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◆Date:2004年04月
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北村薫『朝霧』

  • 2004/04/22(木) 21:24:38

朝霧
北村 薫
北村薫『朝霧』『円紫さんと私』シリーズの5作目。

大学を卒業して、出版社で働き始めた「私」が出会うちょっと切ない謎の数々…。

う~ん、「今ひとつ」な感じ。
作品の質的な事ではなくて、あくまで私が好きかどうか、って事だけど。

以前読んだときはそんなに感じなかったけど、主人公である「私」にどうしても共感できない。
冗談みたいに本の話とか落語の話とかがスルスル出てくるところとか、他人の気持ちに敏感なところとか、誰からも好かれて可愛がられているところとか…とにかく、あまりにも品行方正すぎる、出来すぎているところがどうにも鼻について仕方なかった。
「そんなわけないじゃん!」って感じ。
もちろん私だって社会のルールも全く無視した極悪非道、残虐無比なキャラが好きなわけではないんだけどね、あまりにも非の打ち所がない感じで「シャラッ」とそこにいられるとなんかこう「イラッ(怒)」としてしまう。
(こういう人って「あなたは悪い事なんてなにもしたことないでしょ」とか言うと、「そんな事ないです。私だって汚い部分は沢山あります!」とか言いそう…)

それに思わせぶりなセリフも苦手だった…。
これは多分 仕事に関係して来ちゃうのかなと思うんだけど、普通に会社で仕事をしてるときにニュアンスで話をする事って殆どない、と言うかむしろやってはいけない事でしょ。
仕事上での伝達事項は素早く、正確に、判りやすく、そして受け手が勘違いする可能性を極力なくした状態で伝える、と言うのが基本だと思う。
(特に「相手が間違えにくいように」というのは重要)
そういう会話が日常になってしまっていると、この本に出てくるような常に謎かけ状態のもったいぶった会話と言うのが非常に「うっとおしいな~」と感じてしまうんだな。
もちろんこういうのは、相手が自分と同等またはそれ以上の知識があって自分が言ってる事、言いたいことの真意を判ってくれるだろう、と言う前提で会話が成り立っているのだと判ってはいるのだけど。
(でも、そんなに都合がいい人はそうそういないよね)

まあ、この気にいらなさの原因は「どうせ私にはこの中に出てきた話の100分の1も判らないわよ!」と言うクヤシサだったりするのも判ってはいるんだけど。
コンプレックスを刺激されてしまう、って事かな。

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宮部みゆき『ぼんくら(上下)』

  • 2004/04/20(火) 21:22:38

ぼんくら〈上〉
宮部 みゆき
宮部みゆき『ぼんくら(上)』とにかく面白かった!
読み始めたら止まらなくなって仕事中と寝てる時以外は殆ど読み続け、みたいな感じで上下巻2日で読みました。

まず、何よりも人物造形の鮮やかさ、見事さ。
江戸・深川の鉄瓶長屋と呼ばれる長屋で起こる謎を中心にしたミステリーなので、主人公の同心・平四郎やその小者の小平次や長屋の住人たちを始めとしてかなりの人数の登場人物が出てくるんだけど、登場人物の名前と特徴を覚えるのが苦手な私が殆ど全部見分けることが出来るくらいそれぞれがクッキリとした人物に描かれている。
その中でも、人が話した内容をそっくりそのまま記憶してしまう人間録音機の「おでこ」や、平四郎の甥っ子で目に付く物はなんでも目測で正確な数字を当ててしまう美少年・弓之助など少年たちの生き生きとした姿が特に印象的だった。

更には、その自然で力強い文章。
本当に何の拒否反応もなく、乾いた喉を潤す極上の水のようにスルスルと頭と気持ちに染みこんでくる文章を読んでいるだけで幸せな気分になってしまうくらいだった。
どこに辿り着くのかはもちろん判らないけど、この流れに身を任せていれば「きっと大丈夫」という安心感があった。
(ミステリーなのに安心感があると言うのはどうかとも思うけど…(笑))

それから、最初は1話完結の連作みたいな形で始まるのに、その小さな事件が積み重なった後、それはそれぞれ別々のものではなく全て一つの根っこから出た枝であると言うことが解き明かされ長編のミステリーになっていく変則的なスタイルも新鮮で面白かった。

と言う感じで全体的には宮部みゆきの偉大さを再認識させてくれた一冊で満足、満足♪だったんだけど、敢えて「ここはちょっと…」なところを挙げると。
謎解きの部分は、なんかちょっと腑に落ちない気もするんだな~。
どうしても「でもそこまでする必要があったの?」って気持ちが拭えなかった…。
あまりにも佐吉が可哀想だもん…まあ、可哀想なだけで終わらせてるわけではないところが宮部さんの優しさではあると思うけど。
それから終わり方はすごくいいと思うんだけど、その前にもうちょっと一人一人のその後を書いて欲しかったな。
例えば「黒豆」とか、お律とか。
みすずも自分で出てきて欲しかったし、政五郎やおでこも最後の場面に登場してもおかしくなかったと思うんだけど…。

それからタイトルの「ぼんくら」は多分平四郎の事を意味していると思うんだけど、これもなんかちょっと違和感があったかな。
と言うのは私が「ぼんくら」と言う言葉に持っているイメージと平四郎のイメージが結びつかないからなんだけど。
確かに平四郎は同心としては出世欲もないし、面倒な事が嫌いでうだつが上がらないと言う風にも見えるけど、自分がやること、やらなければならないことはきちんとやってるし、頭だって悪いわけじゃない。
長屋のみんなからちゃんと信頼されてもいるわけでしょ。
対して私が「ぼんくら」って言葉からイメージするのは「見えなきゃいけないものが見えてない人」って感じなんだよね。
だから、私にとっては平四郎は決して「ぼんくら」ではない。
もちろん、著者が本当に平四郎を「ぼんくら」だと思って付けたタイトルではないのは判っている。
じゃあ、「実はそうではないんだけど、人前ではそう振る舞うから『ぼんくら』だと思われている」のかと思うと、特に作品中にそういう記述もないし…。
結局、「ぼんくら」ってのはどんな意味があったのかな?と言うのが最大の疑問かも。

とは言え、そういうのは些末な事でとにかく面白いのでオススメの一冊(文庫だと2冊)です。

清水義範『日本語の乱れ』

  • 2004/04/17(土) 21:19:09

日本語の乱れ
清水 義範
清水義範『日本語の乱れ』期待していたよりも引っかかりがなくてスルスル読めてしまったのが残念だった。
確かに「クスッ」と笑える部分は沢山あったんだけど、私が著者の作品(特にこういう「言葉」を前面に出した作品)への期待値がすごく高くなっているせいもあってそこを刺激する作品はなかったと言う感じ。

南伸坊『歴史上の本人』

  • 2004/04/17(土) 21:16:25

歴史上の本人
南 伸坊
南伸坊『歴史上の本人』見所は著者のコスプレ。

笑えるのももちろんあるんだけど、こんなに特徴のある顔なのにも関わらずそれ風に衣装・メイクを整えると何となくそれなりに見えるということに驚く。

著者が「歴史上の本人」に扮している写真とその本人ゆかりの地まで出掛けて撮影をする様子はいわゆる"ネタ"的な要素も入っていて笑えるように作ってあるんだけど、その中で展開されている「本人」の記憶は意外なくらい正統派。

あ今気が付いたけど、これって警察が事件の解明の時にやる「現場検証」ってのに似てる気がする。
そうすると『その人物本人になることで、その人物の考えを理解し(と言うか「思いだし」)謎を解き明かす』と言うこの本の趣旨(?)も、ただ単に「思いつき」だけではなく説得力のある説なのかも?

愛新覚羅 顕〓『清朝の王女に生れて―日中のはざまで』

  • 2004/04/07(水) 21:13:53

清朝の王女に生れて―日中のはざまで
愛新覚羅 顕〓@59D7@
愛新覚羅 顕〓『清朝の王女に生れて―日中のはざまで』王族の一人つまり「お姫様」として生まれたのに、戦争によってその身分を失い、食堂を経営して家族を養ったり、果ては身近な人間に陥れられて文革の中20数年も獄中生活・強制労働を強いられる…と言う、波瀾万丈な人生を経験した女性の自伝。
しかも、これが何十年も前の話ではなくてつい最近(1980年代)まで続いていたと言うのに何よりも驚く。
そう言えば上川さんの「大地の子」を見たときも昔(日本で言ったら明治とか大正とか)の話かと思ったら、1970年代くらいの話だったのでビックリしたのであった…。

つらく長い獄中生活・強制労働の中でも自分に出来ることを手を抜かずに実行し、少しのことに喜びを見つけだし「楽しく生きよう」とする著者の強さが印象的。
ただ、時々「なんでここでこういう反応するのかよく判らないなあ」という部分もあり。
まあ、経験してきた人生が全く違うんだから当然か。

元々文章を書くのが本職の人ではないので正直言って読みにくい部分もあります。
でも、表現にはやはり実際の体験に基づいた力強さを感じました。

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