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◆Date:2001年05月
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アゴタ・クリストフ『悪童日記』

  • 2001/05/30(水) 22:28:19

悪童日記
アゴタ クリストフ Agota Kristof 堀 茂樹
ふ~ん、こんなお話だったんだ。

おかれている状況は(一般的に言えば)「不幸」だったり「悲惨」だったりするのかも知れないけど、この双子にはそんな影はみじんもないんだね。
むしろ楽しそうに、嬉しそうに見える。
それはやっぱり二人でいたからじゃないかなと思う。
だから最後で2人が別々の場所に行こうとするのは一番哀しいシーンかも。

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夏樹静子『茉莉子』

  • 2001/05/28(月) 22:26:03

茉莉子
夏樹 静子
全体的な話は面白かった。
でも、何か腑に落ちない点が…。

映画やTVみたいなヴィジュアルな媒体だったら、年代の違いとかって詳しい説明がなくてもファッションとか景色とかで漠然とそれを知ることが出来るけど小説みたいな文章でしか情景を理解できない媒体では意識して書かない限り年代の微妙な違いって読者には判らないと思うんですよね。
この小説は最初2人の女性の物語が交互に進んでいくんだけどその年代表記がないので、私はしばらくこの2人は同年代の女性なのかと思っていたのでした。
この本はこの2人がどういう関係なのか?と言うのを核に書かれているので私も読みながらあれこれ考えていたんだけど、その時に同年代なのとそうでないのは全然違いますよね。
読み進むうちに実はこの2人は母子だった、って事が判るんだけど、それが判ったとき何となく「誤魔化されてた」って気持ちになってしまったのでした。

確かに最初からはっきり書いてしまうとある程度筋書きが読めてしまうのかも知れないけど、何となくああいう書き方って納得行かない。

物語自体は面白く読めただけにそれが残念です。

でもね、登場人物がみんないい人ばっかりでちょっと説得力に欠ける気もするな…。

佐藤正午『Y』

  • 2001/05/27(日) 22:22:38

Y
佐藤 正午
タイムスリップ物です。

ある列車事故で負傷し、それが元で自殺してしまう一人の女性。
彼女を救えなかった事を自分の責任だと自分を責めながら生きてきた北川。
事故から18年が経ったある日、北川は自分の時間が逆に進んでいるのに気が付く。
最初は5秒ほどだったその時間は、日が経つに連れ少しずつ長くなっていく。
そして丁度18年前に事故の起こったその日親友である秋間を立会人として、北川は飛んだ。
自分の後悔を取り戻すために。



物語はこの「第二の世界」の北川が書いた小説を秋間が読む、と言う形で進んでいきます。
「第二の世界」で北川と秋間は親友ではない(単なる高校での同級生)ため、「何故これが自分に託されたのか」と言う疑問を秋間自身が解いていく過程も同時に描かれて行きます。
そしてそれは彼が自分自身を、家族を、愛する人をもう一度見つめ直すきっかけとなって行きます。

この物語はSFであって、そして恋愛小説でもあります。
北川、秋間、北川が助けに行く女性・弓子、「第一の世界」で北川の妻であった真紀、そしてたまたま同じ列車に乗り合わせた少女。
この5人が「第一の世界」でも、そして「第二の世界」でも微妙に関係を変えて関わって来ます。
そしていずれの場合にも終わり方がとても切ないです。

残念ながら私は最初の所で北川と秋間を取り違って記憶してしまったために、何だか2人がどっちがどっちか判らなくなってしまうことが多く何度も前をひっくり返しながら読んでいたので今一つ物語に入り込めませんでした(T-T)
これは完全に私の読解力不足ですね~。
でも、すごく綺麗なお話だと思います。

タイムスリップ物として有名な「リプレイ」の話も作中に出てきます。

隆慶一郎『吉原御免状』

  • 2001/05/25(金) 22:20:01

吉原御免状
隆 慶一郎
いや~、何でしょう!この物語は!(笑)
色んな要素がどんどん出てくるので「着地点はどこ?!」とドキドキしながら読みました。
だって全400ページのうち、300ページ過ぎても結局何が中心にあるのか判らないんだから。
(それは私の読解力が足りないから?^^;)
と言ってもつまらないわけでは全然なくて、むしろその判らなさに引っ張られて読み進んでしまう、と言った感じでした。

何て言うのかな、完成したジグソーパズルを見ていたら何となくしっくりこない部分があるんで、そこを「ひょい」っとちょっとだけ違う絵柄のピースを入れてみたら全体が全然違った絵になってしまった…てな感じがずっと頭にありました。
物語を作る力って言うのはそこにどんなピースをはめ込むか想像できる能力なのかも。
そう言う意味においてこの作者はすごい力を持ってるなあ、と感じました。

sereneさんも書いていたあの夢の部分、あれがたった3文字のための伏線だったってのも「なんて贅沢な話なの~っ!」って感じでした。

主人公のキャラが弱いわけじゃないんだけど、周りの人物の印象が非常に強烈なので最後は「誰が主役だっけ?」って感じ。
それでもお互いが喰い合ってない、ちゃんと立っているからこそ物語が成立してるわけですね。
でも、一番印象的なのは「女たち」かも。
みんなカッコいいです。

ところで誠一郎の魅力を作っているのは「氏」なんでしょうか?「育ち」なんでしょうか?
作者はそこをどう考えていたのかなあ?

柳家小さん治『もひとつま・く・ら』

  • 2001/05/21(月) 22:16:27

もひとつま・く・ら
柳家 小三治
以前読んだ「ま・く・ら」の第二弾。
前作同様、噺家・柳家小三治師匠が高座で語った「枕」が21編収められています。

相変わらず軽快な語り口で、「さすが語りのプロ」って感じですね。
結構シビアな事を話しているのに決してそれがイヤな感じじゃないんですよね。
笑わせる事も狙っているんだろうけどそれだけに流されず、笑いは笑い、真面目な話は真面目な話ときちんと切り分けて内容が伝わってきます。
前作は本人の趣味(バイクや英会話など)の話が多かったけど、今回は子どもの教育や人との関わり方など真面目な話が多かったように感じました。
そしてそれはただ話の流れだけで話しているのではなく、子供を持つ親として、一人の人間として「本当に自分はこう思ってこうして行かなきゃいけないと考えているんだよ」というまっすぐな気持ちが伝わってきました。

少々ボリュームがありますが(450ページ)、楽しく読める一冊です。

マイクル・コーディ『イエスの遺伝子(上・下)』

  • 2001/05/19(土) 15:55:45


イエスの遺伝子〈上〉
マイクル コーディ Michael Cordy
内田 昌之

by G-Tools
イエスの遺伝子〈下〉
マイクル コーディ Michael Cordy
内田 昌之

by G-Tools
面白かった!

題材の「キリスト教」「神の存在」「遺伝子操作」等に関しては、あまり知識がないのでそれ自体にコメントは出来ませんが単純にミステリーの一作品として面白く読めました。

主人公である世界的権威の遺伝子学者と、彼を付け狙う暗殺者。
そしてそれを陰で操るキリストの復活を信じる秘密組織。
この三者三つ巴の構図が作品全体に緊張感を与えています。

ラスト近くなると「多分こうなるだろうなあ」と言うのが段々見えてくるのですが、中盤までは落としどころがはっきりしないまま伏線がどんどんでてくるので「何が重要で、何がそうじゃないの?」ってハラハラしながら読み進みました。

伏線や小道具の使い方とか、場面展開が上手いです。
で、舞台装置(?)が派手で映画っぽい(笑)
冒頭、主人公の遺伝子学者が暗殺されかかるシーン(ここで彼の妻が殺されてしまう)がノーベル賞の授賞会場の前っていう設定だったり。

年代設定は2002年から2003年と言うことなので遺伝学の進歩ってのも実状とかなり近いです。(多分)
主役の遺伝子学者は遺伝子配列を全て読み解くことが出来るマシンを開発し(その功績でノーベル賞受賞者となります)更にその遺伝子配列からその人物の身体的特徴を3次元的に視覚化するソフトを完成させています。
この技術が物語の展開に重要な鍵となってくるわけですが、実際にもこういった技術が実用化される日はそう遠くないのでしょうね。

主人公がちょっといい人過ぎるような気がするのですが、ラストでの彼の選択がなかなか含みを持たせる終わり方で(これまた映画っぽいのですが)作品全体が上手く調和してるなぁと感心しました。

暗殺者の人物設定も印象的です。

横溝正史『真珠郎』

  • 2001/05/19(土) 15:50:31

真珠郎
横溝 正史
面白くなかったです…^^;

おどろおどろしいのはいいんだけど、その表現が実像としてイメージしにくいんで印象がすごく平坦な感じになってしまうんですよね。
で、推理という部分に於いても動機とか謎とか謎解きとかが今一つよく判らないし…。
60年以上前に書かれた作品って事が理由なのかなあ?
となると今のベストセラーも60年経ったら「何これ?」な作品になってしまうのでしょうか…?
確かに時代性ってのは重要なファクターではあると思いますが。

しかし「真珠郎」はともかく「薔薇郎」って名前はどうかと思うな(笑)

乙川優三郎『喜知次』

  • 2001/05/11(金) 15:53:40

喜知次
乙川 優三郎
どの時代か、どこの国(藩)の話かはっきり書いてありませんが、(多分)東北地方あたりの小藩を舞台にした時代小説です。

友人の父親が藩の勢力争いに巻き込まれて不審な死をを遂げた事から、主人公・小太郎は藩の執政について疑問を持ち始めます。
そして醜い権力争いの果てに忘れ去られていく農地改革に興味を持ち始め、最後は自分の家の仕事である祐筆の職ではなく農地に直接関わる郡方の仕事を自らの意志で選び取って行きます。

藩の権力争いに巻き込まれていく友人達との関わり合いを縦糸に、六歳の時に養女に来た義理の妹・花哉(かや)との交流を横糸に小太郎が大人になっていく姿が綴られています。

派手な描写は殆どなく、淡々と物語は進んでいきますが、何故かとても引き込まれました。
小太郎と花哉の関係はちょっともどかしい気もしますが、最後にそれを納得させるある秘密が明かされます。

冒頭、もらわれて来たばかりの花哉を連れた小太郎が菊が満開の庭を花びらを摘みながら(菊枕を作るため!)歩くシーンはとても美しいです。
日本人って色んな美しさを持っている(いた?)んだなぁ、と感じます。

ところでタイトルの「喜知次」は小太郎が花哉につけたあだ名でつまりは花哉の事を指している訳ですが、この本来の意味はお魚の「キンキ」の事なんですね。
(目が大きくて、頬が赤い所が似ていた)
私が育った地方では全く使わない言葉だったので(何しろ海もないし(笑))「へぇ~」って思いました。

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