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椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』

  • 2002/01/30(水) 11:12:29

さらば国分寺書店のオババ
椎名 誠
椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』椎名誠のデビュー作。
「エッセイ」と言うことだけど…エッセイと言うより小咄とか落語みたいな感じ(笑)
ちゃんと「オチ」があるんですよね。
これは著者のサービス精神なのでしょうか(笑)
いつも何かに向かってむかついたり、戦いを挑んだり、そして勝ったり負けたり(相手も知らないうちに(笑))、困ったり、喜んだりしているシーナさんが満載です。
ま、殆ど(約90%)は怒ってるんだけどね^^;

しかし、これって25年くらい前の作品なんだけど(何たってJRがまだ国鉄なのだ)、この時シーナさんが頭に来てる事に対して未だに「判る、判る」と思えてしまうんですよね。
25年くらいじゃ人間進歩しないんだなあ、と変な所に感心(?)してしまいました。

解説で嵐山光三郎氏がデビュー時のシーナさんを「電撃的コンニャロー・オラオラどーしてくれるんだよ、的青年作家」と表現しているのですが、さすが的確な描写力です(笑)

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谷田和一郎『立花隆先生、かなりヘンですよ-「教養のない東大生」からの挑戦状』

  • 2002/01/22(火) 11:08:22

立花隆先生、かなりヘンですよ―「教養のない東大生」からの挑戦状
谷田 和一郎
谷田和一郎『立花隆先生、かなりヘンですよ-「教養のない東大生」からの挑戦状』巷で「知の巨人」と言われている(らしい)立花隆氏の著書中に見られる記述の矛盾、論理のすり替え、基礎的な知識の間違えなどを(立花隆氏言うところの)「教養のない東大生」であった(昨年卒業)著者が検証し、反論した本です。

こういう批判本って高尚過ぎると内容が難しくなって付いていけなくなってしまうし、くだけすぎると揚げ足取りとか悪口になってしまってどちらにしても読むのが苦痛になってしまうものだけど、これはかなり冷静に落ち着いた文章で丁寧に書いてあるので最後までちゃんと読み通せました。
検証もデータを持ち出してってことではなくて、論理的な矛盾や無理解、無知を正していくと言った形が殆どだったので分かり易くて面白かったです。
特に「これを言い換えればこうなる」っていう言い換えの部分がかなり痛烈で笑えました。
それがちょっと行きすぎて「これはちょっとはしゃぎすぎでは?」と言う部分もちょっとありましたが、全体的に見れば感情に流されすぎず、専門的にもなりすぎず、普通の(私のような)「ちょっと面白そうなので」程度で手に取った読者でも納得して読める一冊でした。

例えば「相対性理論」について書いてあってもそれが正しいかどうかは判らないけど、いつの間にか原因と結果が食い違っていたり誤魔化していたりする文章ならちゃんと読めば「文章がおかしい」って事くらいは判るわけですよね。
名前とか肩書きとかで「お説ごもっとも」と畏まってしまうのではなく、そのくらいは判断できるようでいたいですね。

と言ってもこうやって断片で出されちゃうと本来の意味とずれてしまっている部分もあるんじゃないか、と言う危惧ももちろんありますね。
だからきちんと判断するにはこの俎上に上げられた本たちもちゃんと読まなければ不公平なんだとは思います。

そこまで真面目に確認するのは大変なのでやりませんが^^;

ただ「トンデモ本」シリーズの時もそうだったのですが、こういう本を読むと「こんな変な事が書いてある本ってどんなだろう」と却って興味がわくと言うのも事実。
今回の中では特にインターネットについて書いた本はなかなか面白そうでした(笑)

この本に関して立花氏は反論したんでしょうか?
それとも黙殺?

舞城王太郎『煙か土か食い物』

  • 2002/01/19(土) 11:06:04

煙か土か食い物
舞城 王太郎
舞城王太郎『煙か土か食い物』初めての作家さんでしたが、か~な~り面白かったです!
今年は打率高いなあ、私。
嬉しい(^^)

これ、最初は完全にジャケ(表紙)買いだったんですよ。
ノベルスだから文庫よりちょっと大きめな表紙の、上3分の2くらいが赤と黒の蛇皮になっていて、下3分の1はグレーがかった雲の多い空の絵。
そして蛇皮の部分にオレンジの大きな文字でタイトルの英訳「Smoke,Soil or Sacrifiles」がバーン!と書いてある、と言う派手さ。
これが本屋の平台に載っていたらそりゃあ目立つでしょう。
タイトルを見て「翻訳物かな?」と思ったのですが、すごく目を引かれたんで一応中を見ようと手に取ってみたら日本人の作家さんだったので購入しました。
「ハズレでもいいや」と思っていたのですが、これが大正解!
読み始めたらどんどん引き込まれて一気に読んでしまいました。

主人公の奈津川四郎はアメリカ・サンディエゴのER(救急救命室)で働く腕利きの外科医。
物語は四郎の母親が何者かに頭を殴られ生き埋めにされたと連絡が入り、2年ぶりに故郷の福井・西暁町に帰るところから始まる。
西暁町ではこの何日かの間に同様の手口で町内の主婦が次々と襲われる事件が連続して発生していた。
四郎の母親はその5番目の被害者となったのだった。
四郎は犯人を自分の手で捕まえようと高校の同級生を呼び寄せて独自に捜査を始め、次第に犯人の実像に近づいていく。
そして同時に2年ぶりの帰郷は四郎に自分と、自分の「家族」との関係を再確認させていくのだった…。



とにかく文章(文体?)が印象的。
…私の貧困なボキャブラリーを探ってみたのですが、この文体の「凄さ」を上手く表現出来る言葉はちょっと見つけられませんでした^^;
何なのかなぁ…書いてある内容はかなり汚い言葉が出てきたり、殴ったり、殴られたりで血がダラダラ流れているような描写ばっかりなのに、全然下品だったり、陰惨だったりしないんですよね。
更に力強くて、スピード感があってすごく読みやすかったです。
私はあんまりバイオレンス系の小説って読まないんですがこれは全然平気でした。
と言っても、内容がドライなのかって言うとそうでもない。
どちらかって言うと「こんなに濃密な親子関係あるんかい?」って思うくらい「血」の関係が描かれている。
なのにベタベタしてない…不思議です…。

この物語はミステリーとして始まっていてその事件を追うことで進んでいくわけですが、それよりも四郎を取り巻く奈津川家の人々の関係を描いた部分が圧巻でした。
ミステリーの部分は奈津川家の家庭内抗争を描くための伏線のような感さえあります。
(それだけ見ると謎解きの部分とか、暗号とかちょっと変に懲りすぎって感じがします)

県会議員を経て大臣を務めたこともある国会議員であるが親としては未熟で暴力的な父・丸雄とその4人の息子たち(一郎、二郎、三郎、四郎)の間の確執。
特に失踪してしまった二郎の、父親への愛情とそれが受け入れられない事による命懸けの反抗、そしてその反動として狂気のように外に向かって噴出していく暴力…。
その悪魔のような二郎を止めることも出来ないまま見守り続け、それぞれ成長していく兄弟たち。
とにかく1ページに1回は誰かと誰かが殴り合ったり、怒鳴りあったりしてる話でした^^;

こういう話って真面目に書こうとすると普通はどんどんドロドロになって行ってしまうんじゃないかと思うんですよね。
読んでいるとすごく暗くて狭いところに心が閉じこめられてしまう気分になって、息苦しくなってきてしまう。
私はそれがすごく苦手であまりこういう内容の本は読まないのですが、この物語はどんなに暴力的な場面が連続してもそういう感じにはならないんですよ。
で、それは何故かというと四郎を始めとして、この兄弟がお互いにいくら殴り合っても罵り合っても、最終的には相手を理解しようとしてるし、お互いに愛し合っている(家族、兄弟として)のが判っている、更に相手がそう思っていることを判っているからじゃないかと思うんですよね。
実際に「俺は○○(兄弟の名前)を愛している」って言う四郎の独白が何度も何度も出てくるし、ちょっとした兄弟同士のセリフの中にお互いを大切だと思っている気持ちが表現されています。
更に四郎は一見便利に使っているだけのように見える友人たちにもきちんと友情を感じて大切にしているんですよね。
そんな描写がさりげなく書いてあって、それが作品に「品性」を与えているのかも知れません。
ただそう言うのって書きすぎるとウェット過ぎて浪花節になってしまいがちでそれもまた私は苦手なのですが、そうもなっていない…。
すごく不思議な作品です。
これは四郎を高校の時に留学したままずっと10年近くアメリカに住まわせて、アメリカ人として暮らしてきた日本人に設定することで獲得しているバランスなのかも知れません。
そうして考えてみると、日本の小説と言うよりある意味「翻訳小説」に近いのかも。

でも、読み方によっては単なる「マザコン親子」の抗争にも読めます(笑)
ただこの場合の「母親」は物語の発端となる殴られて生き埋めにされる兄弟の母親ではなく、丸雄の母親つまり兄弟には祖母に当たる龍子のことなのですが。
兄弟にとって龍子はそれまで父親の暴力と独裁に虐げられてきた自分たちに束の間の平安をもたらしてくれた救いであったわけです。
そしてそれは同時に新たな火種を親子の間に生じさせる原因ともなって行きます。
そのくらい親子にとっては重要な人物だったと言うことですね。
この祖母に比べて殴られて生き埋めにされて未だに意識不明と言う過酷な運命を担いながらも、兄弟の母親の存在はとても希薄。
(名前を思い出せないくらい(笑))
それもかなり不思議な印象を与える構成ではありますね。

ラストはこの物語の流れとしては意外なくらい分かり易いです。
でも私はこういうのって嫌いじゃない。
むしろ「よしっ!読んだ!」って納得できる終わり方で好きでした。
でもここまで読んできたイメージで考えると「何?この終わり方?」って思う人もいるかなあ?

タイトルの「煙か土か食い物」の意味も印象的でした。

でもこれ映像化したらやっぱり怖いだろうなぁ。
私が好きなのもこれが活字で表現されているからだと思うし、そうでなければ四郎たちの気高くカッコイイ魂は表現できないと思います。

と言うわけで、この作品は内容と文体がすごく合っていてそれが感動的でさえあるのですが、あまりにも合いすぎているので次はどうするの?って逆に心配になりますね。
どうなるかぜひ確認したいです。

安藤哲也『本屋はサイコー』

  • 2002/01/16(水) 11:02:08

本屋はサイコー!
安藤 哲也
安藤哲也『本屋はサイコー』大学卒業後、出版社3社で書店営業、販売・宣伝などを担当した後、書店員に鞍替え。
東京・大塚の田村書店、千駄木の往来堂書店の店長を経て('02年1月)現在はオンライン書店「bk1」の店長…と言う経歴の著者が「本屋の店員はこんなに面白いショーバイなんだよ」と語っている本です。

これ、すっごく面白かったです!
メインの本屋さんの話も、取り次ぎと書店の関係とか、金太郎飴的な書店が多い理由とか、棚の作り方とか、本好き、本屋好きとしては興味深い裏話が満載だし、その旧態依然とした体制に著者がいかに対抗しながら自分の思い通りの書店を作り続けているかも読み応えがあります。

でも、この本はそれ以上に、(どんな職業に就くのであれ)「仕事をするんだったらこんな風に考えた方が楽しいよ」っていうアイディアが沢山詰まっているんですよね。
既成の配本をそのまま並べるんじゃなくて自分が面白いと思うものを自分で探して並べていく店の棚作り、お客の動きや趣味を観察して仕掛けていくレイアウトや平台のフェア、何かをやろうと思ったら賛同者を集めること、そしてそのためには自分が率先して率先して汗をかかなきゃいけないという考え方などなど、どれをとっても単純に「書店員のなり方」と言うより大きな意味で「仕事の仕方」の見本みたいな話ばかりですごく参考(と言うか刺激)になりました。

最近は一般的にも良く聞くし、うちの会社でも何かというと出てくる単語に「ソリューション」(solution)というのがあります。
直訳すると「問題解決」と言う意味なのですが、業務の中で使うときには(少なくともうちの会社では)「問題提起」と言う意味合いも含んでいます。
つまり相手(お客さま)が何か(問題)を言ってくる前に、こちらから現状の問題点と解決策を提案してしまいましょう、と言う戦略です。
こんな言葉と共に「もう『待ち』の仕事をしている時代は終わったんだよ」と言われてはいますが、急に「ソリューション」なんて言葉だけを与えられても「はい、じゃあ明日からはそれでいきます」とは行かないんですよね。
上から下に自然に流れてきた仕事をまるでベルトコンベアの上でこなしていくような仕事をしてその「効率」や「生産性」だけを考えていればいいような仕事をしてきた時間が長かっただけに、そこから抜け出してさらに逆流するような仕事の仕方というのはまさに青天の霹靂なわけです。
言ってることは判るけど、でも現実としてどうしたらいいの~?!って。
会社の上司は何かというと言葉ばかりを繰り返すけど、「じゃあ、具体的にどういうことがそうなの?」って事は説明してくれないことが殆どなんですよね。
(それはもしかして自分が判ってないからかも…?^^;)

この本を読んでそんな私の「どうすればいいの?」状態にちょっと光が見えたかしら…な気がしました。
私だって別に「つまらない」「やりたくない」って言いながら仕事したいわけじゃないですから、ここからどうにかして脱却できないかという焦りは常に気持ちの中にあるわけです。
その焦りをどうやって解消していけばいいか、の答えへの入り口が見えたかな?って感じ。

もちろん佐藤氏がやってることは「問題提起」「問題解決」なんてもんじゃなくて誰も知らない(気付いていない)問題を掘り起こしているのでは?と言うようなレベルの話で、私なんかには全く及びもつかないんですけどね。
でも、「この職業は自分の仕事と全然違うから関係ない」って事は、どんな職業にもないんじゃないかな、ってのはすごく感じました。
佐藤氏もいい書店員(店長)になるために残業は極力せずに、なるべく街に出て他の職種のお店を見たり、本を読んだり、人にあったり、話をしたりしたそうです。
要はそれを還元できるだけ仕事に対するやる気や、愛情や、勢いなどを自分が持っているかどうかって事なんでしょうね。
じゃあどうやってそのやる気や、愛情や、勢いを自分の中に育んでいくか…う~ん、それが大問題なんだよね~^^;

文章も勢いがあって、簡潔で読みやすいです。
ただ、タイトルとカバーイラストは私はあんまり好きじゃないけど…^^;

篠田真由美『センティメンタル・ブルー-蒼の四つの冒険』

  • 2002/01/14(月) 19:50:55

センティメンタル・ブルー―蒼の四つの冒険
篠田 真由美
篠田真由美『センティメンタル・ブルー-蒼の四つの冒険』著者の代表作である「建築探偵」シリーズでいつもは主人公の桜井京介の助手をしている「蒼(あお)」こと薬師寺香澄(かずみ)くんを主役にした短編集です。
蒼の成長に合わせて『Bule Heart,Bule Sky』(11歳)、『BEELZEBUB』(17歳)、『DYING MESSAGE 《Y》』(17~19歳)、『Sentimental Bule』(20歳)の4編の作品が入っています。

良かったです(^^)
本編よりも私は好きかも。
ミステリー仕立てにはなっているのですが、ミステリーとか謎解きとかと言う部分よりも何よりも、過去の消したくても消せない傷を抱きながらも(この辺の詳細は私もまだよく判っていないのですが)蒼が人間として成長していく様子がとても愛おしいです。
こういう(可愛い(笑))男の子が真っ直ぐに成長していく話って好きだなぁ。
読んでいて気持ちいいです。

蒼の保護者役である京介や深春たちも時々出てきます。
京介たちが蒼を想う気持ち、そしてそれに寄せる蒼の信頼の強さがすごくよく出ています。
それがまたいい感じなんですよね~。
特に最後の部分で蒼が京介に「京介に聞いて欲しい話がいっぱいあるんだ」って言うところは読んでいてちょっと「チェッ」って思うくらいでした^^;

相手が自分を想う気持ちを何の不安もなく信じていられる、それ以上に相手がどうあろうと自分が相手を思う気持ちを自分が信じていられる関係ってありそうでないんじゃないかと思います。
もちろん彼らは物語の中の登場人物なんだけど、それでもそう言う蜜月みたいな相手と奇跡のように巡り会った蒼と京介に嫉妬せずにはいられない…そんな感じです。

う~ん、やっぱり私の今年のキーワードは「人間関係」かもなあ…^^;

島村麻里『地球の笑い方』

  • 2002/01/12(土) 19:47:45

地球の笑い方
島村 麻里
島村麻里『地球の笑い方』旅行が趣味のフリーライターである著者が今までに行った旅行先での笑える、泣ける、ビックリする…などなどの数々のエピソードを満載した旅エッセイです。

読んで一番の感想は「羨ましいなあ」でした。
私も長いこと「独身」の「OL」と言う一番海外旅行に行きやすいと言われる(笑)立場にいるもので、海外旅行も(最近はとんとご無沙汰ですが)それなりの回数はこなしているのですがこの著者が書いているような旅はしたことがないんですよね。
それは「行き先」とか「回数」とかって事ではなくて、「人との関わり方」の部分が、です。

私は日本にいてもそうなんですが、とにかく「知らない」って事が怖くてそういうことにあまり近寄らない性格なんですよね。
それは「場所」でも「人」でも「お店」でも同様。
(おかげで東京に住んでもうかなり経つのに私の行動範囲は非常に狭いです^^;)
だったら海外旅行になんか行かなきゃいいじゃない、と言う気もしますが…「怖いもの見たさ」ってのもあるわけで。
でもいつでも「絶対安全」な保証がきちんとある場所でないとダメなんですね。
言葉が通じる、日本と同じくらいの「システム」がある、きちんとしたホテルに泊まる、誰か知ってる人がいる…などなど、知らない場所に行く場合は自分の中でちゃんと保険を掛けていかないと心配で動けなくなってしまうのです。
だから現地に行ってもそんなに飛んでもない行動とかは滅多にしませんね。
大人しく観光して、街を歩いて、食事をして、暗くならないうちにホテルに帰って寝る、と言う模範的な観光客です。
おかげで今まで殆ど危ない目にも遭わずに来られた(どこで危ない目にあう暇があるのだ(笑))反面、意外な面白さにも殆ど遭わずに来てしまったと言うのも事実なわけです。

この著者はとにかく何処に行っても現地の人との触れあいとか、未知の事柄との出会いを恐れない、いや、敢えてそこに飛び込んでいくことこそ旅の醍醐味だ!って感じなんですよね。
私なんかから見たら「どうしてそこでそんな選択が出来るの~?」って読んでるだけでドキドキものの体験なんかもいくつも入っています。
だからこそちょっと怖かったり、苦しかったりの体験もするけど、旅先の一時だけの関係でない長いつきあいが出来る友人・知人を得ることが出来ているんでしょうね。
だからと言って著者にしてもそう何でも「大丈夫」「平気平気」って過信しているわけではないだろうから、最大の違いは「人を信じる」と言う姿勢の問題なのかも。

私の場合、基本的な経験値が少ないので「何を信じるか」と言う基準が自分の中にないんですよね。
だから知っていることに関しては大丈夫だけど、知らないことに関して自分がどう対応すればいいのか迷うことが多いわけです。
で、結果として「知ってるところでいいか」って妥協してしまい、冒険することが少ない、と。
それが「安全を考えて」だったらいいのですが、段々それが「考えるのが面倒だから」にすり替わってしまっている場合も多いわけです。
それで損をしている部分って多いよねえ、と今頃になって後悔していたりします。
今からいくら頑張ってもこの著者のようにはなれないと思うけど、なるべく近づけたらいいなあと思ったりしました。

全体的に笑える話が多いし、視点が鋭いので読んでいて「なるほど!」と納得したり共感する箇所も多くて楽しく読めた一冊でした。

柴田よしき『フォー・ディア・ライフ』

  • 2002/01/06(日) 19:42:57

フォー・ディア・ライフ
柴田 よしき
柴田よしき『フォー・ディア・ライフ』

「新宿二丁目で無認可だが最高にあったかい保育園を営む男・花咲慎一郎、通称ハナちゃん。慢性的に資金不足な園のため金になるヤバイ仕事も引き受ける探偵業も兼ねている。ガキを助け家出娘を探すうちに巻きこまれた事件の真相は、あまりにも切なかった…。」
(文庫裏表紙のあらすじより)

面白かった~(^^)
ちょっと事件起こりすぎでは?と思うくらい次々新しい事実が出てくるし、もちろん伏線もガンガン張ってあるし、登場人物も「これでもかっ!」ってくらい沢山出てくるんだけど、どれもアウトラインがキッチリしているのでどんどん読み進めます。
(でもやっぱりちょっと色んな物を詰め込みすぎって感もあり)

何より主役のハナちゃんがいいですね。
新宿の底辺で女手一つで必死で子育てをする女たちの子供を預かる保育園の院長先生と、命も危ないヤバイ仕事も扱う元マル暴の私立探偵(と言うか調査員(笑))と言うスゴイ二足草鞋。
もちろん心休まる場所もあります。
そういう緩急の描き方がすごく上手いです。
ハードな部分の描写は時々「この作者ってホントに女の人?」って思ったくらい。
でも、こういう話にしては女性が沢山出てくるし、それぞれ個性的で、その描き方もすごく上手いところはさすが女性作家と言う感じがしますね。
特に保険医の認可を剥奪された中年の女医・奈美先生がカッコいいです。
(ちょっとハードすぎる性格ですが…^^;)

ここまではっきりしたキャラが沢山出てくるんだから絶対シリーズ化されてるはず、と思ったらやっぱり2000年に第二弾が発表されているみたいですね。
大体2年で文庫化らしいのでこれも今年あたり文庫になるのかな。
今から楽しみです。

谷口雅男『ふるほん文庫やさんの奇蹟』

  • 2002/01/03(木) 19:38:01

ふるほん文庫やさんの奇跡
谷口 雅男
谷口雅男『ふるほん文庫やさんの奇蹟』著者の谷口氏は文庫専門の古書店「ふるほん文庫やさん」の代表取締役会長であり、NPO組織「としょかん文庫やさん」理事長でもあります。
この本にはその谷口氏がいかにして「ふるほん文庫やさん」を作ったか、が書かれています。

全504ページという厚さの本の中に、著者の「ふるほん文庫やさん」に掛ける情熱や意気込みが「これでもか~っ!」と詰まっています。
何か新しいこと(もの)を始める、そして極めるにはここまで「自分」と言うか「私(わたくし)」を無くさなきゃダメなんでしょうかね。
私なんかは生来グータラな性分なもので、こういう人って「すごいなぁ」と思う反面、ちょっと引きますね^^;
谷口氏はこのお店のために365日休みなし、12時間以上働いて、その上報酬を得ていないらしいです。
そんなことは普通の覚悟じゃできない事だと思うし頭が下がる事ではあるけど、こんな風に書かれてしまうと「別に勝手にやってるだけでしょう?」とか思ってしまう心の狭いワタシ…^^;
でも、普通以上の何かをやる時ってそれなりの報酬を得ていてくれた方が周りとしては安心するって気がするのですが。
やる事も人並み以上、それなのにそれを無償でやられてしまうっていうのは結構一般人の理解の範疇を越えてしまうって気がするんですよね。
まあ、それは他人も自分と同じ土俵に引きずり降ろしてしまおう、と言う卑近な考え方でしかないわけですが。

でも、現実問題として、私みたいに東京に住んでいてそんなに読む本に執着しない本読みにとっては文庫は確かに無くてはならないものだけど、それは「読みたいときにすぐ買える」っていう意味合いなんですよね。
わざわざ遠くの本屋さんに頼んで探して貰って、何ヶ月も掛けて取り寄せて…それで確実に読むかっていうとそれもどうか判らないわけで。
どんなに読む本が溜まっていたとしても、絶対本屋さんに行ってしまうし、そこで欲しい本を見つけたら買ってしまうものねえ。
古本好きな人は違うのかしら?

それから、この本からは著者の「ふるほん文庫やさん」にかける情熱は伝わってくるし、本を大切に思っていると言うことも判るんだけど、この人にとって本の中にある「物語」は何なのかって言うのがよく判らなかったんですよね。
そこが理解出来なかった事が、私が著者を理解できなかった一番の理由かも。
今後「読書論」のような本も出す可能性があると言うことなので、それを読めばもうちょっと理解できるかな。

この本の収益は全て「としょかん文庫やさん」の資金として寄付されるらしいです。
活動に賛同される方はお買いあげ下さい。

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