクターの扱いなど、それぞれに特徴が出ていて面白かった。

ラストは、推理小説のオチとしては「よく出来てはいたけどもうちょっと」と言う感想になってしまうけど、 複数で書いたもののまとめと言うことを考えに入れれば、広がった風呂敷を丁寧に端と端を合わせてキレイに畳んで「お粗末様でした」 ときちんとご挨拶していただいたような印象を受ける、とても丁寧な終わり方だった。

どのパートも重要だと思うけど、一番最初と最後、そして(担当した愛川晶氏ご自身もあとがきで書いていらっしゃるけど) ラスト手前と言うのが特に物語としての出来不出来を決めてしまうものなのかも。

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夢枕獏『陰陽師 龍笛ノ巻』

  • 2005/04/21(木) 11:32:51

陰陽師 (竜笛ノ巻)
夢枕 獏
夢枕獏/陰陽師 龍笛ノ巻お馴染み安倍晴明が活躍する「陰陽師」シリーズ。
「怪蛇」「首」「むしめづる姫」「呼ぶ声の」「飛仙」の5編を収録。

もうこれは「様式美」の世界ですね~(笑)
「例によって例の如く」 風流な庭を眺めながら盃を傾けつつ言葉少なに語り合う晴明と博雅のゆったりした会話を聞いてるだけで幸せな気分になってくる。
博雅が何気なく深~い意味のことを言って、晴明がさりげなくそれを受ける、独特の間合いとか雰囲気とか空気とかが心地いい。

起こっている出来事は陰陽師が出張って行かなくちゃならない「危ない」「怪しい」状況であるわけだけど晴明はもちろん博雅も全然慌てずに (博雅はちょっと慌ててるのかな?(笑))ゆるゆるしているので、読んでいるこっちも「ま、こんなもんかな~」って感じになれる。

短篇だし、こんな調子なので「読み応え」を求めるわけには行かないけど、分量とか濃さではない何かがこの作品には確かにあって、 それは私にとっては失いたくないものなんだな。
いつまでもこの調子で続いていって欲しいシリーズである。

それにしても露子姫が最後に貰ったものがどうなったのか、彼女がどうしたのかが気になるなあ…。


■夢枕獏氏公式サイト「蓬莱宮」

森谷明子『れんげ野原のまんなかで』

  • 2005/04/20(水) 11:28:30

れんげ野原のまんなかで
森谷 明子
森谷明子/れんげ野原のまんなかで秋庭市の北のはずれ、ススキ野原の真ん中にある秋庭市立秋葉図書館。
文子はこの新しい図書館の新米司書である。
立地条件の悪さでなかなか利用者が増えないのが悩みの秋葉図書館に最近妙な現象が起きていた。
閉館近い時間に館内でかくれんぼを始める小学生、大量のカップヌードルの入ったギターケースの落とし物、女の子の間で広まる不思議な噂話…。
一体何が起きようとしているのか?

町はずれの図書館を舞台に起きる小さな事件を、文子が密かに憧れる先輩司書・能勢が解決していく短篇連作ミステリー。
「霜降」「冬至」「立春」「二月尽」「清明」の5篇を収録。


最近本を読むスピードがかなり落ちていたんだけど、これは読み始めたらスルスルッと進んで2日で読了。
すごく面白かったと言う感じではなかったけど^^;、テーマが「本」や「図書館」 だったし一編の分量と謎の大きさが丁度良くてすごく読みやすかった。

物語の中で司書の仕事、図書館の仕事をさりげなく紹介してくれているのも面白かったけど、司書の職業的なメンタリティについての記述(特に 「本能云々…」のところとか)は著者の思い込みが強く出てしまっていて「ちょっとそれはどうなのよ…」と思う部分もあったかな。

私は文子を始めとした3人の司書さんたちよりも、人はいいけどお節介、 図書館の土地を寄付したことでまるで大家さんのように日参してくる土地の大地主の秋葉さんと、 図書館の運営は慣れていないけど読書が大好きで司書の仕事に協力的、 場合によってはカウンター業務も手伝ってくれる館長さんの2人のおじさんのキャラが好きでした♪

出水 秋成『A SHU RA-ストーリー・オブ・ザ・ムービー阿修羅城の瞳』

  • 2005/04/18(月) 08:44:20

A SHU RA―ストーリー・オブ・ザ・ムービー阿修羅城の瞳
出水 秋成
出水秋成/A SHU RA―ストーリー・オブ・ザ・ムービー阿修羅城の瞳昨日、一昨日とボ~ッとしていたのに、今日になって急に映画が見たくなって定時後ダッシュで会社を出て「ユナイテッド・シネマ・ としまえん」へ行ってきた。
目的は7:00からの「阿修羅城の瞳」だったけど時間的にギリギリだったので、ダメなら7:30からの「真夜中の弥次さん喜多さん」 でもいいや…と思いつつ行ったら、何とか滑り込みで間にあった(でも予告は始まってた^^;)ので無事「阿修羅城~」を鑑賞してきた。

う~ん…なんて言うか、考えていたよりもちょっと「薄い」と言う印象。
まあ、舞台で3時間以上やったのを映像で2時間にしてるわけだから、仕方ないのかも知れないけど。
その分ストーリー的には非常にスッキリまとまっていてわかりやすかったんだけど、そのわかり易さが物足りない感じ。
もっとドロドロした物語が見たかったんだけどなあ。

良かったのは、鶴屋南北役の小日向さんと、邪空役の渡部篤郎。
小日向さんはこういう人が良さそうに見えるけど、実は企んでるオヤジの役上手いよね~(笑)
最後までとぼけていていい味出していた。
一方、邪空の渡部氏もかなり徹底的にヤナ奴で良かったなあ。
あのニヤニヤ笑いながら喋るのがムカツクくらいヤ~な感じですごく良かった。(変な感想(笑))
でも、時間がないせいか邪空のバックグラウンドが全くと言っていいほど描かれていないので、ヒジョ~に唐突な人物かも知れないよね… ^^;
鬼御門を裏切るときも全く葛藤ナシだし。
「何故そうするか」をもうちょっとストーリーに入れてあげると、ラストの出門との死闘のシーンももっと深みが出るのではないかと。

で、この映画を見る前に先日購入した「A SHU RA」(出水秋成)を読んでいたんだけど、これが意外に面白かった。
これは「映画の脚本を原案にして書き下ろした小説」(ややこしい…^^;)らしいので映画とは微妙に違っているんだけど、 映画には出てこない出門や邪空の生い立ちやお互いの関係なんかが短い中にきちんと描かれていてすごく読みやすい。
鬼御門の成り立ちや国成延行と2人の関係、そして国成を殺すまでの邪空の逡巡、 そしてそれを超えた先にある暗闇なんかもこっちの方がきちんと表現できていたように思う。
何よりも、物語全体を「鶴屋南北が自分が見た鬼の物語をいまわの際に弟子に宛てて書き遺した手紙」と見立ててあるところが上手いなあ、 と思った。

舞台に比べるとこれもまたあっさり風味だけど、一つの小説作品としてみるとかなりまとまっているし読みやすくて私は好きだな。
映画では描かれていない登場人物の内面が理解できたりするので、映画を見る予定の人はこっちも読んでみるといいかも。


「阿修羅城の瞳」 公式サイト

赤瀬川原平『新解さんの謎』

  • 2005/04/16(土) 08:36:39

新解さんの謎
赤瀬川 原平
赤瀬川原平/新解さんの謎

内容(「BOOK」データベースより)
辞書の中から立ち現われた謎の男。魚が好きで苦労人、女に厳しく、金はない―。「新解さん」とは、はたして何者か?三省堂「新明解国語辞典」 の不思議な世界に踏み込んで、抱腹絶倒。でもちょっと真面目な言葉のジャングル探検記。紙をめぐる高邁深遠かつ不要不急の考察 「紙がみの消息」を併録。


この本は文庫になったのが1999年。
私はそれを本屋の新刊文庫の平台で見つけて購入したんだけど、その時点で「新明解国語辞典」 のことを知っていて買ったわけではなかったので内容を読んであまりの面白さに笑い転げたことは記憶にハッキリ残っている。

今回、先日放送された「タモリのジャポニカロゴス」で新明解国語辞典が取り上げられているのを見て、 「そう言えば、 こんな本があったな~」と思い出して図書館で借りて再読してみた。
相変わらず面白かったけど、やっぱり二度目だったからか最初に読んだときのような爆発的な衝撃はなかったかな。

それよりも、「タモリ~」の番組中で使用されていた用例の殆ど全部がこの本で使われたものだったというのが、 ちょっと何だかな~と思った。
この本で扱っている「新明解~」の用例は初版~第四版のものを使っているらしい。
一方現在の最新版は第六版とのこと。
もちろんこの本の中では数ある「新明解~」の用例の中でもかなり特徴的な、面白いものを厳選して掲載してあるのだろうとは思うけど、 何しろ辞典であるわけだからこれ以外にも探せばたくさんの言葉が載っているだろうし、この本の発行後に出た二つの版にも新しく掲載された、 または書き換えられた秀逸な用例がたくさんあると思う。
せっかく「新明解~」を紹介するなら、 過去の面白いものと一緒に一番新しい版で見つけたものも合わせて紹介するくらいの手間は取って欲しかったなあ。
番組全体が結構面白く出来ていただけに残念に思った。

この本には「新明解~」の内容について書かれた「新解さんの謎」と、切手、ティッシュ、コピー用紙、 紙幣など生活の中のいろいろな"紙"を巡る考察である「紙がみの消息」が併録されている。
以前読んだときは「新解さんの謎」があまりに面白くて「全編この話ならいいのに~!」とクヤシイ思いをした記憶ばかりがあってこの 「紙がみの消息」については殆ど覚えなかったんだけど、今回読んでみたらこっちの方が「ああ、なるほど~」 と思うところが多くてすごく面白く読めた。

「余白」と「品位」と「環境」の関係の話とか、いくら電子文書が発達しても「つい」「念のため」プリントアウトしちゃう生理の話とか、 普段はあまり具体的に言葉として考えたりはしないけど、実際に言葉にされると「なるほど、そういうことなのね」 って納得できる話が盛りだくさん。

特に紙幣が何故紙で出来ているのかについての考察が面白かったなあ。

木の札(ふだ)の場合は物理的な物族の感じが強いけど、<お>が付いてお札(さつ)になると、物から舞い上がって神族になる。 木の札と紙の札にはそういう違いがあるらしい。
お札というのはただの通貨で、交換価値だけのもので、物のやり取りが済んだら用のないものなんだけど、 日本ではその通貨の紙に<お>を付けて神族としている。物とか数字以上の付加価値を認めているのだ。
(p179~180より引用)

お札のことではお心付けというものがある。西洋風に言うと現金をチップとして渡すのだけど、 現金むき出しではあまりにも何だからと言うので、懐紙にそっと包んで渡したりする。
~略~
だけど、翻訳すると、金だけであることを避けたい、ということだろう。渡すのは金ではなく気持ちなのだと。 だからその現金をこそっと紙に包む。そうすると中にあるのは生臭いどろどろとした下品な現金だけど、紙一重隔てて気持ちになる。 気持ちとは物でなく精神で、精神の中の一文字は神である。
日本ではそういう紙一重の業を好む。
(p180より引用)

「紙」と言う破れやすく、燃えやすい、扱いにくいものを大切にする日本人の心の中で「紙幣」というものが通貨以上の価値を持っている、 と言う考え方がすごく腑に落ちる感じがした。
しかも、お札(紙幣)そのものが既に「神族」であるのに、「そのまま剥き出しでは下品」だから、更に紙に包む… と言う日本人の気持ちのありようというのは、「面倒くさいけど、判る。やっぱり私も日本人なのね~」って感じ。
これは、最近よく聞く「お金があれば何でも出来る」と言った言葉を耳にするときに感じる(嫉妬とかとは別の次元で) どうにも納得が行かない苛立たしさを、かなり明確に表現してくれる考え方であると思う。
それを最も判りやすく書いてあったのは以下の部分。

~略~
だけど日本には紙の戸、つまり障子、襖がある。これは物族の戸ではなくて神族の戸である。つまり精神的な戸。
暴力と言わないまでも、手でちょっと押したら障子なんて簡単に破れる。指に唾をつけてプスッとやるだけで破れてしまう。 でもそういうことをしてはいけない、という精神力で障子は戸として成り立っている。
(p180より引用)

日本ってやっぱり実用よりも精神の国なんだなあ。
で、それってどんなに時が経ってもDNAに刷り込まれているように、日本人の中に受け継がれているんだと思う。

他にコピー用紙やプリンターの話にも最近私が考えていたこととリンクする内容が多くて納得したり、触発されたりする部分が多かった。

貫井徳郎『被害者は誰?』

  • 2005/04/05(火) 08:18:57

被害者は誰?
貫井 徳郎
貫井徳郎/被害者は誰?都内の豪邸の庭から女性のものと見られる白骨死体が発見された。
容疑者はこの家の主・亀山俊樹。
亀山は逮捕後、自分の犯行は認めたものの肝心の動機や被害者については黙秘を貫いていた。
捜査一課の桂島は謎の被害者を特定するヒントを求めて、大学の先輩・吉祥院の住む高級マンションを訪れる。
犯人が書いたと思われる手記から名探偵・吉祥院が導き出した意外な答えとは…?

美貌のベストセラー推理作家・吉祥院慶彦が、不思議な謎を解く短篇集。
表題作の他、「目撃者は誰?」「探偵は誰?」「名探偵は誰?」の4編を収録。


それぞれの作品で描写の仕方や事件の設定に様々な工夫がされていて面白いことは面白いんだけど…手放しで「良かった」 とは言えないかなぁ。
何だかあまりにも技巧ばっかりが目に付いてしまって、「ふ~ん…」って感じで読み終わってしまった。
色んな書き方が出来るんだな~とは思ったけど、私はどちらかというともっと情緒的な作品の方が好きだな。

しかも探偵役の吉祥院がねえ…苦手なタイプなんだ、これが^^;
美形でスタイルが良くて高級マンションに住んでるのにだらしなくてその上ケチだし、傍若無人だし…。
どう考えても近くにいて欲しくないタイプ…(笑)
美貌の名探偵って言うから桜井京介(そう言えばこのシリーズも途中までしか読んでないや)みたいなタイプかと思っていたら、全然違うのね。
(と言って京介が好きなタイプかと言うとそうでもないわけだが(笑))


<関連サイト>
「The Room for Junkies of Mystery And Hissatsu」貫井徳郎氏公式サイト

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