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吉田秋生『海街diary1、2』

  • 2009/12/14(月) 12:42:56

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
海街diary 2 (フラワーコミックス)
海街diary 2 (フラワーコミックス)

珍しくマンガの感想です。
最近はあまりマンガを読まなくなったので本屋のマンガ売り場にも滅多に行かないのですが、今日はなんとなく「何か面白いのがあったら読みたいな」という気分になってプラーッと平台を見て歩いていたらこの本を発見。
「きれいな表紙だな~」と思ってよく見たら吉田秋生さんの作品だったので思わず購入してしまいました。

鎌倉を舞台に、幼い頃両親に捨てられ祖母に育てられた三姉妹(幸・佳乃・千佳)と、父親の死によって彼女たちと暮らす事になった14歳の異母妹(すず)の生活を描いたシリーズものです。

『BANANA FISH』以後、『夜叉』、『イブの祈り』とかなり重いテーマを扱った作品が続きストーリーも人間関係も複雑で内容を理解するのも一苦労…という感じになってしまい『イブの祈り』は途中で挫折。
この作品で何年ぶりかで再会したのですが『夜叉』や『イブ~』と全く方向性が違う、というか『夢見る頃を過ぎても』や『河よりも長くゆるやかに』の頃に戻ったような作品でした。
穏やかで、じんわりと温かさが広がるような雰囲気の作品ですごくリラックスして楽しく読めました。
悩んだり、悲しんだり、怒ったり、迷ったり…という感情や、友達や恋人、家族など人と人との関係が、穏やかな筆致で丁寧に描かれています。

それぞれ個性的な三姉妹と、その暮らしに突然現れる母親の違う妹。
普通だったら、いがみ合いとか反発とかという方向に動きそうな関係なのに、同じ傷を持つもの同士お互いがお互いを思いやる気持ちが嫌味なく描かれていてとても爽やかな作品でした。
また、彼女たちを取り巻く登場人物ひとりひとりがきちんと役割を持ってしっかりと描かれているのも読み応えがありました。

鎌倉の名所旧跡もたくさん出てくるので「鎌倉ガイド」にもなっています。

『月刊flowers』に年に2~3回掲載されたものをまとめてあるようなので、コミックスは1年半に1冊くらいなのかな?
これからも長く続いて欲しい作品です。

ところで次女の佳乃の恋人として『ラヴァーズ・キス』に出てきた朋章が出てくるのですが、これは『ラヴァーズ~』より前の設定なのかな?
佳乃と別れてから里伽子と付き合ったの?
それにしては、この作品の朋章のほうが吹っ切れた感が強いんですが。
『ラヴァーズ~』の朋章もかなり好きなキャラでしたが、こっちの朋章のほうが高校生らしくて可愛らしいですね♪

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矢崎存美『訪問者ぶたぶた』

  • 2008/12/20(土) 15:42:56

訪問者ぶたぶた (光文社文庫)
訪問者ぶたぶた (光文社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
ホストのコウは焦っていた。ナンバーワンは引き抜かれ、オーナーは病に倒れ…。そんなとき耳にした“伝説のホスト”の噂。不滅の売上記録を持つ謎の男とは?(「伝説のホスト」)。もう〆切に間に合わない―。アシスタントたちに逃げられ、独り泣く少女マンガ家の元にスゴ腕の助っ人がやって来た(「ふたりの夜」)。笑いの後にじんとくる、人気シリーズ最新作。

久々(1年振り)のぶたぶたさんは相変わらず働き者です。
今回は、神様(?)、伝説のホスト(!)、小学校の先生、マンガ家のアシスタント、お菓子メーカーのセールスマン、というラインナップでした。
ピンクのブタのぬいぐるみなのに、何をやっても似合ってそうなのが不思議…(笑)

全て短篇なのでサクサク読み終わります。

「神様が来た!」「伝説のホスト」「気まずい時間」「ふたりの夜」「冬の庭園」の5編を収録。
私は「神様が来た!」が好きでした。

米澤穂信『愚者のエンドロール』

  • 2008/10/16(木) 13:31:08

愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)
愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。

神山高校古典部シリーズ第二弾。

う~ん…相変わらず、導入部が苦手だ…。

いくら体調不良でダウンしたからといっても死んだわけじゃないんだから、物語のトリックと結末くらい本人に確認するのが一番早いんじゃ?とどうしても思ってしまうんだよねえ。
もちろん、最後には「そうできなかった理由」というのも明示されるわけだけれど、引き受けた時点ではそれは伏せられているわけだよね。
だとしたら、引き受ける前に、そこをもっと追求するもんじゃないの?
という(身も蓋もない)部分が気になって仕方ないのだ。

そこを超えて話に入ってからの進め方や推理合戦(?)はすごく面白かったんだけどね。

ちなみに私はこういうシチュエーションだった場合、人が考えた内容の穴を見つけたりは出来るけど、自分独自の考え方や合理的なトリックを発見したりは出来ないタイプです^^;

山本一力『赤絵の桜 損料屋喜八郎始末控え』

  • 2008/09/27(土) 10:48:16

赤絵の桜―損料屋喜八郎始末控え (文春文庫 や 29-7)
赤絵の桜―損料屋喜八郎始末控え (文春文庫 や 29-7)

内容(「MARC」データベースより)
損料屋に身をやつし、与力の秋山や深川のいなせな仲間たちと力を合わせて、次々と難事件を解決する喜八郎。江戸で繰り広げられる痛快事件簿、シリーズ第2弾! 短編連作5篇を収録。

シリーズ2作目。
1作目(著者のデビュー作)を読んでいたので2作目も、と思って読んでみたんだけど…1作目を読んでから随分時間が経っていた(6年)ので設定を殆ど忘れていて、最初のうちなかなか物語に入っていけなかった。
特に登場人物が多く、それぞれが重要な役割を担っている山本作品なので、彼らの人間関係が不明なのは致命的。
喜八郎が(当然)主役なのは覚えているけど、喜八郎以外に頻繁に出てくる「伊勢屋」と「米屋」と喜八郎の力関係がよく判らないのがもどかしい。
加えて一話目の「ほぐし窯」はその中ではある組織による悪事と喜八郎がそれに対抗するために動き回る姿が描かれているんだけど、その悪事の仕組みもよく理解できなくてわけが判らないまま終わってしまった印象だった。

二話目以降からはそれでも何となく話が見えてきて楽しめた。
話の内容は一話目から基本的な部分はずっと繋がってはいるけれどそれを別の登場人物、別の角度から描いてそれぞれ単独でも読めるようになっているし、何より個性的な登場人物の設定や細かい場面描写、小さくそして何気なく見えて実は印象的なエピソードの積み重ね…といった山本作品の魅力が満載で読みやすかった。

ラストの「初雪だるま」では、前作の感想で「この後どうなったのか気になる」と書いた喜八郎と江戸屋の女将・秀弥のこともちゃんと書いてあった。
いくら気に入らない相手を慌てさせたいからといって、こんなに大がかりでお金も掛かることを企む江戸のお大尽たちの遊び心に驚く。
しかも、結果として相手を不幸に陥れるのではなく、幸せを手に入れる後押しをする形で終わるようになっているという人情と度量が生きた設定が素晴らしく、読んだ後満足して本が閉じられる内容だった。

でも、人物設定がうろ覚えってことで何となく気分的に中途半端な感じが抜けないので、近いうちに1作目をもう一度読み返してみよう。

表題作他「ほぐし窯」「枯れ茶のつる」「逃げ水」「初雪だるま」の5編を収録。

柳広司『ザビエルの首』

  • 2008/09/23(火) 10:45:25

ザビエルの首 (講談社文庫 や 60-1)
ザビエルの首 (講談社文庫 や 60-1)

内容(「BOOK」データベースより)
聖フランシスコ・ザビエルの遺骸は、死後も腐敗することがなかったという。鹿児島で新しく見つかった「ザビエルの首」を取材した修平は、ミイラと視線を交わした瞬間、過去に飛ばされ、ザビエルが遭遇した殺人事件の解決を託される。修平が共鳴したザビエルの慟哭の正体とは…。

面白かった。

タイトルと導入部の印象から、400年経って何故か鹿児島で発見されたザビエルの首を巡る歴史(またはホラー)ミステリーって感じなのかと思って読んでいたら、取材に行った主人公(フリーライターの片瀬修平)がいきなりザビエルが生きていた時代にタイムスリップしてそこで起きた殺人事件の謎を解く話だったのには驚いた。
しかも、飛んでいくのは修平の意識だけで、その意識がザビエルの傍にいる人間(通訳だったり、友人だったり、肉親だったり)の頭に入り込んで、最初はその人物として事件を見聞きし(その間、修平は自分の意志では動けない)最後になって呪縛が解けたように修平の意識でもってその事件の謎解きをする…というかなり手が込んでいる設定。

設定が凝っている分、事件に至るまでの展開やスムーズで、トリックも思い込みや錯覚を利用したシンプルなものが多く読みやすかった。

ただ、今まで普段と全く変わりなく自分の隣にいた人間がいきなりそれまでとは全く違う、まるで何かが取り憑いたような状態(ある意味ホントにそうだけど(笑))で喋り出すというのは、その周囲の人にとっては違和感アリアリなのでは?
修平の意識が抜けたあとその人たちがどうなったかに興味がある、というか心配だなあ。
それこそ「魔女裁判」にでもかけられそうな状態なのでは?^^;

それにしても「フランシスコ・ザビエル」って日本人ならたいていの人が顔も名前も知っている有名人でもちろん私も知っていたけど、これを読むまでそのザビエルに「キリスト教伝来」以外の歴史(どこで生まれて、どんなふうに育って、そしてどこでどうやって死んだのか)があったなんて考えたこともなかった。ましてその死後数カ月経っても遺体が全く腐敗しなかったため後に「聖人」となったなんて全く知らなかったので、そうした歴史的事実や当時の宗教観なども面白く読めた。

歴史ってやっぱり面白いよね~。
でもあまりにも膨大すぎてどこから手を付ければいいか判らないんだなあ…。

<参考>
フランシスコ・ザビエル(ウィキペディアより)

米澤穂信『犬はどこだ』

  • 2008/09/07(日) 11:16:26

犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)
犬はどこだ (創元推理文庫 M よ 1-4)

内容(「MARC」データベースより)
犬捜し専門の仕事を始めたはずなのに、依頼は失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、ふたつはなぜか微妙にクロスして-。いったいこの事件の全体像は? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵・紺屋、最初の事件。

読み始めたときは何故かなかなか進まなかった。
一旦読むのを止めて他の本を何冊か間に挟んだあと、1ヶ月ほど経ってから読み始めたら今度は(何故か)スルスル進んだ。
読み終わってみたら、今まで読んだ米澤作品の中でも一番読みやすい作品だった。

主人公の紺屋が探偵になった理由が「アトピー性皮膚炎」というのが意外性があって面白かった。
なるほど、人はいろんな理由で自分の進む道の軌道修正をしていくんだなあ。

行方不明になった佐久良桐子(さくらとうこ)の行方を追いかけるパートは面白かった。
特にネット上のトラブルが原因で…と判明してからの展開はスピード感があって一気に読めた。
曖昧にぼかして書いたつもりでも、いくつもの記述を丹念に一つ一つ積み上げると、本人に行き着いてしまう可能性がある…ということがかなりリアルに書いてあってすごく興味深かったし、「自分は大丈夫かな…」とちょっと不安になったり。

それに対して、古文書解読の依頼のほうはわざわざ紺屋に依頼してくる理由がイマイチ判らなかったなあ。
こんなの、どこから来たのか判らないような相手にお金払って調べてもらうよりも、地元の研究家でも探した方が早そうだと思うんだけど。
(実際に調査を担当した紺屋の部下(?)のハンペーはそういう人間を見つけて調査を進めたわけだし)
この古文書の内容が桐子の事件の解決にも繋がっていくので切り離せない話だったのだと思うけど、最後まで「取って付けた」感が拭えなかったのが残念。

ラストは紺屋が桐子を見つけてエンディングなんだけど、桐子が何をしたのか(またはしなかったのか)は不明のまま終わっている。
ちょっとスッキリしないけど、物語全編に登場していながら実際に姿を現して実際に話をするのはラスト近くのほんの2ページほど、という桐子の存在とともに作品に不気味さを与えていて私はけっこう好きな終わり方だった。
この作品はこのあともシリーズで続いているようだけど、桐子はその作品にもどこかに影を落としているのだろうか。
次の作品が楽しみ。

米澤穂信『氷菓』

  • 2008/06/01(日) 09:11:15

氷菓 (角川スニーカー文庫)
氷菓 (角川スニーカー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。

久々の米沢作品。
「古典部シリーズ」第一弾、とのこと。
舞台は部活動がさかんな進学校、神山高校。
「無駄なことはしたくない」がモットーの省エネ高校生・奉太郎がひょんなことから廃部の危機に瀕していた古典部に入部したところから事件は始まる…。

小さな謎の積み重ねがあって、そこから物語全体に関わる大きな謎解きに繋がっていくというスタイル。
各章に散らばった小さい謎解きのほうはけっこう面白かったけど、古典部の部長になる"千反田(ちたんだ)える"の持ち込んだ謎については引っ張ったわりに結末はあまり意外性を感じなかった。
これは、私が年齢的に奉太郎たちよりも、謎の中心人物であった"える"の伯父のほうに近いというのが影響しているんだと思うけど。
もちろん、私自身がそれを体験した世代ではないけど、「その頃そういうことがあった」というのは知識として知っていて当然という程度には近い世代であったということ。
(少なくとも「そんなことがあったんだ」と初めて聞く話ではなかった)
更には「何があったのか」と並んでもう一つの謎であった、古典部の文集の名前「氷菓」についての謎解きもヒントが提示された時点でピンと来た。
これについてはアイドル系の歌謡曲の歌詞として頭にインプットされていたので、作品の中で登場人物の高校生が(その意味に)衝撃を受けている描写と私の頭の中でグルグル回ってるその明るいフレーズとの間のギャップが凄くて全然感情移入が出来なかったのだった…^^;

でも、そんなことより私がずっと違和感を持っていたのは主人公・奉太郎の性格。
まだ高校1年生の奉太郎が、

「やらなくていいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」

という省エネスタイルを貫く理由がよく理解できなかった。
高校1年生の男子っていったら、放って置いても無駄なエネルギー放出しまくり、って存在じゃないの?
(すごい偏見ですが(笑)あ、そのエネルギーを何かに転換出来ればいいのかも~(笑))
もちろん、人はどんなモットーを持っていてもいいと思うし、実際私も基本的に「面倒くさいことは大嫌い。しなくていいことはしたくない」という性格なのでそういう考え方自体を否定するわけではない。
でもだからこそ、そういう性格って「気が付いたらそうだった」って類のものであって、「これが自分のモットーです」って他人に言ったりするものではないような気がするんだけどなぁ。
それを奉太郎はあまりにも何度も口にするから、私にはそれが自然と身に付いた、または元々彼が持っている性質なのではなく、敢えて自分に言い聞かせているように感じられた。
もしかしたらそれも一つの謎なのかしら。それとも考えすぎ?

ちょっと微妙な違和感があったけど短くて読みやすい作品、しかもシリーズものなので、このあとも読んでみる予定。

よしながふみ『大奥〈第一巻~第三巻〉』

  • 2008/04/29(火) 20:15:49

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))
大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

すごく久々にマンガを読んだ。

「面白い」という噂は聞いていたけど、もともとあまりコミックス売り場に行かないせいもあって、たまに行ってもどこにあるか見つからない、とか見つけたと思ったら1巻目だけないとかいう状況が何度か続いてなかなか手元に来なかった。
それが今日の帰りに何気なく本屋に寄ったら、たまたま3冊とも揃っていたので「今だ!」ってことでまとめ買い。
で、帰って来て一気読み。

面白かった!!!

江戸幕府三代将軍家光の時代に若い男だけが次々と死んでいく奇病が流行し、その後女子に対して男子の人口が3分の1になってしまった日本が舞台。
そこでは生命力の弱い男に代わって、全ての労働力が女に委ねられ、家督も女が継いでいく世界となっている。
そして、「大奥」もまた女性の将軍と、三千人の美男たちで出来ていた…という話。

将軍が女で、周りに侍るのが男たちという逆ハーレム状態の「大奥」の話だってことは聞いていたのでもっと笑える軽い内容なのかと思っていたら、これがかなり重厚な造りの物語で読み応えアリ。
セリフや心理描写がかなり濃厚で奥が深い。
集中して読んだので、けっこう疲れた^^;

単純に男と女が逆転している(男性の女性化、女性の男性化)ということではなくて、それぞれがそのメンタリティを保持したままでその立場が逆転しているという複雑な状態をとても巧く表現していると思う。
しかも「大奥」という設定だけ持ってきて他は全く別の世界というわけではなく、主要人物はちゃんと歴史上の人間関係や設定をなぞっているのも面白い。

それに何より絵が上手いのがいい。
「美形」がちゃんと「美形」に見えるって重要だよね。
しかも、大奥が舞台だから衣装とか小道具とか背景も難しそうだし…。
そうしたものが手を抜かずきちんと収まっているからこそ、物語に集中出来るというのはある。

現在白泉社のジェッツコミックスで3巻まで発売中。
ここまででもかなりどっしりと存在感がある内容になっているけど、物語はまだまだ序盤。
この後どんな展開になるのかすごく楽しみ!
でも、コミックスにまとまるのは(今までの発行状況を見ると)年に1冊ペースくらいみたい…。
最新刊(第三巻)が出たのが去年の12月だから…先は長い…(T_T)

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))
大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))
大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)
大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)

山本一力『銭売り賽蔵』

  • 2008/02/09(土) 10:12:40

銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) (集英社文庫 や 41-1)
銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1) (集英社文庫 や 41-1)

内容(「BOOK」データベースより)
金貨や銀貨と、町民が普段使う文銭とを両替する銭売り。賽蔵は「二分金千両を目の前にして、眉ひとつ動かさなかった男」、「いまどき、カネに転ばない男はめずらしい。心根がいやしくないからこそ、できることだ。目に曇りのないあの男なら、どんな大仕事でもやり遂げるだろう」と言わせる男だった。江戸庶民のたつきを生き生きと描く長編時代小説。

山本さんの作品の魅力は、江戸のいろんな生業を詳しく生き生きと描写してある部分はもちろんなんだけど、それ以上に登場人物たちが自分の身の丈にあった暮らしの中で精一杯にきちんと生きている姿がしっかりと描かれている部分。
時々失敗したり、苦労したり、哀しんだりすることはあるけれど、真っ当に努力して、人と人の繋がりを大切に生きている登場人物たちの結末はいつも明るい。

この作品も銭売りの賽蔵、彼を支え自らも人気の小料理屋を切り盛りするおけいを始めとする登場人物たちが気持ちよく前向きで、読んだ後に元気になれる作品だった。

山本さんの作品を読んでいると深川に行きたくなるなあ。
ちょっとよく描かれすぎでは?と思ってしまうくらい、人情味があって思い遣り深い、嘘のない生活ぶりが読んでいて気持ち。

ただ途中、賽蔵の性格がちょっとブレがあったことと、おけいの店を潰そうとする岡田屋と渡り合うくだりが仕掛けは大がかりなように見えたのに解決までがあっさりし過ぎていたのがちょっと残念だったかな。

山本一力『梅咲きぬ』

  • 2007/11/05(月) 10:34:13

梅咲きぬ (文春文庫 や 29-6)
梅咲きぬ (文春文庫 や 29-6)

出版社/著者からの内容紹介
景気の低迷が続く宝暦年間、深川の老舗料亭「江戸屋」を凜として守る女将・秀弥とその娘・玉枝。幼くしてすでに次の女将を襲名すべき運命を背負った玉枝は、母や周囲の厳しくも温かい目に見守られながら、やがて誰からも認められる老舗の女将として、大きく成長してゆく。著者が「わが思い入れ最高の作品」と呼んだ感動傑作。

とても「品のいい」作品だった。

深川の老舗の料亭・江戸屋を女手一つで切り盛りする三代目女将・秀弥とその一人娘・玉枝の物語。
聡明で美しく誠実で胆力があり誰からも敬われる母と、幼い頃からその後を継ぐべく女将に相応しい教育を受ける利発で素直な娘。
母を始め周囲の人々の厳しくも温かい眼差しと薫陶を受けながら、娘・玉枝は母をも凌ぐ女将としての器量を身につける…。

江戸屋と秀弥、玉枝親子の周囲で起こる様々な出来事を丁寧に読みやすく書いてあるので一気に、面白く読めた。

もうとにかく、立派な人、いい人しか出てこない。
(悪い人はちょっと出てくるけど、ちゃんと「退治」(笑)されてしまう)
そこがよかった反面、あまりにもみんな立派すぎて、読んでると時々鼻白む部分もあったかな。
(三代目)秀弥も玉枝も出来すぎなんだもの。
この親にこの娘だからよかったようなものの、ちょっとでも飲み込みが悪かったりボンヤリしてたりしたらこんな生活はついていけないだろうなあ…^^;

でも、この本には人が人としてきちんと生きていくために必要なことがたくさん書いてあると思うので読めてよかった。
特に、玉枝が祖父母のように信頼し、敬愛した踊りの師匠・春雅とその連れ合い福松夫婦の描き方がステキだった。

四代目秀弥(玉枝)には実子がいなくて養女を貰うことになるはずなんだけど、今度は彼女がどんな子育てをしたのかを読んでみたいな。

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