ページ内記事タイトル一覧

◆Date:2001年08月
ALL

フリーエリア

テスト中。ここはフリーエリアです。

スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

上遠野浩平『わたしは虚夢を月に聴く』

  • 2001/08/31(金) 21:49:25

わたしは虚夢を月に聴く
上遠野 浩平
感想を書くのが難しい。
感想を書こうと思って印象を掴もうと思うと、スルッと逃げられてしまう。
大体、あらすじさえもちゃんと説明出来ないし^^;
いや、面白く読んだんだけどね。

以前読んだ「ぼくらは虚空に夜を視る」の続編…になるのかな?
とにかく同じ世界の話。
但し、「ぼくらは~」で主役だった工藤少年は出てこなくて、彼のクラスメイト(だったかな?)の醒ヶ井弥生と言う女子高生が主役。
主役…って言うよりも狂言回しっていう感じの役割かな?
彼女が「顔も声も姿も、名前さえも思い出せないけど、確かに以前自分の傍にいた、でもいつの間にかいなくなった少女」を探す事から物語が始まる。
彼女が属している世界は実は月で冷凍保存されている人類が見ている夢の世界。
そして彼女が探しているのは、完全に設定されているその夢の世界に生じた失策(バグ)だった…。

「ぼくらは~」よりは冒頭部分は緩やかに始まるけど、その後は相変わらずすごく目まぐるしい。
色んな世界がビュンビュン窓の外を過ぎていくし、時制や場所や空間があちこちに飛ぶので本当に目が回りそう^^;
それなのにちゃんと「面白い」って思えているんだよね。
でも、そう思っているのに「どうだった?」って聞かれても具体的な印象は語れない…。
まさにジェットコースターのような作品でありました(笑)

月の世界を一人でエネルギーが続く限り歩き回って地図を作っているウサギ型ロボットの「シーマス」がとてもいとおしかった。

『苦しいなら苦しくないようにしようとする、つまらないなら面白いことを見つける、生きるってことはそれだけのことじゃないのかな。そんなに難しいとも思えないけど?』

スポンサーサイト

清水義範『ザ・対決』

  • 2001/08/29(水) 21:45:37

ザ・対決
清水 義範
「ソクラテス VS 釈迦」「シェイクスピア VS 近松門左衛門」「ロビンソン・クルーソー VS ガリヴァー」「コーヒー VS 茶」など『なんとなく似てるけど違っているもの』を2つ素材にして書いた短編が10入っています。(最後のみ三つ巴)
それぞれ一作ずつ対決の方法は違っています。
例えば「ソクラテス VS 釈迦」は、それぞれ別々にその教えとか人となりを描写した後、未来の日本のTV局が開発した『タイム・アクセス・マシン』を使って二人が対談する企画を立てる。
「桃太郎 VS 金太郎」はどちらが強いかトライアスロンで勝負する。
「楊貴妃 VS クレオパトラ」はそれぞれ中学生の美少女に置き換えて、それに翻弄される中学教師の悲哀を描く…などなど。
このバラエティの豊かさが著者の強みですね。
それぞれの人物やモノに関する記述も詳しく書かれていて、笑えるだけでなく思いがけずためになる一冊です。

私は「空海 VS 最澄」が好きでした。
ちょっと真面目な話です。

乃南アサ『夜離れ』

  • 2001/08/27(月) 21:42:49

夜離(よが)れ
乃南 アサ
ちょっと前から本屋に行くたびにその真っ赤な表紙は目に付いていたんだけど、「夜離れ(よがれ)」というどう考えても穏便な話ではなさそうなタイトルを見て手を出さないでいた一冊。
なのに何故かつい買ってしまって、読んだらやっぱりいや~な気持ちになってしまった。
読まなきゃ良かった…(T-T)

とにかく自分が一番大事で、そのためには他人の気持ちなんかどうでもいい。
「私を見て。私を選んで。私を幸せにして。私にはその権利がある」
「どうして私がこんな目にあわなきゃいけないの?私が不幸なのはあなたが○○だからだわ」
とこんな感情ばっかりがドロドロと吹き出してくる短編が6つ入っている。

解説でエッセイストの酒井順子氏は「自分の中にも彼女たちと同じ様な感情があるけど、それを現実には外に出せないからこれを読むと恐いながらも気持ちがいい」と書いている。
解説だから仕方ないのかも知れないけど、「本当にそう思ってる?」って訊きたくなってしまった。
私にも確かにドロドロしたものはあるけど、それをわざわざ「こんな形をしているんだよ」って確認したいとは思わないけどな。
単に臆病なだけかも知れないけど。

それともこれを読んで「私はまだ大丈夫」って安心するためのものなのかな。

いずれにしてもかなり気持ち悪い。
普通の女の子をここまで気持ち悪く書けるのって、ある意味すごいかも。

特に「青い夜の底で」は殆どホラーです(T-T)

有栖川有栖『ジュリエットの悲鳴』

  • 2001/08/25(土) 21:40:13

ジュリエットの悲鳴
有栖川 有栖
著者の短編のうち、単行本未収録でシリーズ物のキャラクターが出てこない12編を集めた作品集。

笑えるのから本格ミステリー、悲劇的なのまで色んなテイストの作品が入ってます。
その分散漫な印象になっていますが、電車の中なんかで軽く読むには丁度いいと思います。
私は「登竜門が多すぎる」が一番好きでした。
下らないけど笑えます(笑)

吉田公一『文書鑑定人事件ファイル』

  • 2001/08/25(土) 21:37:10

文書鑑定人事件ファイル
吉田 公一
面白かったです(^^)

文書鑑定の第一人者である著者が過去に担当した事例や、文献などを元に「文書鑑定」について解説した本です。

文書鑑定というと「筆跡鑑定」を思い浮かべてしまいますが、それ以外にも「印章鑑定」「印字鑑定」「印刷物鑑定」「複製文書鑑定」「不明文字鑑定」…など色々な種類があったり、筆跡鑑定にしても同じ文字を含んでいなければ鑑定出来ないと言う事実や、コンピューターでパパッと調べられるのかと思いきや一つ一つの可能性を地道に潰していくのが一番確実な方法であるとか…。
鑑定の仕事の他にも、例えばプロの判屋さんはお客からの注文でも全く同じ印章は2つ作らないとか、過去の偽金造りの資金と実際に使った額を比較して「どれだけ儲からないか」を実証したりといった興味深い裏話も満載です。

文章を書くのが本業の方ではないのですが、長年培ってきた知識を分かり易く伝えたいと言う気持ちと、丁寧な文章でとても読みやすい内容です。

宮部みゆき『R.P.G』

  • 2001/08/24(金) 21:32:45

R.P.G.
宮部 みゆき
小説と言うより舞台の脚本のような造りの物語でした。
最初に事件の状況説明はあるものの(ここがちょっと判りにくかった)、その後はずっと同じ場での描写が続くのです。
「これだったら舞台でも出来そうだな~」と思いながら読んでいました。

セットは取調室とその隣の小さな部屋に区切られているシンプルな造りで、客席からはどちらも同時に見られるようになっている。
メールとか書き込みの部分(この物語は「インターネット上での疑似家族」が重要なキーワードになっています)は、暗転の舞台にスライドで写してその後また芝居が続いていく…。
そんな感じ。
劇場は紀伊国屋ホールくらいの大きさがいいかな、なんて(笑)

続きを読む

芦原すなお『ミミズクとオリーブ』

  • 2001/08/18(土) 12:46:01

ミミズクとオリーブ
芦原 すなお
探偵役が現場を見ずに、状況説明だけで謎を解くいわゆる「安楽椅子探偵」モノです。

登場人物は売れない作家のご主人と料理上手な作家の奥さん、そしてご主人の同級生の警部さん。
この警部さんが持ってくる「困った相談」を解決する探偵が滅多に外出することもない奥さん、ご主人は友達の話に茶々を入れては奥さんにたしなめられつつ、事件解決に必要なヒントを奥さんの変わりに現場に出掛けては拾って帰って来る助手役です。

この3人の役割のバランスがいいですね。
私としてはご主人が警部さんの話を邪魔するのがちょっと鬱陶しいなと思うときがあるし、これだけこまめに茶々入れるようなタイプの人がその他のことにこんなにボンヤリしてるってのは納得できないと言う気もするのですが…(笑)

風邪を引いて寝込んだ奥さんをご主人が慣れない手つきで看病をして、その間に二人の出会いの頃を回想する「梅見月」が良かったです。
でも、これもちょっと偶然が過ぎるんじゃないの?と言う気がしますけど…^^;

表紙の絵がこの作品にピッタリでいい感じです。

ひろ さちや『日常語からわかる仏教入門』

  • 2001/08/15(水) 12:42:59

日常語からわかる仏教入門
ひろ さちや
特に「仏教」云々ていう事じゃなくて、単純に「言葉の由来」みたいな感じで読んだんですが思いがけず面白かったです。

著者の「まえがき」に『仏教は日本文化そのものになっています。仏教の言葉が日本語そのものになっています』とありますが、読んでみてかなり納得しました。

「慈悲」や「布施」、「業」など字を見ればなんとなく仏教の方からの流れだな、と判るものもありますが、「あみだくじ」「(なわばりと言う意味の)島」「ずだ袋」「(地名の)日光」なども、本来の意味は仏教に由来するとの事。
目から鱗でした。
そんな意味を考えるまでもなく日本語の中に溶け込んでいる、と言うことは仏教がそれだけ日常的に受け入れられていた(いる?)と言う事なんでしょうね。

言葉の説明と同時にそれに関する仏教的な事柄の説明や解説もされていますが、平易な文章で書いてあり分かり易い上に、決してお説教臭くなく好感が持てます。
宗教とか難しく考えず「雑学」として捉えれば、なかなか楽しめる一冊だと思います。

カズオ・イシグロ『日の名残り』

  • 2001/08/12(日) 12:38:07

日の名残り
カズオ イシグロ Kazuo Ishiguro 土屋 政雄
日本語以外の言語で書かれた作品を読むのは難しいです。
理由は2つあります。

まず、それが翻訳されていると言うこと。
それ自体がどんなにいい作品でも「翻訳されている」と言う時点で、その作品が本来意図していなかったであろうフィルターがかかってしまっているからです。
今まで読んで途中で放り出してしまった翻訳物の中にも、日本語で書かれていたら、または自分に原語で読む能力があればもっと楽しめた作品がきっとあるに違いないと思うのです。
そういう作品に出会うにつけ「せめて英語くらいは原語で読めるくらい勉強しておけば良かった」と思います。
(でも実際に「じゃあ、今からやろう!」とはなかなか思えない所が情けないですね^^;)

そしてもう一つは、そこに書かれている国の歴史や習慣などのバックボーンを理解していないと、その作品の真意を読み切れない作品もあると言うことです。
じゃあ日本の歴史や習慣はちゃんと判っているのか、と言われると困るのですが、そこはやはり産まれ育った国なので頭で判らなくても、心理的に、つまり「肌で感じる」事が出来ているんじゃないかと思います。
でも他の国だとそういう事が出来ない、だからこそそれを補うためにそこに書かれている事への知識が必要になると思うのです。
そして、それが絶対的に足りないといくら作品が優れていて、その上翻訳がしっかりした物であるという幸運に恵まれていてもその作品が本当の面白さ、価値は私に届くことはないのだと思うと本当に哀しくなります。

この「日の名残り」もそうした作品でした。

続きを読む

立花隆『証言・臨死体験』

  • 2001/08/08(水) 12:37:09

証言・臨死体験
立花 隆
立花隆氏が実際に臨死体験をした人にインタビューしたものをまとめた本です。
著名人(作家、俳優など)から一般人まで23人がインタビューに答えています。
(これはインタビューの全てではなく、多くの事例の中から色々なレベルの物を集めた、との事)

人によってそのディテールは様々ですが、全体的に見て臨死体験を否定的に語る人がいない、と言うことがまず印象に残ります。
殆ど全ての人が(その経験を経た現在)「死ぬのは恐くない」と答えているんですよね。
中には「元々恐くなかった」と言う人もいるので、全てマイナスからプラスに変わったと言うことではないのですが、少なくともプラスからマイナスに変わった人はいないようです。
殆ど全員が異口同音に「こうやって死ねるなら死ぬのは恐くない」と答えているのです。
むしろ「早くあの世界に行きたい」と語る人もいるくらいです。
実際に経験したことがないので私にはよく判らないのですが、その瞬間に「恐くない」と思って死んでいけるのだとしたらちょっとは気が楽かな、と思いました。

また殆ど全ての事例に「川」が出てきます。
これは「三途の川」からの連想なのかな?と思うのですが、となるとそう言う概念がない人(他の宗教の人、「三途の川」を知らない人など)はどうなるのかな?と言うのが気になる所です。

そして、これもみんなが口を揃えるのは「物に執着しなくなった」と言う事。
やっぱり「悟り」ってのはこういう経験を経ないとダメって事なんでしょうかね…?

映画監督の羽仁進氏が臨死体験のビジョンについて語った『それは生に与えられた最後の贅沢な贈り物なんじゃないか』という言葉が印象的でした。

立花氏のインタビューについては、相手の発言に対して「いい」とも「悪い」とも判断しない、何かを誘導するような質問をしないと言う所がいいな、と思って読みました。
構成もとても読みやすく出来ています。

吉本ばなな『ハードボイルド/ハードラック』

  • 2001/08/07(火) 12:34:05

ハードボイルド/ハードラック
吉本 ばなな
吉本ばなな氏の作品にはいつでも「死」が身近にあります。
この「ハードボイルド/ハードラック」も一人の女性を通して彼女と近しいもう一人の女性の死と向き合う物語です。
「ハードボイルド」はもう既に死んでしまった彼女の女友達(恋人でもあった)の、そして「ハードラック」はもうすぐ死んでいこうとしている彼女の姉の。
(この2つの作品はそれぞれ独立しています。「彼女」は同一人物ではありません)

それぞれ全く違った状況で、全く違った人間関係を書いているのにそこに流れているのはどちらも穏やかな癒しと諦めのような空気です。
濃密で底の方に何か微かな芳香が流れているような、そんな空気。

「ハードボイルド」の方は、真っ暗な舞台の上、そこだけがぼんやりと明るくなった場所にある椅子に座った主人公が私に向かって語りかけてくるイメージが読んでいる間中、ずっと付きまとってきました。
怖いっていうんじゃないけど、「なんか独特だなぁ、この感じ」と思いながら読みました。

そして「ハードラック」の方は「すごく哀しい」って書き方はしていない、むしろそんな事はもう突き抜けてしまった穏やかさが書かれているのに、私は読みながらずっと泣いていました。
それも私自身「哀しい」と思っているための涙ではなく、ただ涙だけが目から溢れては流れ落ちていく、そんな感じでした。

夜の中で読むとその世界に近づき過ぎてしまうのかも知れませんね。
昼下がりくらいに読むのが丁度いいかな。

J・バーロウ&C・モーレル『苦情という名の贈り物』

  • 2001/08/06(月) 12:30:05

苦情という名の贈り物―顧客の声をビジネスチャンスに変える
ジャネル バーロウ クラウス モレール Janelle Barlow Claus Moller
や、やっと読み終わった~(T-T)

タイトルからも判るとおりビジネス書です。
本当はこういうの読むの嫌いなんだけど、この間の研修で社長がオススメしていたのでどんなもんかな~、と思って読んでみました。
(あ、自分で買ったんじゃありません。課長以上に配られていたのを借りました。念のため)
で、初めは感想もここに書くつもりはなかったのですが、読むのに半月もかかったのでくやしいので書きます(笑)

内容は、良くも悪くもタイトル通りです^^;
つまり「苦情は悪いことだと敬遠する企業が多いが、実はそれは企業を良い方向に導いてくれるものである。贈り物を貰ったら「嬉しい。ありがとう」と言うのと同じように苦情も感謝と共に受け取るべきである」と言う本ですね。
本と各章のタイトルだけ読めば大体の内容は判ります。
そう言う意味では正しいビジネス書と言えるでしょう。

ただ!問題はその訳文です。
この本、タイトルを読めば判るのに、本文を読むと判らなくなるという本でした^^;

続きを読む

梨木香歩『西の魔女が死んだ』

  • 2001/08/01(水) 12:26:07

西の魔女が死んだ
梨木 香歩
あるきっかけで学校に行くことが出来なくなった中学生の「まい」は、大好きなおばあちゃん(ママのママでイギリス人)としばらく一緒に暮らす事になる。
そしてそこで「昔、魔女の教育を受けたことがある」と言うおばあちゃんに教えられて、魔女の修行して少しづつ強くなっていく。
そしてパパとママとの新しい生活に戻ることを自分で決めた「まい」は、おばあちゃんとある約束をして別れる。
3年後、おばあちゃんの突然の死に「まい」は久しぶりにおばあちゃんの家を訪れる。
そこで「まい」はおばあちゃんが自分との約束を忘れていなかった事を知る…。

「裏庭」のようなファンタジー色は少なくて、現実的、だけどやっぱりどこか霧の中にいるような、夢のお話のような輪郭がぼんやりしたイメージのお話でした。

続きを読む

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。