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三島由紀夫『春の雪』

  • 2004/01/30(金) 23:26:57

春の雪
三島 由紀夫
三島由紀夫/春の雪いやいや、思いがけず面白かったです。

読み始める前はこんなに面白く読める小説だとは思っていなかったので意外でした。
確かに最初の方は「これでもかっ!」って勢いであふれ出してくる言葉や文章の量に、 最近の簡潔なスッキリした筋立ての小説に慣れてしまっている目も頭も着いて行かなくて「これはいつになったら本題が始まるのかな~」 と少々飽きたりしていたのも事実。
でも段々読み進めるうちにその言葉たちの美しさ、深さが少しずつ判るようになってくるんですね。
やはり私も日本人であったかと(笑)
それに慣れてしまえばお話も面白い。
確かに「これってどんな意味?」ってエピソードも沢山出てくるし(しかも、その描き方が尋常じゃないほど細かい!)、 登場人物たちもちょっと普通の人ではない(明治時代の華族階級)ので「何だかよくわからないぞ」 と言う部分もあったりはするんだけどそれはそれでまた楽しい(と言っても、ハッピーな話ではない)、って感じでした。

清顕(きよあき)の性格も最初は「うざったい!」と思うばかりだったのが、読んでいくうちに「ちょっと考えすぎだし自意識過剰だけど、 判らないこともないかな」って思うようになりました。
例えば怒って聡子からの手紙を読まずに破り捨ててしまった事を、その直後は自分の行動を自分で誇らしく思っているのに、時間が経つごとに 「何が書いてあったんだろう。あれで本当に良かったのか」と思い悩む様子なんてのは「バカだけど、気持ちは判る」と思ったし。
でも何でわざわざ困難な道を選んで歩くかな~?
別に最初は何の障害もなかったような気がするけど?
ま、小説だから仕方ないか(笑)
それに「恋」ってのはそういうものかも知れない。

不思議なのはあれだけたくさん出てくるのに何となく聡子の姿がボンヤリしてしまっている事。
結局どういう人だったのか、よく判らなかった。
何でかな?と考えたら、聡子に対して例えば清顕とか他の人物が「彼女はこう思っているのだろう」みたいに気持ちを推し量る部分はあるけど、 聡子自身が「自分はこう思っている」と書いてある部分が殆どないんですよね。
清顕はあんなにも自分の事ばっかり語っているのに!
いや、清顕どころか清顕の友人の本多だって、清顕や聡子の両親たちだって、更には両家の使用人たちでさえ聡子よりも自分を語る(思う) 部分は多かったように思う。
だから、私は「聡子って本当に清顕のことを愛してるのかな?それともからかってるだけ?」 って判断が本当に最後の方になるまで出来なかったもの。
(と言ってもあの最後の行動も本当に「清顕を愛していたから」なのかどうかは語られていないけど…多分そうなのでしょう)
この聡子の描き方(描かれ方)と言うのはどんな意味があるのかな?

あまりいい描き方はされてないけど、聡子のお父さんの朝倉伯爵は好きなキャラ。
何か困ったことがあっても何もしないでいれば誰かが何とかしてくれてどうにかなる、って性格は周りから見たら「困ったヤツ」だけど、 本当に何の焦りもなく心の底からそう信じられるなら本人にとってはこんなに楽な生き方はないよね。
さすが27代続いた由緒あるお家柄。
それから見たらいくらお金があっても祖父の働きで侯爵になった松枝家(清顕くん家)なんかはまだまだ成り上がりだから、 怒ったりしながらもついつい面倒を見ちゃうんでしょうね。
この2組の家族(使用人を含めた)の有り様も面白かったです。

哀しいのは清顕の学友の本多くんかな。
(私の中では筒井道隆みたいなイメージ)
真面目で誠実で人の心の機微が判って頭もいい将来有望な青年なのに、なんだってこんなしょーもないヤツに惹かれてしまったのでしょうか。
でも本多がいたから清顕が幸せであったように、本多にとっても清顕は必要だったんでしょうね。
彼はこの後の巻でもずっと登場して物語を見守り続けるらしい。
次は彼の前でどんな物語が語られるのでしょうか。
(それを読むのがいつになるかは謎ですが(汗))

奔馬
三島 由紀夫
4101050228
暁の寺
三島 由紀夫
4101050236
天人五衰
三島 由紀夫
4101050244

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川田茂雄『社長をだせ!―実録クレームとの死闘』

  • 2004/01/21(水) 23:21:31

社長をだせ!―実録クレームとの死闘
川田 茂雄
川田茂雄『社長をだせ!―実録クレームとの死闘』タイトルがちょっと過激だし、出版社が宝島社だったりしたのでもっとキワモノっぽい内容の本かなと思って読んだんだけど、意外にソフトで丁寧な内容だった。
(ちょっとガッカリ?(笑))
著者は有名なカメラメーカーで20年以上に渡ってクレーム処理をしてきた経歴を持つ方で、その実体験を基に書いた本との事。
語り口が丁寧で柔らかいのも、説明が具体的で判りやすいのも、要点がきちんとまとめられているのも全てその経験から来ていると思われる。
おかげで非常に読みやすい本になっている。

「クレームは単なる苦情ではなく企業にとって重要な意見である」と言う考え方自体は目新しくはないけど、一つ一つのクレームの内容と対応をケーススタディとして丁寧に書いてあるし、タイプ分けとその対処法も書いてあるので実際にそういった仕事に携わっている人にはかなり役に立つのではないかと。

この本の中にも書いてあるけど最近のクレームは形態が多様化しているから、企業はそれに対してどう対応していくか、専門の担当者のみに留まらず全ての社員にきちんと納得させて教育する事が必要になってくるんだろうな。
「危機管理」と言うのは企業にとって一番重要かつ緊急な課題と言うことか。

高橋克彦『写楽殺人事件』

  • 2004/01/18(日) 23:15:30

写楽殺人事件
高橋 克彦
高橋克彦『写楽殺人事件』かなり色んな内容がギューギュー詰まっているので話を整理しながら読むのが大変だったけど面白かったです。
途中で整理するのにも頭が付いて行けなくなって、特に後半のトリック崩しの辺りはただボ~ッと読んでしまいましたが(汗)

殺人を臭わせるけど自殺として処理されたある人物の死から始まるのでそういう方向の話になるのかと思ったら、あるきっかけから「写楽は誰なのか」を追求する話になってそれがかなりのボリュームだったので「こっちがメイン?それなのに人が死ぬのは何故?」とちょっと疑問に思いながら読んでいました。

でも、その結果が出て一旦話がまとまると思わせておいて、急転最初の死に話が戻ってその後、写楽の謎を解く最初の糸口そのものが全ての鍵だった…と続いていく構成がすごく緩急に富んでいて読んでいて飽きることがありませんでした。
途中ちょっと「こんなに簡単でいいんですか?」って思う部分もなきにしもあらずですが、まあそこは小説ですからね。

余韻が残る終わり方も良かったです。

高橋克彦『天狗殺し―完四郎広目手控』

  • 2004/01/17(土) 22:39:52

天狗殺し―完四郎広目手控
高橋 克彦
高橋克彦『天狗殺し―完四郎広目手控』下の「完四郎広目手控」の第二弾。
趣向は1作目と同じですが、舞台は江戸の町から京都へ向かう道中。
尊皇攘夷の機運高まる京都の取材をするために東海道を旅する完四郎と魯文が行く先々で遭遇する謎を解いていきます。
前作と同様、軽く読みつつ幕末の政治の動きなんかも少しだけ知ることが出来ます。

完四郎と魯文の道連れとして女医を目指すお杳と、なんと若き日の坂本龍馬が登場しています。
…が、この龍馬は龍馬である必要はなかったのでは?と言う感じがします。
何となく単なる賑やかしのような。
だからと言って邪魔になっているわけでもないのですが、最後の方「別れる、別れる」と言いつついつまでも一緒にいさせるあたりはちょっと引っ張りすぎのような気がしました。

それに完四郎による謎解きが前作に増してスピードアップしていて、更にそれをセリフだけで説明する部分が多くなっているのでわけの判らないうちに解決していると言う印象もあったり。
そんなに一見しただけで分かっちゃうのもどうかな、と言う気分になります。

舞台になる場所が変わるのでそうした変化は楽しめますが、作品としての全体的なバランスは前作のが上手く取れているような気がしました。

高橋克彦『完四郎広目手控』

  • 2004/01/14(水) 22:31:57

完四郎広目手控
高橋 克彦
高橋克彦『完四郎広目手控』時は幕末。
開国か攘夷かで揺れる江戸の町で起こる数々の事件や怪異の謎を、古本屋「藤由」の居候・完四郎が解いていく短篇連作小説です。
読みやすくて面白かったです。

一編一編が30ページ前後の短篇なので、話がシンプルで展開が早いのがいいですね。
(ちょっと早すぎるのでは?と思うのもあるくらいでした(笑))
それに完四郎を始めとする登場人物の設定やバランスが絶妙。
れっきとした旗本の次男で、名を知られた剣の使い手でありながら家を飛び出して居候中の完四郎、いつも垢だらけの黒紋付きを着込んで何だかんだと文句を言いながらも完四郎に付き合う戯作者・魯文、これから起こる謎や怪異を言い当てる能力を持つお映、そして彼らの面倒を見る親分肌で商売上手の藤由。
こうした登場人物が江戸の町の中を歩き回り、会話することで物語の中心にある謎解きだけでなく、その当時の江戸の習慣や風物、そして時代が大きく動こうとしていた当時の緊張感を伺い知ることが出来ます。
また登場人物たちの「江戸っ子」らしいテンポのいい会話が物語に気持ちいいリズムを作っていると思います。
そうそう。
この本の中には魯文や藤由を始めとして実在の人物もあちこちで出てくるのですが、作品中の「悪玉放生」でなんと薬売りをしている土方歳三が出てくるのには笑ってしまいました(笑)

謎の種類が最初は「人」の話なのに、回が進むにつれて段々と「妖怪」とか「化け物」寄りになっていくのも何となくおかしかったです。
完四郎はそういう類のものは(基本的に)信じていないと言うスタンスで謎解きをしているのですが、他の著作を見ると作家自身は超常現象(と言われるもの)に肯定的だったりもするんですよね。
『偽物も沢山あるから惑わされるな』と言うことなのでしょうか。

(感想は書いていないのですが)去年読んだ同じ作者の「京伝怪異帖(上・下)」(講談社文庫)も同じような趣向のお話で面白かったです。
ちなみにこちらの主役は後の山東京伝と(既に死んだはずの)平賀源内です(笑)

どちらもサックリ楽しんで読むには丁度いい作品だと思います。

マイクル・クライトン『タイムライン(下)』

  • 2004/01/12(月) 22:29:27

タイムライン〈下〉
マイクル クライトン Michael Crichton 酒井 昭伸
マイクル・クライトン『タイムライン(下)』すごく面白かったです♪
上巻で感じたスピード感ときれいな展開が下巻でも維持されていて、一度読み始めたら一気でした。

長い分時々「ここはちょっと邪魔?」って思える部分もあったりしましたが、全体の迫力からすると微々たるものです。
ちょっとセンチメンタルでロマンチックな感じのラストも私は好きでした。
(多分こうなるだろうと思った通りになったし(笑))

でも、そのラスト直前スタッフたちの行動はあまりいい感じしないなあ。
マレクや教授たちに対してはあんなに人道的だったのに何だってああいう行動に出たのか…。
確かに彼は利己的で困った人物ではあったけど、あそこまでする必要があったのかどうかはちょっと疑問。

でも、こういう物語を読むと自分を救ってくれる、守ってくれるものはテクノロジーではなくて、自分自身の知識と判断力、そして体力なんだと言うことを実感させられる。
今のうちにもっと鍛えておいた方がいいかも、頭も身体も。

マイクル・クライトン『タイムライン(上)』

  • 2004/01/10(土) 22:25:02

タイムライン〈上〉
マイクル クライトン Michael Crichton 酒井 昭伸
マイクル・クライトン『タイムライン(上)』この作家って「ジュラシックパーク」やテレビドラマ「ER」の脚本を書いた人なんですね。
「ジュラシックパーク」は見てないけど、「ER」は一時期毎週楽しみに見ていました。
(もう2年くらい前?丁度ジョージ・クルーニーが退場する前後くらい)

で、毎週感心していたのは『なんだってこんな狭い場所で、人が沢山出てきて、それぞれいっぱい喋って、事件もあちこちで同時発生してるのに、見てる方に何がどうなっているのかちゃんと理解できるように作れるんだろう?』と言うこと。
私が見える範囲でその原因を考えてみるとまず人物の造形。
すごくキッチリとしかも魅力的に作ってあるので覚えやすいし、感情移入が(負の感情であれ、正の感情であれ)し易い。
次に展開の速さ。
ほぼ同時に色んな現象が起きたて、状況がどんどん変化していく。
変にためらったり、勿体ぶったりしない。
そして伏線。
すごく緻密で、さりげないのに印象的、そして後で考えると「ああ、なるほど!」と思わず膝を打ってしまうような見事な伏線があっちにもこっちにも張り巡らされている。
この3つの要因が視聴者を物語に飽きさせないでいたんじゃないかなと思います。
(もちろん演技や映像の演出による効果もあると思いますが)

『現代のフランスで14世紀の遺跡発掘をしていた歴史学の学生たちが、ある日その発掘現場から彼らの教授の筆跡で「助けてくれ」の文字が書かれた紙を見つける。そして彼らは教授を救出に14世紀へと向かう』と言う内容のこの物語も「ER」と同様、印象的な登場人物、めまぐるしく変わる展開、そして見事な伏線てんこ盛り状態です。
(と言ってもやはりビジュアルがない分、登場人物をイメージするのはちょっと大変でしたが)

14世紀に行くための方法(論理)についての説明(いわゆる「量子力学」ってヤツらしい)は、(比較的)簡単に書かれてはいるもののそう言った素養のない私には「え~?でも、なんか矛盾してない?」と感じる箇所があちこちにあって今ひとつ消化不良な部分はあります。
例えば「多宇宙・平行宇宙(これってパラレルワールドの事でいいの?)」についても概念としては理解できるけど、具体的に想像しようとするとよく判らなくなってしまう。
説明を読んでもも何だか上手くごまかされているような気分…。

とは言え理解できないのは私の問題であるし、はっきり言ってこれが判らなくても物語の進行にそう重要な影響はない(と思う)ので、そういう疑問を忘れて「そうなるんだから、そうなんだ」と思って読んでしまえば非常に面白く読めます。
まさにエンタテイメントな感じですね。

上巻では教授を助けに行った歴史学助教授のマレク(この人の設定がまたユニークで興味深い。)をリーダーとする3人が向こうの世界に着いた途端にある事件が起こって簡単には元の世界に戻れなくなってしまうのですが、この設定がまた上手い!
"ここまでやるか"と言うくらい徹底的に逃げ道を潰して「どうやって彼らは還ってくるのか」と言う興味を読者に持たせることに成功している。

この後14世紀の世界では遭遇する様々なトラブルが、現代の世界では無事に帰還するための方法が同時に進行して行くのでありましょう。
彼らに残された時間はあと32時間。
教授を救出してマレクたち3人は無事元の世界に帰還出来るのか。
下巻も楽しみです♪

あ、そうそう。
翻訳の文章もとても読みやすいです。
酒井昭伸さんと言う方で、SF系の本を沢山翻訳されている方のようですね。
今ちょっと検索してみて驚いたのはエリック・ガルシア「さらば、愛しき鉤爪」も手がけているらしいと言うこと。
あの本はどうも文章が気に入らなくて途中で挫折した記憶があるんだけど。
作品によって違うって事なのかな。

井上トシユキ『2ちゃんねる宣言―挑発するメディア』

  • 2004/01/07(水) 22:19:41

2ちゃんねる宣言―挑発するメディア
井上 トシユキ
井上トシユキ『2ちゃんねる宣言―挑発するメディア』面白かった~♪

なんかこう、活字がスルスルッと目から脳にスムーズに流れ込んでいく感覚、久しぶりでとても気持ちよかったです。
内容が多少は知っている事なので判りやすかったと言うこともあるかも知れないけど、やっぱりこの著者の文章が上手いんだろうなあ。

どちらかと言うと、好意的な視点で、でも賛美するわけでもなく冷静にそこにある事象を分析して提示してくれるので「あ、なるほど、『2ちゃんねる』ってこういう事なのか」と納得できた部分が多々ありました。
これが書かれてからもうかなり経っているので「2ちゃんねる」は既に形を変えているんだろうけど、それでも過去のどこかの時点を垣間見る事は出来たのかな、と。

それにしても『2ちゃんねる』の管理人・ひろゆき氏って面白い人ですね。
ある種の天才ってタイプ。
近くにいたら友達になりたくない(なれない(笑))と思うしヤなヤツと思うだろうけど、こうやって媒体を通すと「面白い人だなあ」と思える。

本の中にはひろゆき氏と著者の他に、田原総一朗、糸井重里、山形浩生、宮台真治各氏との対談が掲載されています。
ひろゆき氏のキャラが一番強調されてるのは著者との対談。
「こんな考え方する(出来る)人ってそうそういないよね~」と感心させられる。
なんかうっかり尊敬してしまいそうになる(笑)

で、一番ウケたのは宮台氏との対談。
こんなに温度が違う、考え方のベクトルが違う2人が対談してるのってすごい。
「気持ち悪い~」と思いつつもクスクス笑いながら読んでしまった(笑)
で、ここで2人が話していた事って今現在はどうなってるんだろう?

この本の中に「hack」と言う言葉(「hacker(ハッカー)」の「hack」ですね)について書いてある部分、(直接『2ちゃんねる』とは関係ないけど)ちょっと自分の仕事のやり方を振り返って反省させられる文章でした。

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