ページ内記事タイトル一覧

◆Date:2002年09月
ALL

フリーエリア

テスト中。ここはフリーエリアです。

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

荻原規子『西の善き魔女〈2〉秘密の花園』

  • 2002/09/29(日) 12:45:23

西の善き魔女〈2〉秘密の花園
荻原 規子
荻原規子『西の善き魔女〈2〉秘密の花園』ルーンの保護を条件にアデイルと共に王宮に入ることを納得したフィリエルだったが、相変わらずの破天荒ぶりで教育係りであるセルマを怒らせてばかりいた。
その結果、フィリエルはアデイルがかつて通っていた寄宿制の女学校に送り込まれるが、後ろ盾を持たないフィリエルは特権意識の強い生徒会役員から目の敵にされ孤立してしまう。
更にそのなかで一人の生徒が講堂から墜落死すると言う事件が起きる。
一度はこのまま伯爵家に戻ろうと決心するが、そのフィリエルの前に友人のマリエと女装したルーンが現れた事で事態は一変する。



面白かったっ!
フィリエルが女学校の中で戦う様子も楽しいけど、とにかくラストが最高におかしい(笑)
荻原さんってこういう作風の人だったんですねえ(って決めつけちゃダメかな?(笑))
でも作者本人も「楽しんで書いてます」って気分が伝わってきてすごく楽しい一冊でした。

本の後ろのあらすじを見て、もっと陰湿にいじめられるシーンが書いてあるのかとちょっと心配していたのですが全くそんな心配はありませんでした。
フィリエル、パワフルです。
でももっとパワフルなのは一見大人しそうに見えるアデイルなのかも(笑)

スポンサーサイト

荻原規子『西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女』

  • 2002/09/28(土) 12:42:45

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女
荻原 規子
荻原規子『西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女』代々女王が統治する国・グラールの最北端・荒れ地ばかりが続くセラフィールド。
ここにある天文台で研究を続ける変わり者のディー博士の一人娘・15歳のフィリエルは初めて参加する女王生誕祝祭日に行われる舞踏会を楽しみにしていた。
その朝、天文台の博士のもとから弟子のルーンがフィリエルを訪ねて来て、博士からのプレゼントだと言って美しいペンダントを渡す。
博士らしくないプレゼントを訝しむフィリエルだったが、それを付けて舞踏会へ参加する。
そしてそれをきっかけにフィリエルは今までの平和な生活から、陰謀と闘いの中へと投げ出されるのだった。



読みやすくて楽しかったです♪
殺人が起こったりするなどちょっと重いシーンもありますが、それに引きずられずに全体的に軽快なテンポで進んでいくのでとても読みやすい作品です。

フィリエルを始め、ルーン、マリエ、ユーシスそしてアデイルなど登場人物も個性的で元気が良くて楽しい。
今後の展開が楽しみです♪

漫画家・牛島慶子氏によるイラストも素敵です。

加納朋子『沙羅は和子の名を呼ぶ』

  • 2002/09/26(木) 12:39:01

沙羅は和子の名を呼ぶ
加納 朋子
加納朋子『沙羅は和子の名を呼ぶ』引っ込み思案で夢見がちな少女・和子(わこ)。
父の仕事の関係で引っ越した家で、和子は沙羅と名乗る不思議な少女に出会う。
転校したばかりで友達が出来ない和子は沙羅との交流を深めていく。
しかし、沙羅の姿は和子しか見たことがないのだった…。

表題作を含む短篇集。
「黒いベールの貴婦人」「エンジェル・ムーン」「フリージング・サマー」「天使の都」「海を見に行く日」「橘の宿」「花盗人」「商店街の夜」「オレンジの半分」「沙羅は和子の名を呼ぶ」の10作を収録。



最近、加納作品を読むと微妙なところで気持ちが引っかかってしまって楽しめない事が多いんですよね。
う~ん…何て言うのか…上手くピントが合わない。
理解出来るけど納得は出来ないって感じで、気持ちにストンと落ちて来る事がないんですよね。
この作品集も残念ながらそうでした。

どこが引っかかるかという事を自分でも上手く説明は出来ないのですが、作品全体と言うよりも「何でこういうところをしつこく説明するかな」とか「こういう表現は好きじゃないな」とかそんな微かな違和感なんですよね。
他人が書いているんだから自分の感情と上手くリンクしない事も仕方ないとは思うのですが…加納作品は決して嫌いじゃないだけに何故こう感じてしまうのか?とちょっと寂しくはあります。

逆に言うとそこまで自分の感情と似たところにあるお話を書いてくれている、と言う事でもあるのかも知れませんが。

この中で一番好きだったのは「黒いベールの貴婦人」かな。
「フリージング・サマー」は…内容自体ちょっと納得出来なかったです。
何だか私には「ちせ」がすごく責められているようにしか思えなかったのです。
「優しさ」の表現ってそうじゃないだろう、って思って。
…こういう基本的なスタンスの違いが問題なんだろうか。

中津文彦『塙保己一推理帖―観音参りの女』

  • 2002/09/23(月) 10:35:00

塙保己一推理帖―観音参りの女
中津 文彦
中津文彦『塙保己一推理帖―観音参りの女』江戸中期に実在した大学者・塙保己一(はなわ・ほきいち)。
貧しい農家に生まれ幼い頃に病で視力を失いながら、日本の古文書・古資料を纏め上げた『群書類従』を編纂し盲人の最高官位・検校に上り詰めた人物。
この保己一を主人公にした書き下ろし時代ミステリー。



小説の形としてはミステリーの形式を取っていますが、推理自体はそんなに…って感じでした。
ミステリーの部分よりも話の合間に書いてある保己一やその周囲の人々(南町奉行の根岸肥前守、同郷の幼なじみで大店河田屋のご隠居である善右衛門、元大工の棟梁の和助、戯作者の太田南畝など)、そしてその時代の風習、風俗などの描写がすごく丁寧に書き込んであって面白かったです。
この部分があまりにも筆が走っているためミステリーの部分の印象が薄くなっていると言う印象でした。
ここまで丁寧に調べてあるなら敢えてミステリー仕立てにしなくても良かったんじゃないかな~…なんて思ったり。

版木で刷ったようなイラストの装丁やタイトル文字のフォントの選び方など表紙がとても素敵な本でした。

中野翠『クダラン』

  • 2002/09/21(土) 10:33:43

クダラン
中野 翠
中野翠『クダラン』「サンデー毎日」連載の『満月雑記帳』(95年11月~96年11月分)、「クレア」連載『月夜のプンプン』(94年12月~96年12月分)を収録したエッセイ集。



またしても中野さんは怒ってます(笑)
でも「ふんわか」したり「穏やか」だったりするエッセイよりは、私はこういうピリッとした作品のが好き。
いくら怒っても中野さんの怒りは決して下品ではないし(下品であることは本人が一番嫌いな事だから)、その内容も同感できるものが多いし。
それに歌舞伎や落語など多岐にわたる趣味の話が楽しい。

この連載当時よりも今の日本は(哀しいことに)「荒廃」が進んでいるわけだから、中野さんは今日もどこかで怒っているんでしょうね。
ナンシー関を失った今、私が読む数少ないエッセイの書き手として今後も飛ばしていって欲しいのはやまやまですが、中野さんが怒る(いや「嘆く」かな)ネタがない社会に近づいてくれる事も切に願います。

恩田陸『木曜組曲』

  • 2002/09/11(水) 10:31:20

木曜組曲
恩田 陸
恩田陸『木曜組曲』耽美派の女流作家・重松時子が死亡して4年。
時子の命日にあわせて、彼女と縁の深い5人の女たちによる恒例の偲ぶ会が今年も時子の自宅であった「うぐいす館」で開かれた。
例年通りふんだんな料理と酒、そして気の置けない仲間たちのなごやかな集まりになると思われたその会は、ある謎のメッセージが届いたことで雰囲気が一変する。
薬物による自殺として処理された時子の死因に疑問を抱いていた全員が、それぞれにその死に対する"告発"と"告白"を語り始めるのだった。



面白かったです!
グチャグチャにもつれていた毛糸を、少しずつ丹念に手繰っていく事によってどんどんほどけて最後にはキレイな一つの毛糸玉が出来た。
私はただ読んだだけなのに、そんな小さな達成感さえ感じられるような作品でした。

すごく込み入った話なのに、登場人物の魅力や次々に提示される謎とその推理の面白さでどんどん読めてしまいます。
そしてそれによって、既に死んでしまって一度も登場しない「重松時子」と言う一人の女性作家の姿がクッキリと浮かび上がって来るのです。

時子の死の謎解きもそれまでに提出されていた伏線が、一斉に動き出してあるべき場所に収まっていく様子を見るようですごく気持ちよかったです。

更に物語がここで終わらないところが恩田陸のすごい所。
「どんでん返し」と言う言葉がありますが、この物語はそれが何度も何度も設定されていて、しかもそれがあざとくないんですよね。
終盤の盛り上がりに「そうか!ここまでやるか!」って嬉しくなってしまいました。

久々に恩田陸の世界を堪能したぞ、と言う一冊でした。

しかし、頭のいい女性が5人も集まるとかなり怖いですよねえ…(笑)

南伸坊『仙人の壺』

  • 2002/09/11(水) 10:28:42

仙人の壺
南 伸坊
南伸坊『仙人の壺』中国の昔話をマンガと著者自身のエッセイ(解説)で楽しむ一冊。

半分マンガだし、解説も短くて軽いエッセイ風の文章なのでサクサク読めます。
解説の中にも書いてあるのですが中国の昔話ってオチがないみたいですね。
「こういうことがあったよ」って事がただ書いてあるだけのが多いみたい。
その「こういうことがあったよ」な話を絵にするのに、著者のちょっとトボけた、でもどことなく怪しい感じのするタッチがピッタリでした。

A・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ傑作選』

  • 2002/09/09(月) 10:26:01

シャーロック・ホームズ傑作選
A.コナン ドイル Arthur Conan Doyle 中田 耕治
A・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ傑作選』コナン・ドイルの書いた「シャーロック・ホームズ」作品を集めた傑作選。
「ボヘミア王家のスキャンダル」「赤毛連盟」「花婿の正体」「五つぶのオレンジの種」「ゆがんだ唇の男」「まだらの紐」の6作を収録。



小学校の頃から暇さえあれば本を読んでいた記憶があるし、学校の図書館の本もかなり読んでいたのに「私はホームズ読んだっけ?」と自問自答するとどうもハッキリしない。
(と言うか20歳より前に自分が何を読んでいたか殆ど記憶にない…と言うのが事実なのだけど(汗))
ので、ちょっと読んでみました。
結果、知ってる話は「まだらの紐」だけでした。
(それも「まだらの紐」が何を意味するかを知っていただけで、舞台設定とかどんな事件だったのかは全く記憶になかったので作品自体を読んだと言うより、トリックだけをどこか他の文章で読んだと言う可能性が大。)
う~む、私は学生時代何を読んでいたのであろうか?

で、この傑作選なのですが、訳文も読みやすくて(中田耕治/訳)なかなか面白かったです。
どんどんトリックや設定が複雑怪奇になっていく昨今の推理小説から比べるとやはり素朴な感じですね。
いかにも最初の一歩って感じ。
それでいて探偵役のホームズ、そして助手のワトソンという人物設定をここまで確立しているというのはやはりすごいですね。

ところで普通「傑作選」だったらその前につくのはジャンルとか作家名が普通ですよね。
(例えば「短編ミステリー傑作選」とか「ドイル傑作選」とか)
それが「シャーロック・ホームズ傑作選」って…(笑)
それだけホームズの名前が一般的って事なんでしょうね。

鯨統一郎『とんち探偵・一休さん金閣寺に密室(ひそかむろ)』

  • 2002/09/07(土) 10:23:03

とんち探偵・一休さん金閣寺に密室(ひそかむろ)
鯨 統一郎
鯨統一郎『とんち探偵・一休さん金閣寺に密室(ひそかむろ)』金閣寺最上層の一室で時の最高権力者・足利義満の首吊り死体が発見された。
望みうる権力を悉くその手に掴み、更に溺愛する息子・義嗣を次の帝にする算段もほぼ整った今、義満に自殺する動機は見あたらない。
しかし、義満が発見された部屋は完全な密室(ひそかむろ)であったのだ。
犯行は誰がどうやって実行したのか。
知恵者で高名な建仁寺の小坊主・一休は義嗣に命じられ義満の死の謎を解くため動き始める。



なかなか面白かったです。
足利義満の死の謎を解くミステリーに加え、その義満の政治的手腕や朝廷との関係と言った歴史的事実、更には「このはしわたるべからず」、「虎退治」などのとんち一休さんの有名エピソードも織り込んだ読みどころ満載の一作です。
そのとんちに使ったエピソードの一つ一つが謎解きにもフィードバックしてくる辺りがうまかったです。

ただ、一番最初と最後の部分は必要ないんじゃないかと思うのですが。

宮部みゆき『理由』

  • 2002/09/04(水) 10:17:50

理由
宮部 みゆき
宮部みゆき『理由』東京の下町に建つ超高層マンション。
6月の豪雨の夜、そのマンションの一室から若い男が墜落死する。
さらに男がいたと思われる部屋には無惨に殺された3つの死体が横たわっていた。
一見家族のように見えるこの4人は一体何者なのか?
彼らは何故殺されなければならなかったのか。
'99年度 直木賞受賞作。



ニュースで殺人事件や死亡事故の報道を見ると考えるのは「この後、この人たち(加害者・被害者)の家族はどんな人生を送るんだろう」と言うこと。
たとえそれが陰惨な殺人事件などではなく一般的な交通事故のようなものであっても、家族の中の誰かが不慮の死を迎えると言う事実はその家族にとっては大きな「事件」であるに違いない。
ましてやそれが何人もが同時に殺されてしまうような殺人事件であったとしたら、家族どころかそこに関わった全ての人の人生にその事件は確実に何らかの刻印を残して行くのだろう。
それは果たしてどんな形をしているのか。
それを彼らはどう受け止めているのか。
そこに関わらない私は単なる好奇心でそれを知りたいと思うことが多い。
でも殆どの場合、その好奇心を満足させる事は難しい。
何故なら私たち第三者は殆どの場合「マスコミ」と言うフィルターを通った情報しか得る事が出来ないから。
そしてそのフィルターを通った内容から「真実」を探すのは困難である、と言うことを知っているから。
でも事件の重要な関係者から真実の声を聞き出す事が出来る、そしてそれを第三者に公表することが出来るのもまた「マスコミ」でしかない。

この小説は事件が全て解決して、さらにある程度時間が経ってからある第三者(多分マスコミ関係者。身分、年齢、性別などは一切明記されていない)が事件に関わったあらゆる人々に接触し、その言葉を丁寧に掬い上げたルポルタージュの形式を取っています。
事件をリアルタイムで追跡したものでないためやや緊迫感や臨場感には欠けますが、その分冷静に丁寧に描き込まれる一つ一つの事実が事件をのアウトラインをクッキリと浮かび上がらせています。
宮部みゆきの長編を読むのはすごく久しぶり(「模倣犯」以来!)だったのですが、とても面白くて「やっぱりお話を書くのが本当に上手い人なんだなあ」と実感しました。
「被害者は誰なのか」「何故事件は起こったのか」…事件への疑問が関係者に丁寧に取材する過程で少しずつ解明されていく、その無理なく確実な、しかし意外な展開に最初から最後までぐいぐい引っ張られました。
更に淡々と綴られていく事実の隙間に時折姿を見せる柔らかな気持ちの描写が著者自身の優しさを表しているようで私はとても好きでした。

推理小説を読むとき、トリックよりも人間関係や心理描写に興味がある私にとっては本当に面白く読めました。
私は「模倣犯」よりもこの作品の方を支持します。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。