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◆Date:2003年10月
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石田衣良『LAST』

  • 2003/10/18(土) 22:09:28

LAST
石田 衣良
石田衣良『LAST』金や人間関係などが原因で所謂「フツウ」の生活から転げ落ちていく人たちが主人公の短篇集。
最初ちょっと重いかな?と思って引いてしまったけど、読み続けているとそれでもそこはただ真っ暗なだけの場所じゃない事が判ってちょっと安心した。

ただそれは「場所」の問題じゃなくて、そこにいる主体としての「人間」の話。
どんな場所、境遇であれ、そこを選んだのは自分なのだ、と言う人間としての矜持が彼らを決して「敗北者」には見せていなかった。
彼らも決してそうなろうと思ってそうなったわけではないだろうけど、そこしか場所が残されていないのならば「こんなはずではなかった」と運命や他人を呪うよりも、自分が生きてきた結果なのだと自分を、その結果を肯定する、受け入れる勇気もまた必要なのかも知れない。

黒い背景にオレンジの線で(多分)心臓の絵が描かれたカバーが印象的。
(でも黒のカバーって指紋が付いちゃってすぐ汚れるから、この本は珍しく本屋のカバーを掛けて貰っちゃった)

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戸梶圭太『ギャングスタードライブ』

  • 2003/10/18(土) 22:06:15

ギャングスタードライブ
戸梶 圭太
戸梶圭太『ギャングスタードライブ』「溺れる魚」以来2冊目の戸梶作品。
やっぱり好き~♪

この現実感のないアホみたいな展開と、ちょっと(いや、かなり)キレてる登場人物たち、そしてすごいスピード感。
ワクワクドキドキしながら一気に読んでしまった。

これが映像だったらあまり見たいと思わないけど、文章だとイメージしたくない部分(あまりにも血がドバドバ出てたりする所とかね)は適当飛ばして読めるのでただひたすら気持ちいいテンションだけが残るって感じだった。
途中で出てくる便乗犯たちにちょっとイラッとさせられた(こういうタイプが一番嫌い)けど、その分思いの外あっさりいなくなってくれたのは良かった。

ちなみに大藪春彦かぶれの(ある意味「愛すべき」)ヤクザ"塚原"は私の頭の中ではずっと布袋寅泰に変換されていたのでありました(笑)
他の登場人物は「何となくこんな感じ~?」なシルエットとか、首から下だけのイメージしか出来なかったのに、塚原だけはきっちり布袋寅泰が頭の中に出てくるのでそれだけで笑ってしまった(笑)

清水義範『行儀よくしろ。』

  • 2003/10/18(土) 22:03:46

行儀よくしろ。
清水 義範
清水義範『行儀よくしろ。』タイトルそのままの本です。
「最近の子供は○○が悪くなった」と言われる原因は、文部科学省や学校だけの責任ではなく世の中の大人が子供に日本の文化をきちんと伝えていないからだ、と言う内容。

すごく読みやすいし、判りやすい。
内容も「ああ、なるほど、その通りだよね」って思うことが多かった。

思うに人間にとって一番基本になるのは「恥」とか「誇り」じゃないのかな。
それを正しくきちんと教えていかないと、本当に日本という国はダメになりそうな気がして怖い。

とは言え、具体的にじゃあどうしたらいいのかな~?って思ってしまうのも事実。
特に私は子供いないし、普段大人としか接していないし。

でも大人の中にもバカは山ほどいるので、まず自分からどうにかしないといけないんだろうなぁ。

毎日新聞旧石器遺跡取材班『古代史捏造』

  • 2003/10/11(土) 22:00:11

古代史捏造
毎日新聞旧石器遺跡取材班
毎日新聞旧石器遺跡取材班『古代史捏造』かなり面白かった。

ルポルタージュをこんなに面白く(興味深く)読んだのは久しぶり。
ヘタな推理小説よりも面白かったかも。
文章も私のような門外漢にもかなり判りやすく、読みやすく書かれているし、何よりその対象が非常に興味深い。

この問題は発覚した当時TVや新聞で見た記憶はあってあまりの数の多さに「何だってそんなことが可能だったの?」と思った記憶はあるんだけど、そのまま忘れてしまっていた。
それを改めてこうやってまとめて読んでみるとやはり感じるのは「どうして出来たの?」と言う同じクエスチョン。
この本の中には「どうして」に対する具体的な回答は書かれていないけど、想像するに藤村氏(捏造した本人)が終始単独で行動していた事が大きかったのかな。
悪事と言うのは関わる人が多いほど発覚されやすくなるものだからね。

それにしても20年にも渡ってそれがそのまま通用しちゃうのは異常だと思うけど。
それを可能にしていたのはその業界の体質なんかも関係しているんだろうし、同時に現場の努力とか行程には興味がなくて出てきた結果のみに大騒ぎする世論にもある意味責任はあるんだと思う。

この事件の発覚後、日本の考古学界は全力を挙げてこの問題に対する裏付け調査を実施し、その結果を全て公表している。
起こってしまったことは取り返しようがないけれど、それを教訓として受け取り新しい体質作りへの糧とした対応は評価できる。
(どこかの企業もこういう態度があるべきだ)
そしてそういった内容をまとめて読めたのも良かった。

この事件を起こした藤村氏の心の暗闇には何があったんだろうなあ。
捏造を隠し続け、更に生み出し続けた20年、どんな気持ちで毎日を過ごしていたんだろう。
それが一番怖いかも。

嶽本野ばら『鱗姫』

  • 2003/10/11(土) 21:54:33

鱗姫
嶽本 野ばら
嶽本野ばら『鱗姫』面白かった。

本の帯には「ホラー」って書いてあったけど別に怖くはなくて、どちらかというと私は「ファンタジー」みたいな感じがしたな。

いずれにしろ「野ばらちゃんワールド」全開、って感じ。
(と言えるほど読んでないけど…でも、これを読んだだけでも「ああ、これが!」と納得してしまう、させられてしまうパワーがある)

こんなに閉じた世界(状況も、「美しさ」についての考え方も)なのに、人気があるんだよね。
その秘密は何にしても「徹底している」と言うことに対する共感なのかな。
私にしても実際にこんな人たちがいたら引くと思うけど、本の中の登場人物は妙に可愛らしくて魅力的に感じるものね。

でも私にはこの調子で長編はちょっとキツイかも…そういう意味でこの作品は長さも丁度良かったと思う。

塩野七生『サロメの乳母の話』

  • 2003/10/04(土) 21:51:59

サロメの乳母の話
塩野 七生
塩野七生『サロメの乳母の話』塩野七生氏って(私の中では)小説家と言うよりも歴史家と言うかノンフィクション作家ってイメージがあったけど、よく考えたら昔よく読んだボルジア家の話とかもちゃんと小説なのよね。
決してドキュメンタリーではないわけで。

何故そういう印象を持ったか考えてみると、歴史的事実をベースにした作品が多い(殆ど?)事と、人物よりも歴史の流れのようなものが前面に出ていて「主役は歴史的事実」のような印象があった事かな。
それで「小説」と言う認識が薄かったのではないかな、と思われる。

そういった作品に対してこの本はきちんと「小説」と言う印象。
そしてかなり面白い。

ヨーロッパの歴史的人物(サロメやダンテ、ネロ皇帝そしてキリストまで)の姿をその人物に近い人の視点を通して語った短篇の作品群。
本人ではなく別の人物、それも彼らに近い人物(親、兄弟、そば近く使えた召使いなど)を語り手に選ぶことによって、今まで語られることのなかったその人物の意外な側面、輪郭をくっきりと浮かび上がらせていく。

そこには物語を面白くするための小説的なフィクションも混じっているのだろうが、歴史研究家としての著者が「こう考えれば説明がつく」と言う「意見」もさりげなく入っているように思う。
そうでありながら長すぎない物語のサイズもいい。

今まで興味の無かった歴史的人物を改めて見直してみるきっかけになるお手頃な作品かと。

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