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◆Date:2001年10月
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川上広美『神様』

  • 2001/10/28(日) 12:12:47

神様
川上 弘美
解説(佐野洋子氏)を読んだら

『「神様」の一行目を読んで「あ、これは夢だ」と思った。』

と言う文章があって「あ、なるほど。夢という解釈があったか」と目から鱗な私でした(笑)
確かに普通に同じアパートに引っ越してきたくまと一緒にピクニックに行ったり、壺をこすったら可愛い女の子が出てきて家事をやってくれる、なんて夢以外の何なのよって感じですね。
でも読んでるときは全然「夢」って言葉は出てこなかったんですよね。

それは私があまり幻想的な夢を見ないからかも。
私の夢はもちろん夢だって判るけど、幻想よりは現実に近いです。
だからこんな風に不思議で、ちょっと哀しくて、暖かくて、懐かしい事が夢だという風には頭が動かなかったんでしょうね。
それはいいことなのか悪いことなのか…。
でも、自分がこんな夢を見る人だったら私は現実では生きていけないかも知れないな。

梨畑に発生する、言葉をしゃべる不思議な虫と一緒に一夏を暮らす「夏休み」が好きです。
誰かの声を聞きたくて、話をしたくて、でも相手が人間だはちょっとツライって言うときにこんな虫がいたらちょっといいかも。

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明石散人『視えずの魚』

  • 2001/10/28(日) 12:10:07

視えずの魚
明石 散人
結局、何が言いたかったんだ?
意味不明な話でした。

内容は東洲斎写楽のオリジナルの版木と幻の肉筆画を巡る歴史ミステリー、プラス探偵役の明石散人をめぐる愛憎劇って感じだったんですが…。

とにかく、蘊蓄ばっかりなんですよね。
男も女も出てくる度に喋る喋る。
まあ、喋らなかったら話が進まないのはあるのでしょうが、普通だったら地の文で書くような状況説明まで喋るんで、セリフが膨大な量です。
これを読んで「私はおしゃべりな男は嫌いだ」と言うことを再認識しましたね(笑)
喋らない男も困りますが、お喋りな男よりはまだましでしょう。
確かに博識なのかも知れないし、頭がいいのかも知れないけど、それをあんなにダラダラと披露してどうするつもりなんでしょう。
それもまた文章がまどろっこしいんですよ^^;
もっと簡潔に喋れ!って本に向かって何度叫んだことか…(笑)
知識とか、考え方は面白いのかも知れないけど、小説としてはダメダメですね。
もうちょっと主題を絞って下さい、と言いたいです。

それにラストが唐突過ぎ。
写楽の謎がどうなるとも流動的な段階で、なんと探偵役の明石が殺されてそのまま終わってしまうんですよ。
こんなのありなんでしょうか?
何となく、著者がこれ以上書くことに興味を失ってしまったので無理矢理終わらせたって印象を持ったのですが、違うかしら。

人間関係も、何かありそうで実は何もないって感じです。
確かに近親相姦とかドロドロしたものはあるんだけど、それも「個人の問題」としか思えないくらいの描写で「だから何?」って感じですね。

何だか無闇に登場人物が多い話でしたが誰一人にも感情移入が出来ない、つまらない小説でした。
(だったら読むなよ?^^;)

呉智英『ロゴスの名はロゴス』

  • 2001/10/28(日) 12:06:57

ロゴスの名はロゴス
呉 智英
裏表紙に「言葉に関する無知は論理に関する無知だ。さあ、みんなで笑おうではないか!」なんて紹介文が載っていたのでもっと軽い感じのエッセイかと思っていたら、かなり論理的な反論ばかりで真面目な内容でした。

まあ、タイトルからして「言葉(ロゴス)の名は論理(ロゴス)」となっているんだから当然なのでしょうが。
でもここまで真面目にやられちゃうと笑っているわけには行きませんね。
私だってどこで何をやらかしているか判らない訳だから…。
実際「え?そうだったの?」って驚くことも多かったです。
「人の振りみて我が振り直せ」な一冊でした。

私が一番印象に残ったのは「ラ抜き言葉」に触れた部分。
著者は「られる」の用法には「受動」と「可能」の2つがあってそのうちの可能の方が『ラ抜き言葉』となったので伝統には反するけれども、そこにはそれなりの理由がある、とした上で

『しかし、ラ抜き言葉はまだ美しくは響かない。軽薄で品が無く聞こえる。歴史が浅いからだ。美しさには熟成が必要である。そこで言葉に美しさをも求める人は伝統的な「食べられる」を使い、言葉は意味さえ通じればいいやと言う人は「食べれる」を使う。こうしてこの2つは両方とも通用している。2つを分かつ基準は美なのだ。』

と書いています。

私自身はあまり言葉を論理的に捉えられているとは思わないのですが、確かに声に出してみて美しく聞こえない言葉は使い方を間違っている事が多い気がします。
今から論理を勉強し直すのも難しいと思うので、少なくともその辺の感覚だけは研いで置きたいな~と思うのですが…それはこの本の主題と逆行してるかな?^^;

近藤史恵『アンハッピードッグズ』

  • 2001/10/27(土) 12:02:06

アンハッピードッグズ
近藤 史恵
最近、近藤史恵作品を立て続けに読んでいます。
たまたま同じ時期に文庫化されているからだと思うのですが、やっぱり読んで面白かったから目に付くようになっていると言うのもあるんでしょうね。

この作品はパリを舞台にしたラブストーリーです。
今までは舞台が現代でも梨園の内幕物や、時代物しか読んだ事がなかったのでこの設定はちょっと意外でした。
でも上手かったです。
舞台の「パリ」と言う街を上手く使って書いてある作品だなあと思いました。
あの舞台だからこそあんな現実離れしたような関係もすんなり夢の中のように、醜くなく描くことが出来たのではないかな?と思います。



パリの下町で小さい頃からの腐れ縁のガクと同居生活を送るマオ。
3年前に急に単身パリに渡ったガクから「犬を飼ったので面倒を見に来い」と呼び寄せられたのだ。
それまでにも何度も付き合ったり、別れたりを繰り返し、悲しい想い、苦しい想いを積み重ねてきたけれどいつでもお互いを頼りにしてしまうガクとマオの関係。
パリでの生活が3ヶ月目になったある日、ガクはいきなり見知らぬ日本人のカップルを伴って帰ってくる。
彼らは新婚旅行で訪れたパリの空港でパスポートと財布の入ったバッグを盗まれて途方に暮れていたところをガクに助けられたのだった。
それからガクとマオ、そして新婚夫婦の短い共同生活が始まる。
それは4人それぞれに微妙な変化を与えて行くのだった。

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花村萬月『紫苑』

  • 2001/10/26(金) 11:57:36

紫苑
花村 萬月
実の親を知らないまま戒律の厳しい修道院で育った美少女・紫苑はキリストの教えと共にある特殊な能力もそこで身につけていた。
それは優秀な「暗殺者」としての能力だった。
20歳を過ぎたある日、紫苑は急にそれまで育った修道院から出て都内のマンションで一人暮らしをする許可を与えられる。
自分が望んで得た環境ではなかったが紫苑は徐々にその環境に馴染み始める。
そしてそれまではただ育ての親であるリッチェリ神父に言われるがまま自分の役目をこなしてきた紫苑は、自分で考え、迷い、悩む事を覚えていく。
そして紫苑の命を何者かが執拗に狙い始める。
その相手と闘いながら、紫苑は初めて見つけた愛する男へと気持ちを傾けていく。
生まれて初めて自分の意志で手に入れた「愛」を大切に育む紫苑。
しかし、その紫苑を待ち受けていた結末は…。



いや~、久々にお昼休みまで貪るように読んでしまいました。
それもMDを聞きながら。
この場合は音楽を「聞く」事よりも、周りの会話を「聞かない」事がその目的であるわけですが。
そのくらい集中して「先が読みたいっ!」と思った話でした。

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中島らも『寝ずの番』

  • 2001/10/20(土) 11:53:37

寝ずの番
中島 らも
すごく下らないけど、すごく面白かったです(笑)

いいですね~、この力の抜け方。
殆どが酒を飲んでの下ネタ&ダジャレという、つまらなかったら腹が立つような内容です。
だからこれを普通に読んで面白く書けるって言うのはすごい事なのかもなあ。

表題作の「寝ずの番」は咄家の師匠の葬儀に集まった弟子たちが、お灯明の寝ずの番をしながらその師匠の生前の思い出話(殆ど下ネタ(笑))を延々とすると言う内容。
更に「寝ずの番Ⅱ」で一番の兄弟子、「寝ずの番Ⅲ」では師匠の奥さんと次々とを殺して(笑)思い出話は続いて行きます。
これがかなりいいです。
下らないけど、そして下ネタだけど下卑てはいない所、そして最後ちゃんとオチが付いている辺りがさすがです。

その他、短編が6編収録されています。

加納朋子『月曜日の水玉模様』

  • 2001/10/20(土) 11:50:52

月曜日の水玉模様
加納 朋子
ごめんなさい(って誰に謝ってるんだ^^;)、イマイチでした。

丸の内の小さな会社で事務をやっているOLの陶子さんが探偵役のミステリー。
雰囲気も謎の種類もいつもの加納作品なんですけどね…何でだかノリきれませんでした。

う~ん…どうもね、陶子さんの性格と言うか立場と言うか…そう言うのに感情移入出来なかったんですよね。
言ってることは理解出来るんだけど…「そうそう、そうだよね!」って気にはなれなくて。
そのせいかメインのトリックとかストーリー以外の何かがいつも気持ちのどこかに引っかかってしまって楽しんで読めませんでした。

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近藤史恵『巴之丞鹿の子―猿若町捕物帳』

  • 2001/10/14(日) 11:47:20

巴之丞鹿の子―猿若町捕物帳
近藤 史恵
江戸の町で若い女が続けて殺される事件が起きる。
その女たちは皆、今 話題の人気女形水木巴之丞の名前の付いた帯揚げ「巴之丞鹿の子」を身につけていた。
南町奉行所の同心・玉島千蔭(ちかげ)はこの事件を解決するために、苦手な芝居小屋や吉原に出入りするようになる。
そこで知り合った巴之丞や、彼に瓜二つの遊女・梅が枝に何故か気に入られ共に事件を解決していく。



あれれれ。
近藤史恵ってこんなに上手かったっけ?と驚く出来です。
(失礼ですね~^^;)

魅力はまずキャラクターですね。
「酒、遊女、祭り」が嫌いだと言う堅物の千蔭を始め巴之丞、梅が枝そして事件の鍵となるお袖とお袖に引かれていく小吉。
それに事件には直接関わらないものの千蔭の父親の千次郎の存在も印象的です。
全部で200ページくらいのそんなに長くない小説にしては多すぎるくらいの登場人物が出てきますが、どの人物もみんな印象がくっきりしている所は見事。
今までの作品でも謎そのものよりもキャラクターの印象が強かった著者の作品ですが、この作品はそれに加えて、物語の語り口に鮮やかさが加わってきたような気がします。
テンポがよくて、場面の切り替えも上手く興味をそらしません。

それに事件には直接関係のないエピソード(お袖と小吉の関係や、千次郎が20年以上かけて探している「春笑」と言う人物についてなど)の入れ方も効果的でした。

この作品はシリーズ化されるようなので、今後も楽しみです。

瀬戸内寂聴『いよよ華やぐ(上・下)』

  • 2001/10/08(月) 11:37:43


いよよ華やぐ〈上〉
瀬戸内 寂聴

by G-Tools
いよよ華やぐ〈下〉
瀬戸内 寂聴

by G-Tools
これも面白かった~(^^)
上下巻計700ページ、殆ど一気読みでした。


主人公は明治生まれで俳人として認められ、また銀座で小料理屋の女将もつとめる阿紗女(あさじょ)91歳。
その友人で きもの研究家のゆき84歳、スナックのママ・珠子72歳、そして阿紗女の一人娘で高級で個性的な食器の店を経営する薫64歳。
彼女たちはいずれも夫に生き別れ、死に別れして現在は女の才覚一つで経営者・事業者として生活しています。
その人生の中で巡り会った男たちとの愛の記憶や、それによってもたらされた苦しみ、周囲との葛藤、そして長く生きたために立ち会わなければならない多くの人の死への想いが阿砂女の人生を中心に描かれています。


主要登場人物の平均年齢77歳と言う小説は初めて読みました(笑)
みんな私にとっては母親か祖母の年代と言った所。
でも、全然負けてますね、私^^;
この女性たちのなんと生き生きと人生を楽しんでいることか!
かっこいいです、みんな。

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近藤史恵『散りしかたみに』

  • 2001/10/07(日) 11:28:27

散りしかたみに
近藤 史恵
歌舞伎の舞台で「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」を演じている最中、全く関係のない場面で桜の花びらが一枚だけ散る、という謎から物語が始まる。
自分が主役を務める舞台に誰とも判らない者の意志が入り込むことをそのままにしておけない歌舞伎役者・瀬川菊花は、弟子の小菊にその謎を解明するよう命じる。
小菊は大学時代の友人で探偵事務所を開いている今泉にこの調査の協力を求める。
最初は了承し一緒に歌舞伎座へ向かった今泉だが、その楽屋で一人のある女性を見かけたことから急に「この仕事は引き受けられない。お前たちも調べるのを止めろ」と言い出す。
理由を聞いても答えない今泉に業を煮やした小菊は自分の力で謎を解明しようと調べ始めるが、それが新たな悲劇を産んでいく…。



面白かった!
読み始めたら止まらなくなって、久しぶりの一気読みでした。

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桐野夏生『ジオラマ』

  • 2001/10/06(土) 11:23:10

ジオラマ
桐野 夏生
この著者(桐野夏生)の写真って割とあちこちの雑誌でよく見かけるけど、いつも「性格キツそうだなあ^^;」と思わせる写真が多い。
そうでもなければ作家、それもベストセラー作家なんかはやっていられないのかも知れないけど。

そんな著者のキツい性格を反映している短編集です(笑)

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『新世紀「謎」倶楽部』

  • 2001/10/04(木) 00:15:25

新世紀「謎(ミステリー)」倶楽部
新世紀「謎(ミステリー)」倶楽部
「新世紀『謎』倶楽部」(「しんせいき『ミステリー』くらぶ」と読みます)は本のタイトルであると同時に、この本を執筆した作家の集団(解説によると『芦辺拓と二階堂黎人を中心に、本格的ミステリー界の騎手たちがその技術と奇想と世界観を競い合う、作家集団』とのこと)の名前でもあるようです。

その作家集団が書いた短編のアンソロジーです。

面白かったです(^^)
普通短編のアンソロジーって言うと一つのテーマで作品を書く(または集める)事が多いけど、これは全く逆の発想なんですよね。
つまりそれぞれ全く別のテーマで書いた短編を集めているわけです。
「殺人鬼」、「アリバイ」、「名探偵登場」、「不可能状況」、「怪盗登場」…などなど。
なので色々な種類の話が一気に沢山読めてお買い得感満点でした(^^)
最近読んだアンソロジーの中では一番の出来。

特に二階堂黎人氏が「誘拐」をテーマに書いた「縞模様の宅配便」はかなり面白いです!
こんな探偵いていいのか?って感じ(笑)
トリック的には以前にどこかで読んだような?な感じですが、キャラクター設定はダントツです。

それから作品の前に入っている芦辺氏と二階堂氏の作品についての解説(対談形式)も、この後に来る物語への興味を盛り上げてくれてます。
新しい方式ですね(笑)

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