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◆Date:2003年03月
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金城一紀『GO』

  • 2003/03/16(日) 20:08:22

GO
金城 一紀
金城一紀『GO』すごく面白かった。

とにかく人物の性格設定が上手い。
主人公は在日韓国人で高校生の杉原。
自分の置かれた状況に苛立ちを憶えながらも、それも含めた自分自身を受け入れその先へと孤独な闘いを挑んでいく。
彼の状況把握能力や、自己分析力、好奇心そして他人に対する優しさと厳しさに圧倒されてしまう。
高校生の男の子ってこんなにちゃんとしてるものなの?

そして彼を取り巻く人々。
両親、恋人の桜井、親友の正一、同級生の加藤…。
みんなそれぞれに個性的で、魅力的。
更に、彼らはただ単に魅力的な脇役としてそこにいるだけでなく、それぞれがそれぞれの形で杉原に問いかける役割を果たしている。
「お前は何者だ?」
その問いかけを通して杉原は自分の存在を確認し、強くなっていく。

挿入されるエピソードも、さりげないけれど周到に計算し尽くされている。
何気ない会話の中のキーワードが、後で重要な意味合いで引用される。
そんなパズルのようにピタリと嵌る伏線が美しかった。

日本で生まれ、日本で育ったのに日本人ではない杉原。
それによって生じるいわれのないいじめと差別、軋轢。
でもだからこそ彼は「自分」は何者かを繰り返し問いかけ、そして強くなっていく。
当たり前のように日本人である自分を信じて何の疑問も持たずに生きている私と彼はどちらが幸せなのだろうか?

作品全体の雰囲気がちょっと石田衣良の作品に似てる感じ。
杉原はマコトとイメージがだぶる。
もしこの2人が会ったら友達になれそうな気がするよ(笑)

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斎藤美奈子『紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』

  • 2003/03/15(土) 20:04:02

紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像
斎藤 美奈子
斎藤美奈子『紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』現実社会でよく見られる「たくさんの男性とすこしの女性」という状況。
それは大人の社会だけでなく子供の頃によく見たアニメや特撮ヒーローものの中でも見慣れた光景であった。
そうしたアニメ、TVや伝記中の人物の扱われ方を掘り下げ「紅一点のヒロイン」像を解き明かす。



「紅一点」と言う視点で、みんなが良く知っているアニメ作品や伝記の中の人物を解説すると言う内容は面白い。
取り上げられたアニメ作品の内容の要約があったり、偉人たちについても子供向けの伝記中で触れられている部分だけでなくその後の人生も紹介されているので「なるほどね~」な箇所もかなりあった。

でも、どうにも読後感が良くなかった。

こういう「誰でも知っている対象」を扱う時って、ある程度それを揶揄する表現の方が読者に関心を持たせることが出来る事は確か。
でもあまりにもそれが行き過ぎてしまうと、振り子が揺り戻すみたいな感じで逆に全てがイヤになってしまう危険もあると思う。
この作品も最初は面白く読んでいたんだけど、対象に対するあまりにも礼儀に欠けた言い回しが読み進めるにつれてだんだん鼻に付いてきてしまった。
そうなるとその主張に対しても斜めからしか見られなくなってしまう。
論を進める時に内容を自分の持っていきたい方向に恣意的に誘導するのは当然だと思うけど、それに簡単に乗れなくなって逆に「そんなことないんじゃないの?」って気持ちが強くなってしまうんだな。

これは同じ著者の「読者は踊る」を読んだときも同じような感想を持ったので、これはこの著者の文章(思考)のスタイルなんでしょうね。
別に対象や受け手に迎合しろって事ではないけど、それによって自分の論を組み立てるならもう少しの礼儀があってもいいのでは?と言う気がした。

嶽本野ばら『カフェー小品集』

  • 2003/03/10(月) 20:01:03

カフェー小品集
嶽本 野ばら
嶽本野ばら『カフェー小品集』京都・東京・北海道に実在する(あるいは「した」)12のカフェーを舞台にした「君」と「僕」の物語。

時間を忘れたようなカフェーの中で交わされる「君」と「僕」の会話。
お互いを大切に思っていながらも、それ以上に大切な自分自身を守るためすれ違い、そしてだからこそ惹かれ合う2人。

ここに書いてあるのは、私達が日々をつつがなく生きていくために無くして来てしまった言葉や空間や想いだと思う。
だから読んでいるととても気恥ずかしくなる部分がある。
でも、同時にとても懐かしい情景でもある。

「僕」の一人称で語られる、静かな文章は音楽のように心地いい。
そして噂通りの独特な美意識は読んでいるこちらが照れてしまうほど真っ直ぐ、ただそこにある。
今にも姿を消そうとしている12のカフェーはその美意識によって永遠にそこに写し取られていく。

2人の未来に光が見える『凡庸な君の異常なる才能に就いて』の終わり方が好き。
でも一番好きだったのは実は『文庫版あとがき』。
これを読んでちょっと泣きそうになってしまった。

アン・マキャフリー『だれも猫には気づかない』

  • 2003/03/08(土) 19:58:06

だれも猫には気づかない
アン マキャフリー Anne McCaffrey 赤尾 秀子
アン・マキャフリー『だれも猫には気づかない』時は中世、エスファニア公国。
賢く、文武に優れ、人望も篤かったこの国の老摂政・マンガンが亡くなった。
早くから自分の死期を悟っていた彼は、残される若き領主・ジェイマス五世のためにあらゆる手段を講じていた。
その中でもとっておきの秘策は彼の飼い猫・ニフィを影の摂政として領主の傍に送ることだった。



もっと内輪の微笑ましい話なのかと思ったら、新興国との政略結婚、相手国で渦巻く王妃による陰謀などなどかなり生臭い事件が中心だったのでちょっと意外だった。

まあまあ面白かったけど、時々何を意味してるか判らない文章があったり、それにやっぱりカタカナの名前を憶えるのは苦手なのであった…。

西尾忠久『剣客商売101の謎』

  • 2003/03/07(金) 19:55:15

剣客商売101の謎
西尾 忠久
西尾忠久『剣客商売101の謎』池波正太郎の著作「剣客商売」を基に作られた101のQアンドA。

かなり細かい設定まで問題にしてあって「よくぞ、ここまで」と言う印象。
こんなの即答出来る人がいるんだろうか?
でも好きな人は好きなんだろうなあ。
読んだ本の内容を片っ端から忘れてしまうような私でも、やってみたら思いがけず憶えていることも多くて驚いたくらいだから。
それだけ登場人物の設定や描写が印象的だったという事なんでしょうね。

池波氏も参照したという『江戸名所図絵』が中にいくつも挿入してあり、<この絵の右側に○○があった>などと説明書きがあるのも楽しい。

読んでいくうちに今私が毎日通っている目黒付近も作品中に出てきた事を思い出した。
(しかし深川から目黒ってかなり距離があるはず…。昔の人って本当に足腰が丈夫だったんだなあ)
この辺は池波氏も生前よく歩いた散歩コースだったらしい。
もうちょっと季候が良くなったら、私も倣って歩いてみようかな。

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