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◆Date:2001年02月
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上遠野浩平『ぼくらは虚空に夜を視る』

  • 2001/02/26(月) 14:10:40

ぼくらは虚空に夜を視る
上遠野 浩平
平凡な高校生だった工藤兵吾は、ある日突然超高速戦闘機『ナイトウォッチ』のコア(パイロット)として、絶対真空で無限に襲ってくる敵『虚空牙』と闘う事を余儀なくされる。
自分が生きていると信じていた現実は実はそのコアが見る「夢(妄想)」であり、宇宙で闘い続けるコアこそが「現実」なのだ。
混乱する彼の意志とは関係なく、敵は次々と彼に襲いかかる…。

強引でいきなりの導入部。
「あれよ、あれよ」と言う間に兵吾は宇宙空間に放り出され、さらに『人類史上有数の戦士』である才能を発揮します。
ただ、それは彼自身が「そう」と自覚しての事ではなく、身体が記憶した本能で動いている結果の事。
地球で平凡な高校生として生きてきた、という記憶も同時に彼の中にあってそのギャップとの葛藤は果てしなく彼の中で繰り返されていきます。

言葉も訳分かんない。

『相克渦動励振原理に基づいたこれは、船体と外部空間の時間の流に差を付けて、ニュートン物理空間では本来越えられないはずの光速の壁を相対的に突破している。』

こうやって改めて書くと「あ、そう言うことか」と(単語の)意味は理解できるけど(でも「相克渦動励振原理」って何?)、本を読んでいる最中に瞬時にこういう単語を理解するには頭の回転が追いつかない…。
ふ~(T_T)

それでも!
面白かった!!
そういう訳の分からなさも、強引さも全部ひっくるめて読者を「物語世界」に連れていってしまうパワーがあります。
それに主人公の兵吾が戦いを重ねるごとに自分の役割や生きていくと言うことに目覚めていく過程がとても魅力的に描けている物語でした。

現実と上手く対応できない主人公が、ある日突然「本当の自分」に戻ることを他人から命じられ否応なく戦い(他者、そして自分との)の場に駆り出されてしまい、その中で成長していくっていう展開は私にとっては『十二国記』の陽子とだぶるところがありました。
こういう話自体が好きなのかな。

タイトルもいいですよね。

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加納朋子『掌の中の小鳥』

  • 2001/02/25(日) 13:25:59

掌の中の小鳥
加納 朋子
ミステリーの連作です。
いつもの加納さんの作品らしく謎解きの物語としても秀逸なのですが、私は「う~ん、いい感じのラブストーリーだなぁ」っていう方が印象に残りました。

本の帯によると「(著者にとって)ヒロインは<もし自分が男だったら、確実に惚れちゃってたに違いない女の子>」らしいです。
確かに魅力的。
でも私はどちらかというと、「同性のお友達として付き合いたい」タイプかも。
ま、私には「もし自分が男だったら」って視点はあまりないって事でもありますが(笑)

それよりも表紙のイラストがすごくステキなので帯で隠しちゃうのはもったいないです。

『勘違いしないで。誰がつまらない男になんかなりたいって言った?つまんない男になるくらいなら、つまんない女でいた方が百万倍もましよ』

京極夏彦 他『妖怪馬鹿』

  • 2001/02/25(日) 13:22:57

妖怪馬鹿―化け物を語り尽せり京の夜
京極 夏彦 村上 健司 多田 克己
「妖怪研究家」多田克己、「妖怪探訪家」村上健司そして「妖怪小説家」京極夏彦というその世界では有名な3氏が「妖怪」について語った座談会を収録した本です。
(もちろん私は「その世界」の人ではないので、京極氏しか知りませんでしたが(笑))
面白かったです(^^)

お話(物語)の本ももちろん好きだけど、最近こういう「何かの専門家(詳しい人)がそれについて語った本」を読むのもかなり好きです。
自分が興味がある分野の事の「とば口」をちょっとだけ覗くには丁度いいような気がします。
特にこういった「対談形式」の方が面白い意見が引き出されているような気がしますね。
(この座談会の場合、3行以上の長い発言をしているのは殆ど京極氏でしたが^^;)
この本を読んでいて実際に「くだらない~!」って大笑いしちゃった箇所もかなりありました。
「自分の事を笑える」って姿勢は、端から見ると逆にすごく安心できるような気がします。
これが笑う暇もないくらい真面目一方だったらちょっと怖いですよね。
そう言う意味では、この本は健全な入門書なのでは?と言う気がします。

対談の内容も面白いのですが、この本の「みもの」はなんと言っても元プロのイラストレーターであった京極氏描く所の1ページマンガでしょう(笑)
全部で20作あるのですが、これが全て有名漫画家のコピー、パロディになっているのです!
そして、これが上手い!!
漫画家ってそれぞれ「絵」が違うだけじゃなくて、線の太さ、強弱、バックの効果の書き方などもそれぞれ違っているわけですがその一つ一つの質感が非常に的確に捉えられているんですよね。
そしてギャグ漫画をパロったものは、オチもその作家のオチ方をちゃんと踏襲しているという…。
芸が細かいなあ。
こういう細かさが彼を「妖怪」なんていう底なし沼のような世界に呼び込んだのでしょうか?(笑)
これを見るだけでも楽しいです。
ただ、内容はその前後に語られた対談の内容を反映しているので、やっぱり本の中身も読んでからの方がウケると思いますが。

キャサリン・ライアン・ハイド『ペイ・フォワード-可能の王国』

  • 2001/02/18(日) 11:51:25

ペイ・フォワード―「可能の王国」
キャサリン・ライアン ハイド Catherine Ryan Hyde 法村 里絵
現在公開中の映画の原作です。

『世界を変える方法を考え、それを実行しよう』
新任の社会科の教師が出した課題に12歳の少年トレヴァーが一つのアイディアを思いつきます。
それは「自分が誰かにいい事をされたら、そのお返しは誰か他の3人にいい事をしてあげる」事。
つまり1人が3人に、3人は9人に、9人は27人に…と善意の輪はどんどん大きく広くなっていく。
そして、彼はその大河の最初の一滴になるために動き出す…。

題材は面白いし、その「運動」を彼に関わる色んな人の視点から書く書き方も面白いけど、あまりにも色んな事を詰め込みすぎでは?という印象。
伏線って言うのは判るけど、あまりにも遠くから書きすぎだと思う。
特に「ペイ・フォワード」と同時に進行する新任教師とトレヴァーの母親の恋の物語がかなり回りくどくてしつこい。
結果は大体こうなるって判ってるのに(そして実際そうなったし)ここまで書く必要があるのかなぁ?
もっとシンプルにスルスルッと書いた方が、伝わって来るものが大きいような気がした。

ラストもちょっとありきたりかな。
と言うか「映画的」なのかな?

※映画は面白いらしいです。

乙一『失踪HOLIDAY』

  • 2001/02/15(木) 11:48:59

失踪HOLIDAY
乙一
「しあわせは子猫のかたち」と「失踪HOLIDAY」と言うちょっと傾向の違う2つの作品が入っています。
どちらも面白くないわけじゃないんだけど…手放しで「面白かった!」とは書けない。

特に「しあわせは~」の方。
作品の雰囲気はかなり好きなんだけど、どうも読んでいるとイラついてしまう。
何故かと言うと主人公の男の子(大学生になったばかり)に元気がないの。
それがこの物語の重要なファクターにもなっているから仕方ないんだけど、それにしても「何でここまで?!」っていう後ろ向きさ。
ホント読んでてつらくなった。
その辛さに心が冷え切ってしまって、暖かくなったはずのラストにも反応出来なかった…って感じかな。

本人も気合いを入れて書いた、と書いている(多分シャレなのだろうが)「あとがき」が一番面白かった。
これって…。

恩田陸『六番目の小夜子』

  • 2001/02/13(火) 11:46:43

六番目の小夜子
恩田 陸
いつの間にか文庫化(正しくは再文庫化)されてたんですね。
見逃していました。
昨日夕方買ってきて、一気によんでしまいました。
噂に違わず面白かったです!

『サヨコ』というゲームについて語られた3ページのプロローグで始まります。
この3ページの緊張感!
ここを読み終わったときには既に、読者もこのゲームに参加してしまっている、と言う感じですね。
ここからラストまで一気に読ませます。

緊張と緩和の差がすごくあるのに、その流れが全然不自然じゃないんですよね。
それと設定も非現実的なのに、変にリアリティがある感じ。
読んでいてどんどん引き込まれました。

私の高校時代は全然こんなんじゃなかったけど、何故かすごく懐かしさを感じました。
きっと、それは人生のどこかであの閉じて息苦しいけれど、柔らかく暖かい空間に身を置いた事のある人なら
みんな感じる事なのかも知れません。

ラストがちょっと長すぎた気もするけど、
最後のリフレインは映像、そしてBGMまでが鮮明に浮かんでくるくらい鮮やかで美しかったです。

大沢在昌『不思議の国のアルバイト探偵』

  • 2001/02/11(日) 11:45:42

不思議の国のアルバイト探偵(アイ)
大沢 在昌
やっと読み終わった…^^;

読んでる途中でスランプ(笑)に陥ってしまって、えらく長くかかってしまいました。

いや、面白かったんですけどね。
またまた「どうしてこうなるの?」な状態に引きずり込まれた息子のリョウくんと父親の涼介が、そこから脱出するのに命がけの攻防戦を繰り広げます。
相変わらずスピード感がココチイイです(^^)
それとどこでどんな状況になっても自分を信じ続けるリョウくんの潔さがカッコいい。
いつもは最終的にはお父さんに助けられているけど、今回は私怨に突っ走りそうになる涼介さんをたしなめたりもしています。
大人になったのね(^^)
ラスト近くで、自分の命運を握っている大人相手に「自分はそんな生き方を選ばない」と主張するリョウくんがステキでした。

『雪女のキス』

  • 2001/02/03(土) 11:43:27

雪女のキス―異形コレクション綺賓館〈2〉
井上 雅彦
『雪女』をテーマにした作品を集めたアンソロジーです。
過去の傑作である「スタンダード」が11作、新作・書き下ろしである「オリジナル」が11作入っています。
去年の暮れに買って、ちょっとずつ読んでいたので読み終わるまでに一ヶ月以上かかってしまいました。

作品がたくさん入ってる分好き・嫌いにかなりバラつきがでちゃいますね。
特にオリジナルの方で時代を現代に設定すると「雪女」=「冷え性の女性」に変換されがちなのはちょっと。

阿刀田高の作品が(気持ち悪いけど)良かった。

あとはやっぱり宮部みゆき!
最後の2行がとても印象的でした。

ナンシー関『なにもそこまで』

  • 2001/02/02(金) 11:39:04

何もそこまで
ナンシー関
ナンシー関のTVに関するエッセイ。
大好きです(笑)
読んで大爆笑って感じじゃなくて、つい顔がニマニマしちゃうような面白さ。
彼女のドラマ、CM、タレントと言ったTV的なものを見る目の冷静さとそこに間違いなく存在する「愛情」!
いっくらキツイ事が書いてあっても、そこには「バカな子ほど可愛い」的な愛情を感じます(笑)
文体のテンポや、自己ツッコミも好きです。

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