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◆Date:2003年04月
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高橋克彦『霊(たま)の柩(下)』

  • 2003/04/27(日) 20:41:51

霊(たま)の柩〈下〉
高橋 克彦
高橋克彦『霊(たま)の柩(下)』ホンモノの霊媒を捜してはるばるイギリスはロンドンまで来た4人。
何百年も続く貴族の家で幽霊退治をしたり、当時心霊研究に入れ込んでいたコナン・ドイルを交えて降霊会をやったり、タイムマシンで何度も時空を飛び越えたり…と、怪しげなエピソードが満載でなかなか楽しかった。

でも時間(または枚数?)が無かったのか、エピソードを詰め込みすぎたのか、後半殆どセリフがどんどん説明的なものになってしまい、その結果登場人物の言葉と言うよりも著者の考え、意見が前面に出てきてしまったのはやはり「小説」としては少々いただけないのではないかと思う。
それにあくまで「仮定」として話している内容が、事実も殆どその通りだったりするのもちょっとご都合主義すぎるような。
最後のタイムマシンを何度も使うことによって起きる複雑なタイムパラドックスを説明するには、あの方法が一番判りやすいというのは理解出来るのだけど…もう少し丁寧に書いて欲しかったな。

とは言え、400ページを一気に読ませる面白さがあったのは確か。
以前「だましゑ歌麿」を読んだときもそうだったけど、この著者の文章って特に強い特徴があるわけではないのに気が付くとどんどん先へ先へと読み進んでしまう推進力がある。
先にあるものの予想が出来ない、興味を先に引き延ばすのが巧い文章の書き方って事なのかな。
難しい事を説明するのにも平易な言葉で判りやすく書いてくれるのも読みやすさの要因だと思う。

さて、次は時間を遡って(笑)「竜の柩」だ!

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高橋克彦『霊(たま)の柩(上)』

  • 2003/04/25(金) 20:37:33

霊(たま)の柩〈上〉
高橋 克彦
高橋克彦『霊(たま)の柩(上)』面白い!
ある事情によって大正時代のタイムスリップした4人の日本人男性が主人公。
(この『事情』については別に「竜の柩」(全4巻)と言う作品があるらしい。何でも「霊の柩」より面白いとか。下巻を読み終わったらこっちも読む予定)
大正時代の日本の風物、流行、習慣、芸能などがたくさん散りばめられ、当時の生活を彷彿とさせてくれる。
食べ物や娯楽などの値段について当時の金額と、今の価値が会話の中でさりげなく触れられていているのですごくイメージがし易い。
更にその当時活躍した著名人(若き日の宮沢賢治、江戸川乱歩など)が出てきて様々な形で主人公たちと出会っては別れていくシーンも楽しい。

上巻では最初に降り立った岩手の山奥から東京にたどり着いた4人がそうやって大正時代の東京の生活を見聞しながら、現代に戻る方法を探すところまでが描かれている。
そして下巻ではその方法(霊媒による"神"とのコンタクト)実現のために4人はロンドンに向かう。
果たしてロンドンで4人を待ち受けているものは?!
下巻も楽しみ♪

北森鴻『凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉』

  • 2003/04/23(水) 20:32:50

凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉
北森 鴻
北森鴻『凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉』美貌の民俗学者・連丈那智を探偵役にした「連丈那智フィールドワークシリーズ」の一作目。
「鬼封絵」、「凶笑面」、「不帰屋」、「双死神」、「邪宗仏」の5作を収録。

今回の5作品の中で「不帰屋」と「凶笑面」の2つは既に別々のアンソロジーの中で読んだことがあった。
その時は全く気にしなかったけど、今回まとめて読んでみて感じたのは「連丈那智の容姿や雰囲気、行動(と言うより仕草かな)に関する記述が恐ろしく多い、と言うこと。
これ、かなり邪魔。
確かに彼女は美しく才能があって頭もいいんだろうし、物語的にもそういう人物が探偵役の方が面白いとは思うけど…あそこまで行くと「それはどうでもいいから話を先に進めてください」って言いたくなる部分が何度もあった。

何より、それを言ってる(思っている)のが那智の助手であり、この物語の語り手でもある近藤三國だと言うのがいただけない。
物語の語り手(進行役)と言うことは、彼は物語の中の人物でありつつ、物語の外にいる私たち読者の「目」と言う役割も果たす必要があるのではないかと思う。
彼が那智を美しいと思いその美貌や才能に畏怖や礼賛の気持ちを持つこと自体は否定しないけれど、同時に彼は彼女の「冷静な観察者」でなければならなかったのではないだろうか?
三國によって繰り返される那智の描写は熱に浮かされているようで、何作も続けて読んでいるうちにどんどん鬱陶しくなっていってしまった。

更に「語り手」はイコール「著者」でもあり得るわけだから、著者が自作の登場人物に思い入れがありすぎる、と読まれるのはマイナスなのでは?とも思ってしまうのだが。

確かに探偵役は魅力がないよりあった方がいいかも知れないが、彼女の美質を褒め称えるのは誰か他の人間にやらせて、かれはそれを冷静に描写する、補足すると言った書き方の方が私は読みやすいと思った。

それ以外のミステリーの部分は面白い。
特に「不帰屋」。
(以前アンソロジー(「大密室」)で読んだときも『面白かった』と感想を書いている)
舞台装置、動機、方法など、非常に面白く良くできた作品だと思う。
それ以外の作品も民俗学的な謎と、那智と三國が遭遇する事件の謎を両方楽しめる作品ばかり。

そうであるだけに、那智への過剰な表現は作品の良さを却って削いでいるような気がして「勿体ない」と思う。

若竹七海『名探偵は密航中』

  • 2003/04/08(火) 20:18:40

名探偵は密航中
若竹 七海
若竹七海『名探偵は密航中』横浜を出向し、倫敦に向かう豪華客船「箱根丸」の中で起こる事件の数々。

色んなタイプの事件が次々と出てきて飽きずに読めたけど、その分視点があちこちに飛んでしまって印象がぼやけてしまった感じもあるかな。
それぞれの物語に平行した形で別の物語を置いて、最後にその謎解きをすると言う趣向が効いていた。
(以前読んだ「死んでも治らない」も同じ趣向だったけど、こういうのが定番の作家さんなのかな?)
最後のオチも意外で面白かった。

しかし、航海中にこんなに殺人や盗難、病死…などなどが起こってしまった客船にこれから乗客は来るのだろうか…?(笑)

大塚英志『木島日記』

  • 2003/04/04(金) 20:14:06

木島日記
大塚 英志
大塚英志『木島日記』怪しげな登場人物、現実にはありえないエピソード、そこに点在する歴史的事実や実在の人物、そうしたものを混ぜ込んで創り出されるパラレルワールド。
こういう「胡散臭い」話ってすごく好き!
映像的に言うと昔見た鈴木清順の映画みたいな雰囲気。

それは「全くの想像上の物語」でもあるし、でももしかしたら「本当の物語」かも知れない。
そう読者に思わせられるのはやはりキチンとした歴史的な知識と裏付けがあるからこそだと思う。

しかし、書き出しの雰囲気だと暗く重く陰惨な話になっていくのかな?と思いきや、読んでいくうちに登場人物がどんどんファンキーになっていって最後はかなり楽しい物語になっていたのが面白かった。

一人飄々としていた一ツ橋が途中で舞台から消えてしまい、そのまま最後まで出てこなかったのは残念だった。
最後の最後に登場するかな、と思っていたんだけどな。

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